【獣医師解説】おすすめのドッグフード・キャットフード・療法食の選び方、基準、与え方

    ドッグフードやキャットフードってどうやって選んだらいいの・・・

    おすすめのドッグフードやキャットフードはある?

    本記事では、おすすめのドッグフード、キャットフード、その選び方についてまとめました。

    • 様子、経過を見てくださいと言われたけど心配...
    • 検査してくれなかった...
    • 病院ではよくわからなかった...
    • 病院では質問しづらかった...
    • 混乱してうまく理解できなかった...
    • もっと詳しく知りたい!
    • 家ではどういったことに気をつけたらいいの?
    • 治療しているけど治らない
    • 予防できるの?
    • 麻酔をかけなくて治療できるの?
    • 高齢だから治療ができないと言われた

    もしくは、病院に連れて行けなくてネットで調べていた という事でこの記事に辿りついたのではないでしょうか?

    ネット上にも様々な情報が溢れていますが、そのほとんどが科学的根拠やエビデンス、論文の裏付けが乏しかったり、情報が古かったりします。

    中には無駄に不安を煽るような内容も多く含まれます。

    ネット記事の内容を鵜呑みにするのではなく、 情報のソースや科学的根拠はあるか?記事を書いている人は信用できるか?など、 その情報が正しいかどうか、信用するに値するかどうか判断することが大切です。

    例えば...

    • 人に移るの?
    • 治る病気なの?
    • 危ない状態なのか?
    • 治療してしっかり治る?

    これを読んでいるあなたもこんな悩みを持っているのでは?

    結論から言うと、長年の販売実績があるかどうか、科学的観点から作られたフードが一番いいフードです。

    この記事は、ドッグフード、キャットフードの選び方がわからない、おすすめのペットフードが気になる飼い主向けです。

    この記事を読めば、ドッグフード、キャットフードの選び方、おすすめのペットフードがわかります。

    限りなく網羅的にまとめましたので、ご自宅のドッグフード、キャットフードの選び方がわからない、おすすめのペットフードについて詳しく知りたい飼い主は、是非ご覧ください。

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    ✔︎本記事の信憑性

    この記事を書いている私は、大学病院、専門病院、一般病院での勤務経験があり、 論文発表や学会での表彰経験もあります。

    今は海外で獣医の勉強をしながら、ボーダーコリー2頭と生活をしています。

    臨床獣医師、研究者、犬の飼い主という3つの観点から科学的根拠に基づく正しい情報を発信中!

    記事の信頼性担保につながりますので、じっくりご覧いただけますと幸いですm(_ _)m

    » 参考:管理人の獣医師のプロフィール【出身大学〜現在、受賞歴など】や詳しい実績はこちら!

    ✔︎本記事の内容

    おすすめのドッグフード、キャットフード、療法食の選び方

    この記事の目次

    信用できないネットのおすすめペットフード

    みなさんはペットフードに、こんな悩みはないでしょうか?

    • 結局何を基準に選べばいいの?
    • 添加物や保存料は入っていない方がいいの?
    • グレインフリーのフードがいいの?
    • ミールや副産物は危険なの?

    そんなときに、ネットで調べると、おすすめのペットフードが羅列してあると思います。

    しかし、それを鵜呑みにするのは、少し危険です。

    ネットのペットフードおすすめランキングは「報酬ランキング」

    ネットのフードランキングの多くが、紹介報酬料の高い順に並んだ「報酬ランキング」です。

    ネットの広告やブログ記事でよく見かけるには意味があります。

    アフィリエイトという、紹介者に払われる額が大きいのです。

    例えば、下記のブログでは、そのブログを書いている人に支払われる金額がまとめられています。

    逆にいうと、猫や犬を飼っていなくても、収入のためにペットフードを探している飼い主向けに記事を書けてしまうわけです。

    その記事を書くときに、より収入を高くするため、紹介する商品の目安がこの記事になるということです。

    とあるサイトのおすすめキャットフードランキング

    1. モグニャン (新規購入: 3960円)

    2. ピュリナ (新規購入: 3,850円)

    3. カナガン (初回購入: 3960円)

    4. ジャガー (初回購入: 3000円)

    5. シンプリー (初回購入: 3000円)

    6. レガリエ (初回購入: 1,080円)

    報酬額参考: https://affitize.com/cat-food-recommend-asp/

    これらの商品は、ネットの多くの記事で紹介されていますが、このような仕組みがあるからなのです。

    一方、多くの獣医師がおすすめするヒルズやロイヤルカナンはほとんどのサイトでランクインしていないか、下位にランクインしていました

    理由は、ヒルズやロイヤルカナンは報酬額がかなり低いんです。

    ヒルズやロイヤルカナンを売って報酬を得ようとすると、Amazonや楽天を経由して広告を貼ることになるので、報酬は購入額の5%です。

    例えば2000円の商品を買ってもらったとしても、報酬は100円程度です。

    もちろん、成功報酬型広告(アフィリエイト)や上記のフードが悪いわけではありません。

    フード販売会社が生き残るためにも広告や宣伝行為は必要です。

    さらに上記のフードを食べたからと言って、病気になりやすいなどの報告はありません。

    しかし、多くの飼い主は、ペットフードの選ぶ基準がわからず、広告に流されてしまう危険があります。

    しっかりとした基準があれば、上記のフードであっても何も問題はありません。

    愛犬や愛猫に、実際にご飯をあげるのは飼い主なので、しっかり安心できる、根拠のある安全なフードをあげたいと思う方が多いと思います。

    日本では、人の食の基準は厳しいですが、犬や猫はまだまだ無法地帯です。

    報酬額が高い=悪い商品ではないですが、しっかりとした根拠を持って、ペットの食の安全を守りましょう!

    ネットの情報の鵜呑みは危険

    多くのランキングサイトが報酬重視であるため、そのまま信用するのは危険です。

    これが正しい、悪いではなく、飼い主様が正しい知識を持って、愛犬、愛猫を守ってください。

    報酬重視で選んでいるが故に、そのフードのメリット・デメリットについての記載にも多くの誤った情報が紛れています。

    紹介したい、宣伝したい、自分の記事からリンクを踏んで購入してもらいたいフードを勧めたいがあまり、

    根拠のない基準でそのフードの評価を上げたり、

    逆に他のフードの評価を下げたりしています。

    例えば、ネットの記事で以下のような記載を目にしたことはないですか?

