獣医師解説!犬や猫が斜視になった!目が斜め、目の傾き~原因、症状、治療方法~

    犬や猫の目が斜めになった、目が違う方向に向いている・・・

    犬や猫の斜視って?原因や、治療方法は?

    本記事では、犬や猫の斜視、目の異常についてお話しします。

    • 様子、経過を見てくださいと言われたけど心配...
    • 検査してくれなかった...
    • 病院ではよくわからなかった...
    • 病院では質問しづらかった...
    • 混乱してうまく理解できなかった...
    • もっと詳しく知りたい!
    • 家ではどういったことに気をつけたらいいの?
    • 治療しているけど治らない
    • 予防できるの?
    • 麻酔をかけなくて治療できるの?
    • 高齢だから治療ができないと言われた

    もしくは、病院に連れて行けなくてネットで調べていた という事でこの記事に辿りついたのではないでしょうか?

    ネット上にも様々な情報が溢れていますが、そのほとんどが科学的根拠やエビデンス、論文の裏付けが乏しかったり、情報が古かったりします。

    中には無駄に不安を煽るような内容も多く含まれます。

    ネット記事の内容を鵜呑みにするのではなく、 情報のソースや科学的根拠はあるか?記事を書いている人は信用できるか?など、 その情報が正しいかどうか、信用するに値するかどうか判断することが大切です。

    例えば...

    • 人に移るの?
    • 治る病気なの?
    • 危ない状態なのか?
    • 治療してしっかり治る?

    これを読んでいるあなたもこんな悩みを持っているのでは?

    結論から言うと、眼球の向いている方向で、外斜視、内斜視、上斜視、下斜視に大きく分類されます。

    例えば短頭種動物は両眼外斜視を、逆に長頭種では眼窩が深いために内斜視を呈することが多いです。

    このため病的な斜視かそうでないのかを調べることが重要です。

    この記事は、愛犬や愛猫が斜視、目が斜め、目の傾きが認められる飼い主向けです。

    この記事を読めば、愛犬や愛猫の斜視、目が斜め、目の傾きの病気についてわかります。

    限りなく網羅的にまとめましたので、ご自宅の愛犬や愛猫の斜視、目が斜め、目の傾きについて詳しく知りたい飼い主は、是非ご覧ください。

    ✔︎本記事の信憑性

    この記事を書いている私は、大学病院、専門病院、一般病院での勤務経験があり、 論文発表や学会での表彰経験もあります。

    今は海外で獣医の勉強をしながら、ボーダーコリー2頭と生活をしています。

    臨床獣医師、研究者、犬の飼い主という3つの観点から科学的根拠に基づく正しい情報を発信中!

    記事の信頼性担保につながりますので、じっくりご覧いただけますと幸いですm(_ _)m

    » 参考:管理人の獣医師のプロフィール【出身大学〜現在、受賞歴など】や詳しい実績はこちら!

    ✔︎本記事の内容

    犬や猫が斜視になった!目が斜め、目の傾きとは?

    犬や猫が斜視になった!目が斜め、目の傾きとは?

