
自分のペットのことを任せる、いい獣医師の見分け方がわからない・・・

自分の今行っている病院に、いい獣医師がいない・・・。いい獣医師を見つけたい。

いい病院を選ぶのと同様に、本記事では、いい獣医師の選び方、出会い方について解説します。
- 様子、経過を見てくださいと言われたけど心配...
- 検査してくれなかった...
- 病院ではよくわからなかった...
- 病院では質問しづらかった...
- 混乱してうまく理解できなかった...
- もっと詳しく知りたい!
- 家ではどういったことに気をつけたらいいの?
- 治療しているけど治らない
- 予防できるの?
- 麻酔をかけなくて治療できるの?
- 高齢だから治療ができないと言われた
もしくは、病院に連れて行けなくてネットで調べていた という事でこの記事に辿りついたのではないでしょうか?
ネット上にも様々な情報が溢れていますが、そのほとんどが科学的根拠やエビデンス、論文の裏付けが乏しかったり、情報が古かったりします。
中には無駄に不安を煽るような内容も多く含まれます。
ネット記事の内容を鵜呑みにするのではなく、 情報のソースや科学的根拠はあるか?記事を書いている人は信用できるか?など、 その情報が正しいかどうか、信用するに値するかどうか判断することが大切です。
治療を成功させるには、獣医師ー飼い主ーペットがそれぞれ協力する必要があります。
動物病院の選び方は下記にまとめてあります。
例えば...
- 今の先生で不安?
- 引っ越して、新しいかかりつけの獣医師を選ぶ時の基準がわからない?
- 今の先生を信用しているけど、いい獣医師かわからない?
- 治療してもうまく治らないので、新しい獣医師に見せたい
これを読んでいるあなたもこんな悩みを持っているのでは?
この記事は、いい獣医師の選び方、出会い方が気になる飼い主向けです。

この記事を読めば、いい獣医師の選び方、出会い方がわかります。
限りなく網羅的にまとめましたので、いい獣医師の選び方、出会い方について詳しく知りたい飼い主は、是非ご覧ください。
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✔︎本記事の信憑性
この記事を書いている私は、大学病院、専門病院、一般病院での勤務経験があり、 論文発表や学会での表彰経験もあります。
今は海外で獣医の勉強をしながら、ボーダーコリー2頭と生活をしています。
臨床獣医師、研究者、犬の飼い主という3つの観点から科学的根拠に基づく正しい情報を発信中!
記事の信頼性担保につながりますので、じっくりご覧いただけますと幸いですm(_ _)m
» 参考:管理人の獣医師のプロフィール【出身大学〜現在、受賞歴など】や詳しい実績はこちら!
✔︎本記事の内容
いい獣医師の選び方、出会い方
この記事の目次
いつ獣医師を探すのか?