    • BHAなどの酸化防止剤は発がん性があり危険
    • 副産物・ミールは粗悪な原材料が含まれ危険
    • 穀物の入っていないグレインフリーフードがいい

    これらは、もっともらしいですが、全く根拠がない誤った情報です。

    ペットフードにグレインフリーフードは必要?

    ヒルズやロイヤルカナンを含め、多くのキャットフードには小麦やトウモロコシ、米などの穀物が使われています

    一方で、近年穀物を含まない、肉メインのグレインフリーフードに注目が集まっています。

    よく書いてあるメリットとしては、

    • 猫は本来穀物を食べないから、穀物は消化できない
    • グレインフリーの方が自然の食事に近いので、グレインフリーを選ぶべき!
    • ヒルズやロイヤルカナンは穀物を多く含むので良くないフードです。

    などが書いてあり、信じてしまいそうになります。

    しかし、現段階でグレインフリーが健康に良いという科学的データは一切ありません

    穀物に含まれている成分、栄養素も必要です。
    • 穀物は全て犬猫でも消化できる形(アルファ化)で含まれており、良い栄養源となる
    • 犬ではグレインフリーフードと心臓病の関連があるかも?
    • タンパク質が多く含まれるため、腎機能が低下した猫では注意が必要

    今後研究が進み、グレインフリーの方が優れているというデータが出れば主流になっていくと思われますが、

    科学的根拠に乏しい現段階では、グレインフリーにこだわる必要は全くないということです。

    グレインフリーの売りは「本来穀物を食べないから、グレインフリーの方が本来の食事に近い」というもの。

    しかし、グレインフリーという言葉の響きはいいですが、穀物の中にも犬や猫にとって必要な栄養素が入っています。

    犬や猫は、野生下では、ネズミなどの野生動物を食べていますが、丸ごと1匹食べています。

    しかし、人がペットの犬猫に与えるときは筋肉(ささみなど)のみです。

    筋肉はタンパク質メインなので、バランスが非常に悪く、人で言うとプロテインを飲んでいるだけになります。

    野生のライオンなども、食事の時は筋肉よりも内臓から食べるようです。

    つまり人のイメージする肉食=筋肉ではなく、内臓にこそ栄養が豊富にあるので、スーパーに売っている肉だけでは栄養が偏るため、内臓ごと丸々1匹あげることが重要です。

    グレインフリーに含まれない穀物類は良い栄養源

    犬や猫は、穀物はうまく消化することができないと言われていますが、本当にそうでしょうか?

    実はペットフードに含まれている穀物類は水と熱を加えた状態(米を炊くイメージ)で含まれているので、問題なく消化できます。

    ペット栄養学会理事の徳本一義 獣医師もグレインフリーには否定的で、ヒルズのHP上でこう述べていらっしゃいます。

    穀物に対する食物アレルギーがあるなど、穀物をさけるべき理由がある場合、グレインフリーのペットフードは食事の選択肢として有効です。しかしながら、健康な犬猫がグレインフリーの食事を摂取することについては特にメリットはありません。(ヒルズHPより引用)

    我々人間も米を生のまま食べることはできませんが、水を加え圧力をかけて加熱すること(アルファ化)で、食べることができるようになります。(中略)。ペットフードはきちんと加熱調理され炭水化物もアルファ化されていますので、食べても問題なく体内で利用されるのです。猫も犬と同様にアルファ化された穀類由来のデンプンであれば消化吸収できることが分かっています。(ヒルズHPより引用)

    つまり、グレインフリーは健康な犬猫にとって特にメリットはないということ、

    またペットフードに含まれる穀物類は、犬猫でも消化できる形で含まれており、むしろ良いエネルギー供給源になるということです。

    腎機能の低下した猫にグレインフリーフードを与えると症状が悪化するかも

    グレインフリーフードは穀物類を全く含まない代わりに、肉や魚などのタンパク質を多く含むような栄養組成になっています。

    タンパク質は分解されると毒素が出ます。

    その毒素を体の外に出してくれているのが腎臓です。

    そのため、腎臓の機能が弱っている時、タンパク質の多く含む食事をとると、さらに腎臓に負担をかけてしまう場合があります。

    逆に腎臓病用の療法食はタンパク質の量を制限したフードで、実際に慢性腎臓病の猫の寿命が大幅に伸びることが知られています。

    特に猫は高齢になると高い確率で慢性腎臓病を患います。

    高齢猫にグレインフリーを与える場合はより一層の注意が必要だと思います。

    犬ではグレインフリーフードは心臓病の発症と関連

    さらに最近、米食品医薬品局(FDA)がグレインフリーのフードを食べている犬は拡張型心筋症を発症しやすいのではないかという調査結果を報告しています。

    この調査には議論の余地が残っていますし、雑食動物の犬と完全肉食の猫ではグレインフリーの効果は異なるかもしれません。

    グレインフリーフードが健康を害する可能性がゼロではないということを頭に入れておくべきです。

    穀物アレルギーになりやすい?

    犬や猫は穀物に対するアレルギーを起こしやすいという話が出回っています。

    確かに穀物アレルギーも存在しますが…

    猫で最も多い食物アレルギーは肉に対するアレルギーなのです。

    もちろん、穀物アレルギーの場合にはグレインフリーフードは有効です。

    しかし、アレルゲンになりにくいたんぱく質や炭水化物で作られている食物アレルギー用の療法食とは違って、一般の市販のグレインフリーペットフードではそこまで厳密でない場合があります

    穀物アレルギーが疑わしい場合は、必ず動物病院で穀物アレルギーかどうかきちんと診断してもらい、食事の指導を受けるようにしましょう

    ペットフードの添加物は危険?

    • 酸化防止剤は発がん性があり危険!
    • 副産物ミールには病原体に汚染された肉が使用されていて危険!

