【飼い主向け】愛犬、愛猫がハチ、アリに噛まれた!刺された!【分かりやすく獣医師が解説!】

    夏に散歩した時、愛犬、愛猫が草むらに入ることは多いのではないでしょうか?

    草むらの中にはどんな生き物が潜んでいるか分かりません。

    その後に、足を痛がったり、何処かを痒がったり、赤くなっていたり、腫れたり、いろんな症状が出ることがあります。

    そんな時は、ハチやアリに噛まれたり、刺されたりしていることがあります。

    犬の散歩中の行動が気になる、犬、猫が散歩後に痛そうにしたり、痒がった経験がある飼い主様は実は多いのではないのでしょうか?

    当記事では、ハチ中毒、アリ中毒の時の作用機序や症状、対処法にいたるまでをまとめました。

    限りなく網羅的にまとめましたので、愛犬、愛猫に上記の様な経験がある飼い主は是非ご覧ください。

    ✔︎本記事の信憑性
    この記事を書いている私は、大学病院、専門病院、一般病院での勤務経験があり、
    論文発表や学会での表彰経験もあります。

    記事の信頼性担保につながりますので、じっくりご覧いただけますと幸いですm(_ _)m

    » 参考:管理人の獣医師のプロフィール【出身大学〜現在、受賞歴など】

    ✔︎本記事の内容

    愛犬、愛猫がハチ、アリに噛まれた!刺された!

    犬、猫がハチ、アリに噛まれた、刺された時に起こる病態

    犬、猫がハチ、アリに噛まれた、刺された時に起こる病態

    毒液のタイプは、昆虫の種類により様々です。

    ホスホリパーゼとヒアルロニダーゼが一般的成分です。

    ミツバチ、アリ、スズメバチの毒液は、壊死を生じ溶血性アルカロイド:溶血素を含みます。

    また、一時的な激しい痛みを起こすギ酸を含有するものもあります。

    犬、猫がハチ、アリに噛まれた、刺された時の中毒の症状

    犬、猫がハチ、アリに噛まれた、刺された時の中毒の症状

    刺し傷、咬み傷は、局所的炎症、浮腫、痛みを生み出します。(1時間以内)

    多数の刺し傷と咬み傷は、ショックを起こします。(アレルギー反応:アナフィラキシー:30分以内)

    ミツバチの様な虫では、毒針器官(雌虫の産卵管)全体が、刺した後虫の体から引き離され、そして被害を受けた動物の体に付着し残ります。

    この器官は毒液袋を収縮し続けることのできる筋肉組織を持ち、より多くの毒液を注入することになります。

    犬、猫へのさらなる毒液を注入する毒液袋を取り除くには、ピンセットで梁と毒液袋の間で掴んで引き抜くか、指で周りの皮膚を摘み、押し出す方法があります。

    アシナガバチとミツバチのいくつかは、繰り返し刺し、その毒針器官は産卵管に付着し残ります。

    症状一覧

    • 局所的炎症、痛み、浮腫
    • ショック、アレルギー反応(蕁麻疹、血管浮腫、アナフィラキシー)
    • 溶血、横紋筋融解症
    • 肝不全、腎不全

    犬、猫がハチ、アリに噛まれた、刺された時の治療

    犬、猫がハチ、アリに噛まれた、刺された時の治療

    ショックとアレルギー反応は、輸液、エピネフリン(アナフィラキシーショック)、ステロイド(デキサメサゾン)で治療できます。

    また、抗ヒスタミン剤(ジフェンヒドラミン)も使用されます。

    溶血、横紋筋融解症、血管内凝固の進行、腎不全、心不全の治療が必要になります。

    原因物質の除去

    毒針器官が残っている場合は、引き抜くか、周りの組織ごと刺激を与えずに除去します。

    解毒剤や支持療法

    重度の反応、感染、ショックの症状がある場合は抗生物質が必要になります。

    また炭酸水素ナトリウムの水剤が局所的適用となり、同時に冷たい水や局所的湿布が一時的に効果的です。

    犬、猫がハチ、アリに噛まれた、刺された時の予後

    犬、猫がハチ、アリに噛まれた、刺された時の予後

    早期に治療を行えば極めて良好です。

    犬、猫がハチ、アリに噛まれない、刺されないための予防

    犬、猫がハチ、アリに噛まれない、刺されないための予防

    特にお散歩の時に草むらなどに、顔を突っ込ませない様に、行動はある程度制限する必要があります。

    野外には、他にも、犬、猫にとって危険な、カエル、ヘビ、クモがいるからです。

    ヘビ中毒

    カエル中毒

    クモ中毒

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    no dogs & cats no lifeをモットーに、現役獣医師が、科学的根拠に基づいた犬と猫の病気に対する正しい知識を発信していきます。国立大学獣医学科卒業→東京大学附属動物医療センター外科研修医→都内の神経、整形外科専門病院→予防医療専門の一次病院→地域の中核1.5次病院で外科主任→海外で勤務。

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