    眼球の位置(視軸)がずれる状態です。

    片眼が物体を凝視の際、隻眼(もう片方の眼)が同方向を向かず、正視する調節機能が失われています。

    犬や猫が斜視になった!目が斜め、目の傾きの分類と問題点

    犬や猫が斜視になった!目が斜め、目の傾きの分類と問題点

    眼球の向いている方向で、外斜視、内斜視、上斜視、下斜視に大きく分類されます。

    頭蓋骨の眼窩の形状によっても斜視が異なる点に注意します。

    また犬種別で大きく異なります。

    例えば短頭種動物は両眼外斜視を、逆に長頭種では眼窩が深いために内斜視を呈することが多いです。

    この文章は消さないでください。
    このため病的な斜視かそうでないのかを調べることが重要です。

    例えば、瞬膜挙上時には瞬膜の色調によっては外斜視にみえることがあります。

    衰弱や瘦身のために眼窩の脂肪組織容量が低下し、結果として眼球が陥没して内斜視(眼球が陥没すると瞬膜も挙上するので注意)にみえることもあります。

    また眼球周辺組織に生じる腫瘍病変によって斜視を起こすことや、歯根膿瘍による影響で眼球変位することもあります。

    中には、眼筋への神経伝達障害などで発症する場合もあります。

    特殊な例では、シャムの先天性内斜視があります。

    また眼球の大きさの変化により眼球変位することもあります。

    犬や猫が斜視になった!目が斜め、目の傾きの理由、原因

    犬や猫が斜視になった!目が斜め、目の傾きの理由、原因

    多くは外傷後の周辺組織の出血や腫脹により、また外眼筋の損傷によって起こりますが、
    眼球付属組織周辺に生じる腫瘍、炎症や出血などから圧迫を受けて変位を起こします。

    珍しい報告では、眼窩に生じた類皮腫が眼球に影響を及ぼしています。

    また、眼球の大きさが影響する疾患、例えば緑内障などの影響で眼球腫大を起こし眼球位置が変わります。

    特殊な例の中でも注意すべきは、シャムの外眼筋の先天異常による内斜視です。

    斜視の程度や種類は病変部の位置や程度に影響します。

    犬種による特徴的な斜視は、眼窩骨構造や栄養状態によって各々異なります。

    外眼筋の神経伝達障害や異常によっても眼球の動きや向きも変わるなど原因は様々です。

    犬や猫が斜視になった!目が斜め、目の傾きの対症療法

    犬や猫が斜視になった!目が斜め、目の傾きの対症療法

    多くは外傷治療や感染および炎症の全身治療を行います。

    外眼筋の断裂修復は筋委縮が起こるため、受傷後なるべく早く外科的修復を行うことが望ましいです。

    緑内障による牛眼は、角膜損傷を考えると外科的修復が望ましいです。

    シャムの先天性内斜視については網膜視野領域がすでに確立しており、斜視矯正改善すると視野領域がずれ視覚障害が起こるため、早い時期でも外科的修復は避けるべきです。

    歯根膿瘍によるものは全身抗生物質の投与や積極的な排膿が必要なときがあります。

    犬や猫が斜視になった!目が斜め、目の傾きの診断の進め方

    犬や猫が斜視になった!目が斜め、目の傾きの診断の進め方

    神経学的検査、緑内障や外傷の確認、眼底検査眼底のずれを確認することで眼球変位を観察します。

    眼球超音波検査では、腫瘍による眼球内変化、眼球の大きさ、眼球外筋や球後腫脹や腫瘍の有無を観察します。

    さらに詳細な情報を得るにはCT検査やMRI検査が必要です。

    犬や猫が斜視になった!目が斜め、目の傾きの特徴

    犬や猫が斜視になった!目が斜め、目の傾きの特徴

    短頭種では外斜視になることが多いです。

    しかしながら病変の位置によっては違う方向に斜視が生じ、種類が様々であるため病変位置を確認します。

    原因によって視覚を維持できるものとそうでないものがあります。

    緑内障発症時は瞬膜の挙上はほとんどなく、眼球の腫大による眼球変位斜視です。

    • ジャーマン・シェパード・ドッグ
    • ワイマラナー
    • ラブラドール・レトリーバー
    • グレート・デーン
    • ゴールデン・レトリーバー

    では、眼球突出などを起こす好酸球性筋炎がみられることが多いです。

    犬や猫が斜視になった!目が斜め、目の傾きの高頻度の疾患

    犬や猫が斜視になった!目が斜め、目の傾きの高頻度の疾患

    外傷により頻発します。

    また、球後膿瘍や慢性緑内障が原因で牛眼となり斜視となることもあります。

    ふらつきや斜頸もある場合は前庭疾患や水頭症の可能性も考えられます。


     

    犬や猫が斜視になった!目が斜め、目の傾きのまとめ

    まとめ
    • 眼筋の異常による斜視なのか筋群以外による影響によるものかを見極める必要があります。

     

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    no dogs & cats no lifeをモットーに、現役獣医師が、科学的根拠に基づいた犬と猫の病気に対する正しい知識を発信していきます。国立大学獣医学科卒業→東京大学附属動物医療センター外科研修医→都内の神経、整形外科専門病院→予防医療専門の一次病院→地域の中核1.5次病院で外科主任→海外で勤務。

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