多くの飼い主はいつ病院や獣医師をかかりつけと決めていますか?
ほとんどの飼い主は、ワクチンやフィラリアなどの予防医療をする病院をかかりつけにするのではないでしょうか?
もしくは体調を崩した時に、かかりつけが休診だと新しい病院に行って、その時に感触が良かったら、
かかりつけを変えるといった感じではないでしょうか?
おそらくほとんどの飼い主は上記のタイミングで病院を受診することが多く、
実際には夜間病院を決めておいたり、予防はこの病院、病気はこの病院というのは決めていないのではないでしょうか?
しかし、それは危険です。
人よりも体の小さいペットは病気の進行が早く、昨日まで元気だったのに急に症状が出て手遅れということも珍しくはありません。
病気が進行してから、病院を探したり、この母湯院でいいか不安になったりでは、ゴテゴテになってしまいます。
病気の治療にあたっては、時間が貴重です。
また、動物の移動が危険な場合もあります。
一番おすすめな時期は、ワクチンなどの予防の時、去勢や避妊手術の時に多くの病院をまわっておいて、信頼できる獣医師を見つけておくことです。
いい獣医師の探し方、見つけ方
ほとんどの飼い主は
- 飼い主同士の口コミ
- ネットの口コミ
- 近くの動物病院
- 実際に行ってみて、なんとなくの感覚
で選んでいるのではないでしょうか?
良い獣医師を選ぶのは難しいです。
それは他の人にとっては良い獣医師であっても、別に人にとってはそうでないからです。
また獣医師同士の間では、教科書を書いている、学会でよく発表している、技術を持った先生がいい獣医師となりますが、
飼い主にとっては話を聞いてくれたり、安くしてくれたり、
必ずしも「いい獣医師」は同じ基準ではありません。
いい獣医師の基準
ではどういう基準で、いい獣医師を決めればいいのでしょうか?
決まった基準はありませんが、あくまで現役の小動物臨床獣医師の私のおすすめの基準をまとめました。
セカンドオピニオンとして他の飼い主から当院に診察も多く、大学病院も経由してきた経緯から基準を決めてみました。
基準の紹介の前に、飼い主にとっての「いい獣医」は変わってきます。
それは飼い主の価値観や、人ー人の関係性、生理的に合うかどうか、求める治療レベルによっても変わってきます。
治療にあたっては、大きく3つの点が重要になってきます。
- 費用
- 距離
- 考え方
費用
獣医療においては保険は効きません。
民間の保険はありますが、負担率は人の医療とはかけ離れて多いです。
一方、ペットに対する医療レベルは、高いものを求める飼い主も多く、技術も上がってきます。
また人と同じ医療機器を使っていることも多く、そうなると自然と医療費は高騰してきます。
人と同じ技術や機器を使っている一方、保険が効かないのですから、高くなってしまいます。
近年はペットも家族化してきたので、ペットの治療費に費用をかけることも珍しくはなくなってきました。
しかし、経済的な問題、価値観から、ペットにそんなにお金はかけることはできないという方もいますし、
所詮ペットにお金をかけないという方もいます。
(もちろん、経済的に苦しい方がペットを飼うことに疑問を持っている方も多いですが)
どちらが正しいかではなく、求めるレベルに合わせた治療を提示してくれる獣医師を選ぶべきです。
この病気は、この高額な治療法しかない、と決めつけるのではなく、
高額な治療は治るけど、安価な治療だと、治らないけど症状の緩和はできるなど選択肢を提案してくれるかどうかが重要です。
確かにいい治療にはお金がかかります。
獣医師も生きていくためにやっているので、ボランティアで無料にすることはできません。
教師だから、医者だから、獣医師だから、という理由で、こうあるべきを決めつけることは本人にしかできません。
お金のために獣医師として働いている獣医師も言いますし、生活のため、安定した生活のために働いている人もいます。
無料でもいいから動物のために、献身的になるべきだというのは、そう思う獣医師が行動するのであって、強要するものではありません。
安い場合は、薬が古かったり、器具が古いなど理由があります。
お金をかけたくないのに、治せは無理ということです。
これは予防医療(フィラリア、ノミダニ)、混合ワクチンも同様で、狂犬病ワクチンは法律で義務付けられていますが、それ以外は異なります。
それは狂犬病は人も100%死亡する病気だからです。
他の予防は人とは関係がないので決まっていません。
ですので、あくまで獣医師が長期間健康に生きるためには、おすすめですよ、というものに過ぎません。
別にしなくてもいいんです。
極端な話をすると、飼い主様のペットが病院以外のところでどうなっても、責任や関係はありません。
もちろん亡くなりました、という連絡を受けると悲しいですが、そのまま仕事を続けますし、一番悲しいのは飼い主様のはずです。
あくまでも、飼い主とペットが長く健康な生活を送れるようにお勧めします。
病気の時もおすすめの治療法をお伝えするというスタンスです。
ですので、予防をしていなくて、その病気になった時も、治療は行いますが、予防で助かる病気であっても亡くなる時もあります。
そう言った治療のメリットとデメリットを説明してくれる獣医師がいいと思います。
治療と言っても商品です。
お金をもらってその商品=サービス=医療サービスを受けるので、それぞれのリスクや商品の価値を説明する義務があります。
距離
距離は非常に重要です。
いい獣医師が見つかっても、非常に遠ければ、現実的には通院が困難です。
しかし、命には変えられないことも多いですので、病気の時は遠くの病院、
ワクチンなど簡単なことは近くの病院という感じで使い分けるのがいいでしょう。
考え方・価値観
最後にこれが最も重要です。人は感情の生き物です。
医学的に間違っていても、信用したい先生を信じます。
また、普段よくしてもらっているから、今までかかっているから、怒らせたくないから、という理由で、
転院せずにその先生が知っている知識の範囲内だけの限られた治療をして、手遅れになることもあります。
一人の獣医師が一生で出会える症例の数、経験には限りがあります。
治らない場合、病気が診断できない場合は、早く治療して治してあげたい場合は転院をお勧めします。
また、いい獣医師であっても、馬が合わないことも多いです。
