猫にアボカドをあげてもいいの?
猫がアボカドを食べてしまった。
アボカド中毒を起こした時の症状、対処法、治療法、致死量を知りたい飼い主へ。
当記事では、猫がアボカドを食べてしまった時に起こる症状、病態、対処法に至るまでをまとめました。
限りなく網羅的にまとめましたので、アボカドが猫に与える影響をご存知でない飼い主は是非ご覧ください。
✔︎本記事の信憑性
この記事を書いている私は、大学病院、専門病院、一般病院での勤務経験があり、
論文発表や学会での表彰経験もあります。
記事の信頼性担保につながりますので、じっくりご覧いただけますと幸いですm(_ _)m
» 参考:管理人の獣医師のプロフィール【出身大学〜現在、受賞歴など】
✔︎本記事の内容
猫にアボカドは危険!アボカド中毒の怖さとは?!
この記事の目次
猫がアボカドを食べてしまった時に起こる病態
猫がアボカドを食べてはいけない理由としては、消化不良やアレルギーもありますが、本当に怖いところはそこではありません。
猫がアボカドを食べた時、中毒が起こる可能性があります。
また、その葉や種、アボカドオイルも猫にとっては有害です。
アボカドにはペルシン(persin)という殺菌作用のある毒素が含まれています。
ペルシンは人間には無害ですが猫にとってはかなり有害です。
更に、ラテックス・フルーツ症候群によってアレルギー反応を引き起こす可能性があります。
ラテックスアレルギーとは天然ゴムアレルギーとも呼ばれ、ゴムに含まれるラテックスタンパク質という物質が原因で発症します。
アボカドやバナナ、キウイなどの果物のタンパク質の構造がラテックスタンパク質に似ているため、アボカドを食べた時に体がアレルギー反応を起こします。
果物によってアレルギーが発症した場合はラテックス・フルーツ症候群と呼ばれています。
猫が食べると危険なアボカドとは?
アボカドはビタミンやミネラルが豊富な食べ物です。
抗酸化作用のビタミンEや、カリウム、マグネシウムなどが含まれています。
またアボカドはコレステロールを下げる不飽和脂肪酸のオレイン酸効果が多量に含まれています。
しかし、アボカドの種類は千種類以上あると言われていて、国によって流通しているアボカドは異なります。
日本で多く販売されている品種はハス(Hass)というグアテマラ系のアボカドで、ペルシンの含有量が多いため毒性が強いです。
アメリカのドッグフードの場合はペルシンの含有率の低いアボカドを使用ししている為、ペットフードに入っていることもあります。
猫がアボカドを食べてしまった時の中毒の症状と中毒量
アボカドが持つペルシンという成分は猫にとっては毒性が強いため、含有量が多ければ多いほど中毒症状を引き起こしてしまう可能性が高くなります。
初期段階では、嘔吐・下痢・軟便が認められます。
重症化が進むと呼吸困難やけいれん発作が起こり、命に関わることもああります。
アボカドは観葉植物でもあるので、自宅で育てている場合は、葉っぱなどにも注意しなければいけません。
アボカドは千種類以上あると言われていて、毒性のあるペルシンがどのくらい含まれているのかは種類によって異なります。
そのため中毒を発症する量は分かっておりません。
猫がアボカドを食べた時の対処
対処法は3つに大別されます。
動物病院では、まず胃の内容物を吐かせて外に出し、その後、胃の洗浄をして、活性炭や下剤を投与するといった治療がおこなわれます。
何よりもまず、アボカド中毒の症状や原因となるものを、体外に排出することが最優先されます。
- そのまま様子を見る(勝手に吐く、あるいは、便で出るのを待つ or 毒物なら点滴して希釈する)
- 吐かせる
- 点滴などの対症療法
通常1時間以内であれば胃の中にまだありますので、吐かせることができますが、2時間となるとはかせることは難しいため、症状が出た場合は点滴となります。
しかし、お近くに病院がない場合、また3時間以上経過すると胃袋になく、吐かせることができませんので、中毒が出ないように祈る以外、ご自宅でできる事はありません。
これは3時間経過していれば、病院でも同じです。
点滴治療で、症状を緩和することが目的となります。
猫がアボカド中毒を起こした時の治療
前提として、殆どが重篤な症状には進行しません。
しかし、解毒剤はなく、死の報告はされていますので、注意は必要です。
発熱は中毒を悪化させますので、正常体温の維持が重要です。
嘔吐は胃腸吸収を阻害できる、誤飲後、1~2時間以内に行います。
また、以下が投与可能です。
- 吐き気止め:セレニア
- 活性炭:腸肝循環を阻害し、神経症状を緩和
- 下痢止め:フェロベリン、ディアバスター
猫がアボカドを食べてしまった時の応急処置と対処法
原則は病院の受診です。
病院で安全な催吐処置をしていただくことが最善です。
しかし、周りに病院がない場合、離島などで病院受診が困難な場合は自宅で吐かせるしかありません。
自宅でできる催吐処置は元々非常に危険で、それが原因で命を落とすこともあり、うかつに行うと危険です。
- 炭酸ナトリウム 猫:0.5g/頭 口腔内投与
- 3%過酸化水素(オキシドール) 1-2ml/kg
上記はあくまでも参考です。
決して気軽に自己判断で行わないでください。
猫がアボカド中毒を起こした時の予後
誤って少しだけ口にしてしまった程度なら、体調の変化がないか、下痢や軟便にならないか経過を見てください。
アレルギーの持っていない猫が少し食べても、問題はありません。
しかし猫がアレルギーが無いか分からない場合や、摂取量が多い場合は病院で点滴をして頂いた方がいいです。
猫のアボカド中毒の予防
猫を飼っている場合には、とにかく、これらアボカドを与えない、置かない事が重要です。
また、自宅でアボカドを使用する際には、飼い主が危機意識を持ち、猫が誤食する可能性を十分に考え、絶対に猫が立ち入らない場所に設置します。
もし家でアボカドを育てている場合、愛猫が遊んでしまいそうな所は避けて置き、ネットなどをかぶせると安心です。
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