    ネット上では酸化防止剤が含まれていない無添加のキャットフード副産物・ミールが使用されていないヒューマングレードのキャットフードが安全性が高いフードとして紹介されています。

    酸化防止剤は安全かつ必要不可欠

    ペットフードに含まれる添加物や原材料は危険だから、無添加や天然素材を謳っている商品もあります。

    実はこれらの情報のほとんどは根拠がなく、噂の域を出ない誤った情報ばかりです。

    そもそも、ペットフードに含まれる添加物や原材料は、

    ペットフード安全法により、安全なもの・安全な量のみ含まれるように規定されているのです。

    例えば、ペットフードに含まれる酸化防止剤は、一生摂取し続けても健康に影響を与えない量(ADI)が上限として定められており、

    これを下回る量のみ含まれるようになっています。

    発がん性云々の話は、ADIの数千倍もの量をマウスに投与した際の毒性実験の話で、キャットフードに含まれている量では発がん性を心配する必要はないです。

    むしろ酸化したフードの方がペットの健康を害する可能性が大いにあります

    酸化防止剤の入ったキャットフードを選びましょう。

    どんなものも摂取しすぎると毒になりますので、どれくらい入っているかの量が基準となります。

    入っていないから大丈夫、少しでも入っているから危険ではありません。

    酸化防止剤はペットフードの酸化を防ぐために使用しています。

    酸化したフードは、風味が落ちるだけでなく、動物の健康にもよくありません。

    フードが酸化すると…

    • 風味が落ち、猫の食いつきが悪くなる
    • 動物の健康に害を与える可能性がある
    • 添加されているビタミン類が壊れ、栄養バランスが崩れる恐れがある

    ペットフードは表面を油脂でコーティングされています。

    これはエネルギー源として油脂をコーティングする必要があるからなのですが…

    油脂は非常に酸化しやすいのです。

    つまり、品質を保つために、酸化防止剤は必要不可欠です。

    しかし、ここで問題となってくるのが酸化防止剤自体の毒性や量です。

    多くのサイトが酸化防止剤の危険性を煽ったり、無添加フードを勧めています。

    しかし、ペットフードにふくまれる酸化防止剤は安全です

    なぜならペットフード安全法で使用基準がきちんと決まっているからです。

    この使用基準というのが、1日最大摂取量(ADI)です。

    ADIは言い換えると「生涯に渡って、毎日この量を食べ続けたとしても健康に影響は及ぼさない量」です。

    キャットフードにはADIを下回る量の酸化防止剤しか含まれていないので、健康への影響は心配しなくても大丈夫というわけなのです。

    ADIの求め方

    ADIとは毎日この量を食べ続けたとしても健康に影響は及ぼさないとされている量のことでした。

    ではこのADIはどのようにして算出されるのでしょうか。

    まずネズミを使った実験で、毒性が認められない無毒性量を決めます。

    ネズミと犬猫では動物種が異なるので、それによるブレを考慮し、無毒性量に1/10をかけます。

    さらに同じ犬猫でも毒性の出やすい個体、出にくい個体がいると考えられるので、それによるブレを考慮し、さらに1/10をかけます。

    一生摂取し続けても安全な量(ADI) = 無毒性量 × 1/100

    かなり少ない量しか含まれないことがお分かりいただけたでしょうか?

    そのため、ペットフードに含まれる酸化防止剤は安全ということになるのです。

    つまりペットフードに含まれる酸化防止剤の量では、発がん性は認められません。

    特定の酸化防止剤の発がん性云々の話は、ADIの数千倍以上の濃度(つまり毒性量)をネズミに投与した”実験”の話なのです。

    安全量の数千倍以上の量を投与すれば何らかの毒性が出るのは当たり前です。

    要するに、ADIを下回る安全な量しか含まれていないフードの話と

    「安全性試験の際の大量に投与した実験データ」を混同してしまっているため、このような話が出回っているのでしょう。

    酸化防止剤は安全です。

    ペットフードに含まれる副産物・ミールも安全

    キャットフードの原材料を見てみると、チキンミールとか鶏副産物、ミートミールや肉副産物といった表示を見たことがあるのでは?

    副産物は私たち人間がいつも口にする肉(正肉)以外の内臓や皮膚、骨のことで、通常、人間の食用に適さないものとされています。

    副産物を粉状にしたものがミールです。

    しかし「人間の食用に適さない」の部分が独り歩きしてしまい、

    • 汚染された死骸肉が混入しているのではないか
    • 家畜以外の動物の肉が混ざっているのではないか

    といった副産物(ミール)は危険!だという噂が出回ってしまっています。

    以前は、例えばカビたり、腐った鶏肉、また鳥の頭のとさかを熱で溶かした粗悪なフードも使われていました。

    現在は、ペットフード安全法によって健康に害を及ぼす可能性のある原材料は使用できないように決まっています

    副産物・ミールは安全

    副産物・ミールに関しても、「粗悪な原材料や病原性微生物に汚染されたものが使われているのではないか?」という情報があります

    これもペットフード安全法によってペットの健康に影響を与えるような原材料は使用できないように規定されています。

    ネットの記事には無駄に不安を煽るような記載が多く見受けられます。

    ペットフードの安全は、前述の通りペットフード安全法によって守られています。

    そのため、どんな原材料でも使用できるわけではありません。

    健康に害を及ぼすものが販売されないように基準が定められているのです。

    例えば、病原微生物に汚染された原材料は使用できませんし、微生物を死滅させるために適正な加熱処理(エクストルージョン)が行われるようになっています。

    ペットフードの適正製造マニュアル(農林水産省)

    ペットフード製造マニュアル

    また、農林水産消費安全センター(FAMIC)による立入検査が定期的に行われ、検査結果がweb上で公表されています。

    副産物やミールが汚染されていたり、ペットの健康に影響を与えるようなことはないのです

    副産物・ミールが含まれている理由

    副産物・ミールを使用するのには、以下のような理由があります。

    • 人の食用にするには見た目や味に問題があるが、栄養価やコストの面で優れている部位があるから
    • 人の食材と住み分けができ、安定的な供給や食の有効利用の面で優れている
    • ミールにすることで重量あたりの栄養価に優れ、また他の原材料と混ぜやすく加工しやすい

    ヒューマングレードのフードを選ぶべき?

