【飼い主向け】猫にエビは危険!エビ中毒の怖さとは?!獣医師が解説!

猫にエビをあげてもいいの?

猫がエビを食べてしまった。

エビ中毒を起こした時の症状、対処法、治療法、致死量を知りたい飼い主へ。

当記事では、猫がエビを食べてしまった時に起こる症状、病態、対処法に至るまでをまとめました。

限りなく網羅的にまとめましたので、エビが猫に与える影響をご存知でない飼い主は是非ご覧ください。

✔︎本記事の信憑性
この記事を書いている私は、大学病院、専門病院、一般病院での勤務経験があり、
論文発表や学会での表彰経験もあります。

記事の信頼性担保につながりますので、じっくりご覧いただけますと幸いですm(_ _)m

» 参考:管理人の獣医師のプロフィール【出身大学〜現在、受賞歴など】

✔︎本記事の内容

猫にエビは危険!エビ中毒の怖さとは?!

猫がエビを食べてしまった時に起こる病態

猫がエビを食べてしまった時に起こる病態

猫がエビを食べてはいけない理由としては、消化不良やアレルギーもありますが、本当に怖いところはそこではありません。

猫がエビを食べた時、猫が必要とする重要な栄養素が壊されてしまいます。

定期的に与えているとその栄養素は欠乏してしまい、猫にとって命に関わるような状態になるのです。

エビには、チアミナーゼと呼ばれる成分が含まれています。

このチアミナーゼをたくさん摂取すると、体内のビタミンB1が壊されてしまい、欠乏します。

これが、猫にエビを与えてはいけない理由です。

猫はビタミンB1を大量に必要とする動物で、不足するとカラダの栄養バランスが崩れ、神経症状などを起こし、最悪の場合死に至ることもあります。

チアミンと呼ばれるビタミンB1は、糖を代謝しエネルギーに変えるためのサポートをする役割や、神経系、筋肉、心臓の機能を正常に保つ役割を持っています。

現在、猫の食料のほとんどはキャットフードです。

キャットフードの中には、炭水化物を多分に含んだものがあります。

炭水化物、つまり糖質をエネルギーに変えるのがビタミンB1なので、炭水化物の摂取が多いと、その分余計にビタミンB1が必要になります。

また、ビタミンB1は水溶性ビタミンで、体の中に長く蓄積されることがなく、水に溶けて排出されやすいです。

そのために不足しやすく、食事から積極的に摂取しないといけない栄養素です。

またエビ以外にも、タコやイカ、生の魚などの魚介類にも、チアミナーゼは含まれています。

また、チアミナーゼは、熱に弱く、加熱で壊れますので、過熱した魚介類を食べてもビタミンB1が欠乏することはありません。

しかし、加熱しても、エビ、タコ、イカは、消化が悪いため、下痢や嘔吐を引き起こしやすいです。

猫がエビを食べてしまった時の中毒の症状

猫がエビを食べてしまった時の中毒の症状

初期段階では、食欲が落ちる、嘔吐するなどの症状がみられます。

症状が進むと痙攣などの神経症状が現れます。

重篤な場合は意識不明となったり、心不全を起こしたりする可能性が高まり、死に至ってしまうこともあります。

猫がエビを食べた時の対処

猫がエビを食べた時の対処

対処法は3つに大別されます。

動物病院では、まず胃の内容物を吐かせて外に出し、その後、胃の洗浄をして、活性炭や下剤を投与するといった治療がおこなわれます。

中毒の症状や原因となるものを、体外に排出することが最優先されます。

  1. そのまま様子を見る(勝手に吐く、あるいは、便で出るのを待つ or 毒物なら点滴して希釈する)
  2. 吐かせる
  3. 点滴などの対症療法

摂取後2時-4時間以内であれば、催吐薬の投与を行い吸着剤の投与を併用します。

催吐の効果が認められられない場合には、胃洗浄を行うこともあります。

通常1時間以内であれば胃の中にまだありますので、吐かせることができますが、3時間となるとはかせることは難しいため、症状が出た場合は点滴となります。

しかし、お近くに病院がない場合、また3時間以上経過すると胃袋になく、吐かせることができませんので、中毒が出ないように祈る以外、ご自宅でできる事はありません。

これは3時間経過していれば、病院でも同じです。

しかし摂取後時間が経過している場合は催吐薬の投与、洗浄は行わずに吸着剤の投与を行います。

時間が経過している場合は催吐、並びに胃洗浄は体への負担が生じるだけで効果が認められません。

多くの中毒と同様に嘔吐による脱水、電解質の補正のための輸液などの対処量を行います。

点滴治療で、症状を緩和することが目的となります。

猫がエビ中毒を起こした時の治療

猫がエビ中毒を起こした時の治療

前提として、殆どが重篤な症状には進行しません。

しかし、解毒剤はなく、死の報告はされていますので、注意は必要です。

発熱は中毒を悪化させますので、正常体温の維持が重要です。

嘔吐は胃腸吸収を阻害できる、誤飲後、1~2時間以内に行います。

また、以下が投与可能です。

  • 吐き気止め:セレニア
  • 活性炭:腸肝循環を阻害し、神経症状を緩和
  • 下剤
  • 抗痙攣薬:ジアゼパム、フェノバルビタール

猫がエビを食べてしまった時の応急処置と対処法

猫がエビを食べてしまった時の応急処置と対処法

原則は病院の受診です。

病院で安全な催吐処置をしていただくことが最善です。

しかし、周りに病院がない場合、離島などで病院受診が困難な場合は自宅で吐かせるしかありません。

自宅でできる催吐処置は元々非常に危険で、それが原因で命を落とすこともあり、うかつに行うと危険です。

  1. 炭酸ナトリウム 猫:0.5g/頭  口腔内投与
  2. 3%過酸化水素(オキシドール) 1-2ml/kg

上記はあくまでも参考です。

決して気軽に自己判断で行わないでください。

猫がエビ中毒を起こした時の予後

猫がエビ中毒を起こした時の予後
誤って少しだけ口にしてしまった程度なら、すぐ死に至ることはないですが、猫にとっては有害です。

多くのペットは24~48時間以内に回復します。

24時間以内に改善が見られない場合は、再評価が必要です。

猫のエビ中毒の予防

猫のエビ中毒の予防

猫を飼っている場合には、とにかく、これらエビを与えない、置かない事が重要です。

また、自宅でエビを使用する際には、飼い主が危機意識を持ち、猫が誤食する可能性を十分に考え、絶対に猫が立ち入らない場所に設置します。

猫が中毒を起こした時の為に、準備しておく必要な物

以下の常備薬を持っておくと、安心です。

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no life no dogs & catsをモットーに、いつも犬と猫に癒されています。国立大学獣医学科卒業→東京大学附属動物医療センター外科研修医→都内の神経、整形外科専門病院→予防医療専門の一次病院→地域の中核1.5次病院で外科主任→海外で勤務。
現役獣医師が海外で勉強しながら得た、犬と猫の病気に対する知識とスキルを発信していきます。

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