治療に対する考え方、話し方、予防に対する考え方などを、診察の時によく話して判断する必要があります。
いい獣医師の選び方
少し否定的なことも上記で書きましたが、要は、
一人一人飼い主の考え方、医療に対する考え方、経済状況、ペットの家族内での立場は違うので、
オーダーメイドの治療をしてくれる、飼い主に治療方法の決定権のある、人間性の合った先生を選びましょうということです。
そういった、基準についてざっとまとめました。
- 診察のたびに、毎回体重と体温を測定
- 飼い主に、治療法の選択肢を与えてくれる。(人であれば医薬品をジェネリックにするかどうかの確認)
- ノミダニの予防や、フィラリアの予防だけでも数多くの種類があります。
- また、混合ワクチンも6種や8種があり、生活環境によって異なります。
- 体調が悪い時に「とりあえず薬で様子を見ましょう」にならない
- 病気の時に、触診だけで決めつけず、検査の有効性、有用性を説明して、薦めてくれる(検査をせずに病気を診断することは不可能であり、診断をしないと有効な治療法もわからず結果治療が長引く)
- 体調が悪くて受診した時に、薬で様子を見る、検査をする(検査も血液検査だけ、超音波検査や、レントゲンなども加えるかどうか)
- 問診、触診で、ある程度の考えられる病気を提示してくれて、その上で検査が必要と説明してくれる(診断は検査が必須ですが、検査前にある程度の病気は鑑別できていることがほとんどです。検査はあくまで、獣医師の頭の中で鑑別診断として浮かんでいる病気を確かめるためのものです。)
- 治療方法を一つに決めつけず、それぞれのメリット、デメリット、確率、費用を提示してくれる
- 提示した上で、あくまで治療を選択する際の基準として自分のペットであればこうするなどのアドバイスをくれる
- 自分の病院の限界を超えるような病気の時は、すぐに他院を紹介してくれる
- 高齢だから麻酔は無理、治療は無理と、決めつけない。(高齢であっても、麻酔をかけての検査や処置する方がメリットが大きい場合は行います。高齢=何もできないではありません。)
- 全ての治療にリスクとメリット、デメリットがあり、薬にもデメリット、手術、麻酔にもメリットはあることを説明してくれる
- 薬を処方する時は、薬の名前を記載、説明してくれる
薬の名前は飼い主様も確認しましょう。
大切な家族のペットに飲ませる薬は最低限把握しておきましょう。
名前も、効果もわからない薬は飲ませたくないですよね?
ペットを守れるのは飼い主だけです。
ペットが頼れるのは飼い主だけです。
どんな病院に連れていくか、どんな獣医師に行くか、ペットは選びませんし、医療を受けさせるかどうかも飼い主次第です。
だからこそ、獣医師を利用するつもりで、飼い主様が主体性を持って、積極的に治療に介入する必要があります。
獣医師と飼い主との良い関係性
わからないからと獣医師におまかせ、ではどんなに良い獣医師であっても治療はうまくいきません。
治療は飼い主、獣医師、ペットが協力しないとうまくいきません。
わからないからといって、考えることを放棄せずに、獣医師に聞きましょう。
完治するのにどれくらいの時間がかかるのか、死ぬかもしれない病気なのか、治療はどれくらいかなのかを積極的に治療に参加しないと受け身では治るものも治りません。
逆の立場になってみてください。
獣医師は基本的に、飼い主が受診されて検査をして、病気がわかってその結果をもとに治療法を飼い主様に説明します。
その時に、しっかり検査結果、結果から考えること、治療について説明した時に
わからないから、治してください。全部お任せします
と獣医師が言われて、よし!この子をなんとしてでも治そう、という気持ちになると思いますか?
ペットの病気を一番治してほしいのは飼い主様なはずです。
だからこそ、飼い主様も積極的に治療に参加する必要があります。
お金を払っているのだから、仕事だからして当たり前ではありますが、
どんな仕事においても、質には違いがあります。
人間は感情の生き物ですし、獣医師だって人間ですので、
ペットに左右されることはないですが、飼い主の態度によっては、治療にやる気が出ないこともあります。
別に媚びたり、お金を余分に渡したりする必要はありません。
基本的に獣医師は、治療して、治って元気に飼い主のところに戻っていくことに達成感や喜びを感じます。
その気持ちを利用してください、ということなのです。
ペットが病気になっても病院に連れてこない飼い主もいいます。
同じように、自分が病気になっても病院に行かない人も、虫歯になっても歯医者に行かない人もいます。
確実に早く治したい場合は、病院を受診が必要というだけなのです。
一番ペットに治ってほしいと思っているのは当然飼い主様のはずです。
だからこそ、良い獣医師が見つかった時も、全部お任せするのではなく、その獣医師が最大限能力が発揮できるように、信頼しながらも、飼い主様もその病気や治療についてしっかり理解してほしいのです。
完全に理解しなくても、理解しようとする姿勢が重要です。
そうでないと、今受診している病院の先生のやる気を削いでしまうことになります。
たとえば、入院した後10日以上面会にも来なかったり、時間をたっぷりかけて説明をした最後にわからないからお任せしますと言われたりすると、この飼い主は本当に治療したいのかなと感じてしまいます。
何よりペットがその不利益を被らないためにも、早く治るためにも、協力し合うことが重要です。
他の業種と同じで、飼い主様(お客様)は神様ではありません。
もちろん悪い獣医師や、高圧的な獣医師もいますので、それは論外の話です。
正しい知識以外に病院の選び方も非常に重要です!

ネットで検索すると、いろんな情報が出てきて混乱して、 逆に不安になったことってありませんか?

ネット記事を読むときは、内容を鵜呑みにするのではなく、 情報のソースや科学的根拠はあるか?記事を書いている人は信用できるか?など、 その情報が正しいかどうか、信用するに値するかどうか判断することが大切です。
とっても大事なこと
愛猫や愛犬のわずかな変化に気付き、守ることができるのは飼い主様だけです! 病気になった時も、獣医師がしっかり説明をして、飼い主様が正しい知識を理解をして、ペットを含め、3者がともに協力しないといい結果は得られません。

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