    近年、ヒューマングレード「人間でも食べられるグレードのフード」のペットフードがここ数年で増えてきました。

    つまり人間が口にできるレベルだから安心・安全なフードだよっていうフードです。

    しかし、これまではヒューマングレードの定義は非常に曖昧で製造メーカーに委ねられていました。

    最近になって、米国飼料検査官協会(AAFCO)によると「全ての原材料が人の食用に適したもので、かつFDAが定めたCFR21に記載された適正製造基準に従って製造、梱包、および保管されたもの」と定義されたものの…

    未だこの定義は広まっておらず、定義を満たしていないヒューマングレードフードもそのまま存在しているようです。

    すなわち、ヒューマングレードと表記されたキャットフードがより安全かというとそう言うわけでもないのです

    安全なドッグフード、キャットフードの選び方!基準!

    良いフードを与える目的は、少しでも長く健康でいられる可能性を高めることです。

    いろんな噂がネット上では飛び交っていますが、本当に安心・安全なペットフードとは何なのでしょうか?

    それは

    科学的な根拠に基づいたフードか否か

    ではないでしょうか?

    例えばヒルズロイヤルカナンは50年以上も前からペットフードの販売を行なっています。

    さらにヒルズは世界86カ国、ロイヤルカナンは90カ国での販売実績があります。

    つまり、世界中の犬猫がヒルズやロイヤルカナンのフードを長年食べてきたということですね。

    長年、さまざまな地域で食べられて、選ばれてきたことには理由もありますし、データもあります。

    それは安心・安全で、これからも一定の基準で長く販売されるペットフードだと考えられます。

    いいペットフードに出会えても、会社が販売しなくなったり、途中で安心できないことが出てきたら、また決めなければいけません。

    安全安心なペットフードを選ぶためには…

    • 長年の販売実績があるかどうか?
    • 科学的観点から作られたキャットフードかどうか?

    の2つのポイントが重要です。

    長年の販売実績

    近年の犬猫の長寿化にはペットフードの質の向上が大きいと言われています。

    つまり長年の販売実績は、ペットの長寿化に貢献してきた実績でもあるのです。

    例えばヒルズやロイヤルカナンは50年以上も前からペートフードの販売を行なっています。

    さらにヒルズは世界86カ国、ロイヤルカナンは90カ国での販売実績があります。

    つまり、世界中の犬猫がヒルズやロイヤルカナンのフードを長年食べてきたということです。

    長年に渡り世界中の犬猫にペットフードを届けてきた販売実績こそが、そのフードが安心・安全で優れていることを示しているのではないしょうか。

    科学的根拠に基づいて作られたフードを選ぶ

    フードを選ぶ上で個人的に1番重要だと思うポイントが「科学的根拠に基づいて作られたフードを選ぶ」ということです。

    つまり、ちゃんと研究をしていてその成果をフード作りに活かしているかってことです。

    例えばヒルズやロイヤルカナンは自社の研究所を持ち、獣医師や研究者などその道のエキスパートと組んで新しい製品開発に取り組んでいます。

    ロイヤルカナンの自社研究所”ペットセンター”、約200頭の犬猫が飼育されている(ロイヤルカナンHPより引用)。

    ヒルズには獣医師や栄養学者、食品科学者など220人以上が在籍し、ペットがより健康で長生きできるよう、日々、世界各地で新製品の開発や既存製品の改良に取り組んでいます。ヒルズの専門家たちは毎年50以上もの論文や教科書などを執筆し、獣医学において最先端の研究を行う大学で教鞭をとっています。そして、最新の知識や専門的技術をヒルズ製品に注いでいるのです。

    ヒルズHPより引用

    このように科学的な研究成果に基づいて作られたフードを”サイエンスフード“と言います。

    それは簡潔にいうと、他のキャットフードに比べて少しでも長く健康でいられる可能性が高いからです。

    とはいっても、特定のキャットフードを与えることで寿命が伸びるかどうかを科学的に証明するのはほぼ不可能です。

    なぜなら、若い頃からずっと1種類のキャットフードを与え続け、亡くなるまでその猫ちゃんを追い続けることは非常に難しいからです。

    しかし、療法食の場合は病気を治すという目的ゆえ、最新の研究成果が盛り込まれたまさにサイエンスフードの最たる例です。

    また、症状の改善や生存期間などのフードの効果を評価しやすいです。

    例えば ヒルズやロイヤルカナンの療法食は慢性腎臓病の猫ちゃんの寿命を大幅に延ばすことが証明されています。

    2005年の研究では、通常のフードを食べていた慢性腎臓病の猫の生存期間の中央値7ヶ月だったのに対して….

    腎臓病療法食は猫の寿命を伸ばす
    • ヒルズ: 7ヶ月→16ヶ月
    • ロイヤルカナン: 7ヶ月→17ヶ月

    通常のフードでは半年程度しか生きられないはずの猫ちゃんが、療法食によって1年近くも長く生きることができるのです。

    人間でいうと3-4年寿命が延びるってことですからね。

    直接寿命が延びることを証明しづらい総合栄養食だからこそ、科学的根拠に基づいたサイエンスフードを選ぶべきではないでしょうか?

    1-6歳で最も注意が必要なのは「肥満」と「尿路結石」です。

    特に去勢・避妊後はこれら2つのリスクが上がることが知られています。

    避妊・去勢でリスクが上がる病気
    • 肥満のリスク:3.4倍
    • シュウ酸尿石のリスク:7倍
    • ストルバイトのリスク:3.5倍

    安い、スーパーなどで売っているフードを与え続けることで、知らないうちに寿命が縮んでしまっていることも十分考えられます。

    このような考えのもと、近年は療法食だけでなく、普段健康な時に与える「総合栄養食」にもサイエンスが積極的に取り入れられるようになってきました

    最新の科学技術から生まれたアンチエイジングフード!

    最新の科学技術を駆使することで、若い猫と高齢の猫で活動状態の異なる特定の遺伝子群を発見することに成功しました。

    ヒルズ-遺伝子変化
    引用:https://www.hills.co.jp/science-diet-pro/youthful-vitality/science-behind-aging

    が活動が活発な遺伝子、が活動が弱い遺伝子です。

    11~14歳で赤・青の分布がガラッと変わっているのがわかりますよね?

    すなわち歳をとるにつれ、遺伝子の活動が大きく変化することがわかりました。

    そして大きく変化した遺伝子がどんな遺伝子か調べたところ、大きく分けて以下の4つの機能に関わる遺伝子が大きく変化することがわかりました。

    老化によって衰える4つの機能
    • 免疫機能
    • DNAの修復
    • エネルギー生産
    • たんぱく質の代謝

    すなわち、これら4つの機能をサポートするようなフードを作ることができれば、少しでも長く健康な状態を保てるのではないか?と考えたのです。

    具体的には以下の成分が含まれています。

    1.ビタミンE&C:本来の免疫力維持に
    2.高レベル抗酸化成分ブレンド:健康な脳とからだを維持するためのエイジングケアに
    3.オメガ3&6脂肪酸:健康な皮膚・毛艶の維持に
    4.タンパク質・ミネラル類:丈夫な骨と筋力の維持に
    5.高品質な原材料:消化が良く必要な栄養素をしっかり吸収

    引用:https://www.atpress.ne.jp/news/150634

    韓国の工場の品質は?

    2018年から一部の療法食(満腹感サポート、pHコントロール)が韓国製に切り替わりました。

    ロイヤルカナン工場のインタビュー記事を読んでみると…

    「商品の安全性を担保するために最も重視しているのは、ローカル・ルールではなく、他のロイヤルカナンの工場で製造される製品と同じ世界共通のグローバルな基準によって製造することです。施設には、品質・食品安全および環境マネジメントシステムにおける国際標準規格 ISOが導入されており、また、世界的に採用されている食品衛生管理手法である「HACCP(危害要因分析重要管理点)」も実施しています。

    引用:https://petomorrow.jp/news_cat/92879

    つまり、韓国のローカル・ルールではなく、世界共通のロイヤルカナンのしっかりとした基準のもとに製造しているということです。

    またHACCPとは、本来NASAが安全な宇宙食を作る目的で開発した厳格な安全管理プログラムのことで、日本でも2020年から全ての食品等事業者に対して義務化されます。

    HACCPを取り入れているということは、安全管理がしっかりなされているということです

    このようにロイヤルカナン韓国工場は、安全性が高く、特別心配する必要は全くないと思います。

    年齢別フードか全年齢対応フード

    一部のプレミアムフードの中には、全ライフステージ対応のフードがあります。

    なぜなら、必要な栄養成分やバランスはペットの年齢やライフスタイル、基礎疾患などによって大きく変わります。

    つまり、フードに含まれる栄養組成も年齢・ライフスタイル・基礎疾患の有無にあわせる必要があるのです。

    豊富なラインナップが揃っているブランドを選ぶべきだと思います。

    特にラインナップという点で優れているのはロイヤルカナンです。

    ドライフードだけでなんと28種類もあります。

    子猫・成猫・シニアなどのライフステージ別や毛玉サポートはもちろんのこと、

    以下のような他社にはあまりないフードも揃っています。

    さらに例えば肥満予防フードだけをみても細分化されています。

    • 一般的な肥満予防フード
    • 食欲旺盛な猫ちゃん用(満腹感を得られることに特化したもの)
    • 加齢による運動不足で太りやすくなってしまった猫用

    また猫種によっても必要な栄養バランスやなりやすい病気が異なるため、それにあわせたフードを選ぶ必要があります。

    ロイヤルカナンは特定の猫種に特化したフードも多く取り揃えられています。

    猫種別キャットフード一覧
    • ブリティッシュショートヘアー
    • ノルウェージャンフォレストキャット
    • メインクーン
    • アメリカンショートヘアー
    • ラグドール
    • シャム・ペルシャ・チンチラ

    ヒルズも年齢や症状ごとに細かく細分化されており、ドライフードだけで20種類のラインナップが揃っています。

    これまでのことから、ネットの広告に左右されず、科学的根拠に基づくフードの決め方、選び方の基準を説明してきました。

    ここからはフードが決まった後、与え方や食事量、食器についても詳しく解説します。

    ドッグフード・キャットフードが決まった後

    フードの量、保存、変更方法、注意点、与え方

    適切な食事量

    健康で長生きしてもらうために1番重要なのは「適切な量の食事を与えること」、そして「体重管理」です。

    肥満は全身の脂肪組織で炎症が起こっている状態で、様々な病気のリスクになります。

    肥満対策用のフードであったとしても、過剰な量を与えたらもちろん肥満になります。

    ペットフードの正しい保存方法
    小包装になっているドライフードの場合

    小包装になっているドライフードの場合、袋ごとフードボックスなどに入れて保存するのが良いです。

    ドライフードをジプロックやプラスチック製の容器に移して保存するのは、脂肪分が外に滲み出たり、容器の臭いが移ることがあるので注意が必要です。

    ドライフードを、袋から別の入れ物に入れ替えたいというご質問を多くいただきます。ヒルズのパッケージ技術者が、さまざまなプラスチック容器(ごみ箱、ジッパー付き袋、ビニール袋・台所用袋、シリコン・プラスチック容器、プラスチックバケツ型容器など)でドラフードを保存した場合の状態を調査したところ、容器のにおいや味が移り、風味が損なわれる場合があることがわかりました。ジッパー付き袋などのビニール袋も袋の外側に脂肪分が染みて付着することを防ぐことはできません。清潔な金属製容器(小さな缶など)であればかまいません。プラスチック製の保存容器をお使いになりたい場合は、元の袋のまま容器に入れることをおすすめします

    引用:https://www.hills.co.jp/pet-care/nutrition-feeding/cat-and-dog-food-storage-tips

    小包装になっていない大袋のドライフードの場合

    ロイヤルカナンのように小包装になっていない場合は、フードの酸化が心配なのでOXOのような密封容器のも良いですよ。

    ドライフードの保存で絶対にやってはいけないのは冷蔵庫での保管です。

    外気との温度差によって結露が生じ、フードが湿ってしまいます。

    ウェットフードの場合

    ウェットフードの場合は、長く保存ができません。

    なるべくその日中に食べきるか、ラップをして冷蔵庫で保存しましょう。

    遅くとも次の日までには食べきるようにした方が良いですよ。

    正しいフードの切り替え方

    このフードに変えたら、嘔吐しました、というのはよく耳にする話です。

    商品のレビューで目にして、やめようかなと判断した方も多いのでは?

    食物アレルギー等の可能性もなくはないのですが、多くの場合はフードの切り替えがうまくできていないことが原因だと思います。

    フードの種類を変える場合は1週間かけて徐々に慣らしていくようにしてください

    正しいフードの切り替え方

    日にち旧フード量新フードの量
    1-2日目75%25%
    3-4日目50%50%
    5-6日目25%75%
    7日目0%100%
    食の好みが激しく、目的のペットフードを食べてくれない

    電子レンジで温める

    1番お手軽でおすすめな方法は「電子レンジで温める

    温めることで匂いがたち、猫ちゃんの食欲を刺激することができます。

    ウェットフードの場合はそのまま、ドライフードの場合は少量のお水を加えて人肌くらいの温度まで温めてみてください

    災害時のペットフードの備え、日数

    基本的に災害時のペットフードの供給は人の食料よりも遅れることが多いです。

    できれば5-7日分のフードは用意しておくと安心でしょう。

    また最近では”ローリングストック“という方法も浸透してきています。

    ドライフードが常に1袋以上ストックとして残るようにしておけば安心ですね。

    消費期限の長い缶もいくつかストックしておくのも良いでしょう。

    早食いですぐ吐く
    早食い対策のポイント
    • 1回の食事を複数回に分けて与える
    • 食器の高さを高くする

    そこで、自動給餌機 + 脚付き食器の組み合わせを取り入れたところ早食いによる嘔吐が激減しました。

    食器(フードボウル)の選び方とポイント

    食器を選ぶ際のポイントはこの4つです。

    1. 素材が陶磁器であること
    2. 器に十分な広さがあること
    3. 食べやすい高さのものを選ぶ
    4. 構造がシンプル
    素材が陶磁器であること

    食器の素材は主に以下の3種類あります。

    • プラスチック
    • ステンレス
    • 陶磁器

    プラスチックは拡大すると小さな穴がたくさん開いており、雑菌が繁殖しやすい構造をしています。

    そのため、ニキビ(口周りにできる黒いぶつぶつ)の原因になるのでおすすめできません。

    ステンレスは素材的に熱伝導性が高く、冬は冷たくなりやすいです。

    また重さが軽いので、動きやすかったり、ひっくり返したりされてしまう可能性もあります。

    それに比べて、陶磁器製のものは雑菌が繁殖しにくい構造になっています。

    また重量があるので、いたずらされにくいのもメリットです。

    食器の素材で悩んでいる場合は、陶磁器製のものを選択すると無難です。

    十分な大きさの食器

    性格にもよりますが、ヒゲがお皿に当たることを嫌がる子も結構います。

    小さいお皿よりも、十分な広さがある器を選ぶべきでしょう。

    特に顔が平坦な犬(フレンチブルドッグ、パグ)や猫ちゃん(ブリティッシュやエキゾチック)は浅く広めの食器の方がベターです。

    食べやすい高さのものを選ぶ

    食器が低いと食べにくいです。

    上記の食器をそのまま、地面に置くと、喉よりも下に口がきてしまいます。

    口ー喉の入り口(気管と食道の入り口)ー食道ー胃袋という順番なので、口が下を向くと、くの字になってしまいます。

    この体勢は、特に犬や猫にとっては食事や水も逆流しやすく、嘔吐の原因にもなります。

    食後に食べたものを全て吐いちゃった…なんて経験、あるんじゃないでしょうか?

    低い食器でご飯を与えていると、どうしても食道が胃より下がってしまいます。

    これではご飯が逆流しやすく、食後の嘔吐につながります。

    そんな時は食器を高くしてあげましょう。

    以前使っていた食器に比べ、食道の角度(水色)が平行になっていることが一目瞭然です。

    実際に食器を高くすることで食後の嘔吐が激減します。

    構造がシンプル

    早食いでなければ、シンプルな食器を選んで、食器を清潔に保ちましょう。

    そのため、洗いやすいシンプルな構造のものを選ぶのが良いでしょう。

    お皿自体の掃除のしやすさはもちろんのこと、食器の土台になる部分が掃除しやすいことが重要です。

    土台が木製のものなども存在しますが、清潔面ではイマイチです。

    食器やその土台の部分も含めて丸洗いできるものにしてあげましょう。

    早食いの防止、食後すぐの嘔吐の予防

    早食いして食後すぐに嘔吐してしまいます。毎回、部屋が汚れるし大変です。

    フードを早食いして、食後に全て吐いてしまうことが頻繁にあります。

    以下の早食い対策を試してみたところ、食後の嘔吐が激減させることができます

    早食い対策のポイント

    • 食事を1日4回以上にする
    • 食器の高さを高くする

    近年の研究から月3回以上の嘔吐が少なくとも3ヶ月以上続く場合は、胃腸の病気の可能性があるという研究結果も出ています。

    もし嘔吐が慢性的に続くようなら、一度精密検査を受けた方が良いでしょう。

    食事の回数を1日4回以上にする

    食後の嘔吐を減らすために、まず重要かつ簡単な対処は「食事回数を増やす」ことです。

    本来の食事スタイルは捕らえた獲物を複数回に分けて食べるというものでした。

    そのため、現代のねこちゃんも食事を複数回に分け、本来の食事スタイルに近づけた方が良いのです。

    逆に一度にたくさんの量を早食いすると、胃腸に負担がかかったり、胃がフードと空気で膨れ、逆流してしまい吐き出してしまうのです。

    「食事回数を増やし、一度に食べる量を減らす」という食事スケジュールの方が、本来の食事スタイルに近く、胃腸にも負担が少ないというわけなのです。

    具体的には最低でも1日4回以上です。

    通常は1日2回の朝・晩が多いと思いますが、

    4:00、7:00、10:00、14:00、19:00、23:00の6回に分けて与えています。

    これを試すだけでも、1日2食で1度にたくさん食べていた頃に比べて嘔吐の回数が減りました。

    通常は仕事で難しいと思いますので、自動給餌器を導入を検討してみてください。

    この方法のもう1つの良いところは”満腹感”が得られるということです。

    食事の回数を増やし満腹感が得られることで、朝方のご飯の催促が少し落ち着くはずです。

    食器を脚付フードボウルに変更する

    次に試した方法は”食器を脚付フードボウルに変更“です。

    食器が低いと、食道が胃より下がってしまい、食道に溜まったフードが逆流しやすくなります。

    また、かがんで食事をする姿勢は腹部を圧迫してしまい、嘔吐しやすくなってしまうのです。

    食器台

    脚付フードボウルではなく、食器台を使用するのも良いですよ!

    ちょうどいい高さで、すべり止めマット付きなので、食器をひっくり返すこともありません。

    下で紹介している早食い防止用のフードボウルを併用すればさらに効果的でしょう!

    そのほかの食後の嘔吐対策

    その他の早食い嘔吐の対策方法をご紹介します。

    早食い防止用の食器を使用する

    早食い防止用の食器を使用するというのも一つの手です。

    おすすめの早食い防止フードボウル

    食器内の突起が邪魔をして、食事時間を延ばしてくれます。

    早食い防止用フードボウルを使用する場合は、上記の食器台を併用すれば、さらに効果的だと思います。

    メラニン食器なので、プラスチックのものより衛生的です。

    少し洗いづらいというのが唯一の欠点。

    トリートボールを使用する

    トリートボールとは、ボールの中にフードを入れて、転がすと数粒ずつフードが出てくるってやつですね。

    最初はなかなか遊んでくれませんでしたが、しばらくすると遊んでくれるようになります。

    トリートボールで全ての食事を賄うのは不可能ですので、食事と食事の隙間時間に遊びながら満腹感を得るという補助的な使い方をするのがベストだと思います。

    その他には、フードをふやかしたり、低カロリーのご飯を多めに上げたり、食物繊維を増やして腹持ちをよくする方法があります。

    療養食についての注意点

    健康診断などで肝臓の数値(ALT、AST、ALPなど)が高かったので、肝臓用のフードを与えていますという方がいらっしゃいます。

    今はインターネットで特別療法食も入手可能ですので、「肝臓が弱いから肝臓用のごはんを与えよう」と、前向きに取り組まれているのだと思います。

    特によく見られるのが「ロイヤルカナン肝臓サポート」の間違った使用です。

    この「肝臓サポート」自体は知名度が高く、とても優秀なフードです。

    しかし、このフードは「肝酵素が高いコに与えるフード」ではなく「肝機能障害でタンパク制限が必要なコに与えるフード」です。

    体内でのアンモニア生成を抑えるためにタンパクを制限してあります。

    代表的な適用疾患は門脈体循環シャント(肝臓に入る血管の奇形)です。

    しかし一般的な肝障害においては、肝細胞の回復にタンパクが必要なんです!

    つまり、軽度の肝炎や空胞性肝障害などでは逆効果になってしまいます。

    ドライフードとウェットフードどっちが良い?

    結論から言うと、どちらもメリット・デメリットがあるので、好みに合う方を選ぶのが良いと思います。

    また最近ではドライフード・ウェットフードの両方を与えるミックスフィーディングという考え方も登場していて、これは結構おすすめです!

    ドライフードのメリット

    ドッグフードやキャットフードといえばカリカリですね。

    実際にドライフードを与えている飼い主さんの方が断然多いです。

    なぜドライフードが選ばれるかというと、一言で言うと「安くて便利だから」。

    • 長期の保存ができ、扱いやすい
    • ウェットフードより低価格
    • 歯石がつきにくい(証明はされていない)

    ドライフードの定義は、”水分の含有量が10%以下の乾燥した粒状のペットフード“のこと。

    乾燥させることで、細菌やカビなどの微生物の増殖を抑えることができるため、ウェットフードと比較して長期保存ができます。

    そのため、断然扱いやすいのはドライフードですよね。

    価格もウェットフードに比べてお求めやすい価格になっています。

    またウェットフードよりフードが口腔内に残りにくいためか、歯石がつきにくいと言われています。

    ドライフードのデメリット

    一方、水分含有量の低さから食事から水分を取れないことが、ドライフードの1番のデメリットです。

    ドラフードのデメリット
    • 食事から水分を取ることができない

    特に、本来砂漠の動物だった猫は、その環境に順応した結果、喉の渇きセンサーが鈍く、あまり自発的に水を飲んでくれません

    水を飲まないとおしっこが濃くなり、結石などの泌尿器の病気になりやすいと言われています。

    実際に、犬と比べて猫は下部尿路疾患や特発性膀胱炎といった泌尿器の病気が圧倒的に多いです。

    この原因は諸説ありますが、一説に猫があまり水を飲まないからではないかと言われています。

    実際に特発性膀胱炎の猫ちゃんにウェットフードを与えると、再発率が有意に低下したという研究もあります。

    それくらい水分摂取は猫にとって大事なのです。

    健康で長生きするためには日頃から十分な水分補給をさせる必要があると言われています。

    ドライフードのみを与える場合、犬よりも猫ちゃんにより多くの水を飲んでもらうための工夫をしてあげる必要があります

    ウェットフードのメリット

    あまり水分を含まないドライフードに比べ、ウェットフードには70-80%以上水分が含有されています。

    ドライフードをふやかすことでも満足感や水分量をカバーすることは可能です。

    そのため、水分を食事から楽に取れるのがウェットフードの1番のメリットです。

    ウェットフードのメリット
    • 食事から水分をラクに摂取することができる
    • 満腹感が得られやすい(肥満予防になる)
    • 一般的にドライより嗜好性が高い

    水分量が多いので、同じ量でもウェットフードの方が満腹感が得られやすいのもメリットで、肥満気味にもおすすめです。

    またドライフードより香りが立つためか、猫の食いつきが良いのもウェットフードのメリットです。

    ウェットフードのデメリット

    ウェットフードのデメリットは値段手間保存が効かないことです。

    ウェットフードのデメリット
    • ドライフードに比べて値段が高い
    • 保存がきかない
    • 冷蔵庫で保存していた場合、冷たいものを嫌う猫がいる

    値段が高いので、多頭飼いをしている方や経済的に余裕がない方にはウェットフードを毎日与えることは負担になってしまいます。

    また保存がきかないので、残ったフードにラップをして保存して…次に与える時に少し温めなおして…とドライフードより手間がかかってしまうこともデメリットの1つ。

    さらに、ドライフードのように出しっぱなしにすることはできないので、食べきれなかった分は処分してあげる必要があります(4時間以上は放置しない方が良い)。

    また、100gあたりのカロリーもドライフードに比べると低いため、同じカロリーを得ようとするとより多く食べる必要があります。

    小型犬や、少食の猫、子猫や子犬は胃袋も小さいため、注意が必要です。

    ウェットフードは上記の理由で、そもそもメインの食事として作られていることが少なく、それだけで十分な栄養素やカロリーを施主するには大量に食べないといけないので、不向きです。

    おやつとしての位置付けや、病気の時の食事として使うことが多いです。

    そこで、ドライフードの上からウェットのフードをトッピングとしてかけても大丈夫です。

    ドライとウェットフード、どちらを選べば良いか?

    どちらもメリット・デメリットがあるため、一概にどちらが良い!と決めることはできません。

    メリット・デメリットをよく理解した上で、好みによって決めることになります。

    腎臓の健康のことを第一に考えるとウェットフードを与えた方が良いと思います!

    これは、やはり水分を食事から補給することができるのは非常に大きなメリットだからです。

    特に高齢、慢性腎臓病や特発性膀胱炎、尿結石を含む下部尿路疾患などの基礎疾患がある場合はウェットフードの方が良いかなと思います。

    更に上記に当てはまる猫は食欲が落ちていることも多いですから、嗜好性の高いウェットフードの方がよく食べてくれる場合もあります(特にレンジで温めると効果UP)。

    また、現代のペットの多くは肥満傾向であると言われています。

    満腹感が得られるウェットフードはこういった面でも効果を発揮するでしょう。

    一方、若い場合や健康な場合はドライフード(もちろんウェットでも良い)でも良いでしょう。

    ただその場合も、新鮮な水をたくさん与える工夫はすべきだと思います。

    水分量を増やす&満腹感が得られるために、ドライフードをその都度ふやかす方法はあります。

    それにより、長持ち、安いフードでも、ふやかして即席ウェットフードにすることは可能です。

    しかし、犬や猫はウェットフードは食べるのに、ふやかしたドライフードは食べてくれない子は多いです。

    そこで両方のメリットを得られる、ドライフードとウェットフードの両方を与えるミックスフィーディングという方法があります

    ミックスフィーディングを活用

    ミックスフィーディングはドライフードとウェットフードの両方を与える方法です。

    つまり、ドライとウェットのいいとこ取りですね!

    例えば…

    ミックスフィーディングの例
    • 朝ごはん→ 1日出しっぱなしにできるドライフード
    • 夕ごはん→ ウェットフードを与え、食べ残しは寝る前に処分(乾燥・腐敗を防ぐ)

    のように与える方法です。

    こうすることでドライフードの扱いやすさお皿に出しっぱなしにできるというメリットと同時に、ウェットフードから水分を十分摂取することもできます。

    またウェットフード単体よりコストもかからず、ドライフード単体より満腹感も得られやすいのです。

    そのため、肥満傾向やあまり自発的にお水を飲まない場合にはとてもおすすめの食事方法なのです。

    • 肥満傾向である
    • あまり自発的に水分を取ってくれない
    ミックスフィーディングの注意点

    ミックスフィーディングの際に注意すべきことは以下の2点です。

    ミックスフィーディングの注意点
    • 総合栄養食」のウェットフードを選ぶ
    • ドライフードと同じ製品のウェットフードを与える
    • 食器を別にする

    「総合栄養食」か「一般食」

    ペットフードは主に「総合栄養食」と「一般食」があります。

    総合栄養食とは、生きていくために必要な栄養素が全て含まれているフードです。

    すなわち、そのフードと水だけ与えていれば、栄養的には大丈夫!というフードのことです。

    一方、一般食とはいわば総合栄養食の基準を満たしていないフードです。

    ドライフードはほとんどが総合栄養食なので、あまり気にする必要はありませんが、

    ウェットフードはおやつとしてや食いつきをよくするために使うこともよくあるので、一般食のウェットフードは結構あります。

    ミックスフィーディングの場合は、こうした場合より多い量を与えるようになるので、必ず総合栄養食のフードを選ぶようにしましょう

    犬であればドライフードの上からウェットのフードをトッピングとしてかけても食べてくれますが、さらに神経質な猫は食べてくれません。

    ドライフードとウェットフードを同時に与える場合は、一緒の食器や混ぜたりするのではなく、別の食器に入れてあげましょう。

    正しい知識以外に病院の選び方も非常に重要です!

    ネットで検索すると、いろんな情報が出てきて混乱して、
    逆に不安になったことってありませんか?

    ネット記事を読むときは、内容を鵜呑みにするのではなく、
    情報のソースや科学的根拠はあるか?記事を書いている人は信用できるか?など、
    その情報が正しいかどうか、信用するに値するかどうか判断することが大切です。

    とっても大事なこと

    愛猫や愛犬のわずかな変化に気付き、守ることができるのは飼い主様だけです!

    病気になった時も、獣医師がしっかり説明をして、飼い主様が正しい知識を理解をして、ペットを含め、3者がともに協力しないといい結果は得られません。

    本ブログでは、1匹でも正しい予防や治療を受けてペットと楽しい時間をできるだけ長くできるように、報告に基づいてわかりやすく解説しています。

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    no dogs & cats no lifeをモットーに、現役獣医師が、科学的根拠に基づいた犬と猫の病気に対する正しい知識を発信していきます。国立大学獣医学科卒業→東京大学附属動物医療センター外科研修医→都内の神経、整形外科専門病院→予防医療専門の一次病院→地域の中核1.5次病院で外科主任→海外で勤務。

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