ロイヤルカナンのフードは種類が多くてわからない・・・
結石もあるし、ストレスも緩和させたい・・・
本記事では、下部尿路疾患と特発性膀胱炎の治療が必要な猫のマルチファンションシリーズ !ユリナリー S/O+CLTについてお話しします。
- 様子、経過を見てくださいと言われたけど心配...
- 検査してくれなかった...
- 病院ではよくわからなかった...
- 病院では質問しづらかった...
- 混乱してうまく理解できなかった...
- もっと詳しく知りたい!
- 家ではどういったことに気をつけたらいいの?
- 治療しているけど治らない
- 予防できるの?
- 麻酔をかけなくて治療できるの?
- 高齢だから治療ができないと言われた
もしくは、病院に連れて行けなくてネットで調べていた という事でこの記事に辿りついたのではないでしょうか?
ネット上にも様々な情報が溢れていますが、そのほとんどが科学的根拠やエビデンス、論文の裏付けが乏しかったり、情報が古かったりします。
中には無駄に不安を煽るような内容も多く含まれます。
ネット記事の内容を鵜呑みにするのではなく、 情報のソースや科学的根拠はあるか?記事を書いている人は信用できるか?など、 その情報が正しいかどうか、信用するに値するかどうか判断することが大切です。
例えば...
- 人に移るの?
- 治る病気なの?
- 危ない状態なのか?
- 治療してしっかり治る?
これを読んでいるあなたもこんな悩みを持っているのでは?
結論から言うと、下部尿路疾患(特発性膀胱炎、ストルバイト結石症およびシュウ酸カルシウム結石症)の猫に給与することを目的として、特別に調製された食事療法食です。
この食事は、弱酸性の尿となるようにミネラルなどの栄養バランスを調整し、マグネシウム含有量を制限しています。
また、ストレス刺激の多い生活に配慮して、加水分解ミルクタンパク(加水分解アルファS1トリプシンカゼイン)とL-トリプトファンを配合しています。
この記事は、結石治療と減量が必要な猫のユリナリー S/O+CLTが気になる飼い主向けです。
この記事を読めば、結石治療とストレス緩和が必要な猫のユリナリー S/O+CLTの特徴がわかります。
限りなく網羅的にまとめましたので、結石治療と減量が必要な猫のユリナリー S/O+CLTについて詳しく知りたい飼い主は、是非ご覧ください。
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✔︎本記事の信憑性
この記事を書いている私は、大学病院、専門病院、一般病院での勤務経験があり、 論文発表や学会での表彰経験もあります。
今は海外で獣医の勉強をしながら、ボーダーコリー2頭と生活をしています。
臨床獣医師、研究者、犬の飼い主という3つの観点から科学的根拠に基づく正しい情報を発信中!
記事の信頼性担保につながりますので、じっくりご覧いただけますと幸いですm(_ _)m
» 参考:管理人の獣医師のプロフィール【出身大学〜現在、受賞歴など】や詳しい実績はこちら!
✔︎本記事の内容
獣医師が解説するマルチファンションシリーズ !ユリナリーS/O+CLT
この記事の目次
マルチファンクションシリーズの特徴
新しい流通制度で、獣医師の診察/ 診断/ 指導のもとで推奨される製品シリーズ
となり、ネットでは購入ができません。
なぜこのシリーズが必要なのか
病気を抱えている犬猫の35%が
2つ以上の病気を併発しています。
食事療法食疾患別ランキング卜ップ3
犬
皮膚 下部尿路 肥満
猫
下部尿路 腎臓 肥満
ユリナリーS/O+CLT ドライ
Multifunction(マルチファンクション)シリーズの猫用ユリナリーS/O+CLTは、下部尿路疾患(特発性膀胱炎、ストルバイト結石症およびシュウ酸カルシウム結石症)の猫に給与することを目的として、特別に調製された食事療法食です。この食事は、弱酸性の尿となるようにミネラルなどの栄養バランスを調整し、マグネシウム含有量を制限しています。また、ストレス刺激の多い生活に配慮して、加水分解ミルクタンパク(加水分解アルファS1トリプシンカゼイン)とL-トリプトファンを配合しています。
【ストルバイト】ストルバイトが形成されにくい弱酸性の尿となるように、ミネラルなどの栄養バランスを調整。
【尿量】健康的な尿量維持のために、ミネラルなどの栄養バランスを調整。
【CLT】特発性膀胱炎の食事療法食として加水分解ミルクタンパク(加水分解アルファS1トリプシンカゼイン)を配合し、L-トリプトファンの含有量を調整しています。
【カロリー密度調整】体重過多は猫下部尿路疾患の原因となる可能性があるため、理想的な体重を維持するためにカロリー密度を低く調整(3562kcal/kg)*。 *[ユリナリーS/O]と比較し、約10%減。
pHコントロール=ユリナリー S/O
- ストラバイ卜結石症
- シュウ酸カルシウム結石症
- 細菌性膀胱炎
S/Oとは?
相対的過飽和度(RSS)が低い
:ストラバイトを溶かす力が強い
つまり、同じ価格帯で低分子プロテイン+pHコントロールより同等以上の効果がある
結石を溶かす能力
pHケア<pHコントロール、pHコントロール<V2=ユリナリー S/O
猫の特発性膀胱炎
原因が特定できない膀胱の炎症
発症:ストレス+濃い尿
臨床症状
- 決められた場所以外での排尿、頻尿、血尿
- 臨床症状は数日で消退
- 不定期な間隔で再発傾向(数週間から数ヶ月程度)
濃い尿:ユリナリー S/O
ストレス:CLT
ユリナリー +CLTは原因の両方に効果があります
CLT:ストレスケア
- 特発性膀胱炎
- ストレス刺激
C:hydrolyzed casein:加水分解ミルクタンパク
LT:L-Tryptphan:L-トリプトファン
C:hydrolyzed casein(加水分解ミルクタンパク:アルファS1トリプシンカゼイン)とLT:L-Tryptphan:L-トリプトファンを凝縮することで特発性膀胱炎の食事療法食として、またストレス刺激の多い生活に配慮しています。
加水分解ミルクタンパク:アルファS1トリプシンカゼインは、活性ペプチドを含み、
ストレス刺激の多い生活に配慮 28mg/100kcal配慮
L-Tryptphan:L-トリプトファンはセロトニンの前駆物質 110mg/100kcal配合
トリプトファン
トリプトファンは脳内ホルモンのセロトニンの前駆物質
トリプトファン→5-ヒドロキシトリプトファン→セロトニン(5-ヒドロキシトリブタミン)
セロトニンは脳内でドーパミン、ノルアドレナリンなどとともに情緒、気分のコントロールに関与します。
アルファS1トリプシンカゼイン
アルファS1トリプシンカゼインが特異的受容体に結合
GABAの作用を強化
Clの神経細胞内への流入増
軸索膜の過分極=神経パルスの減少
→精神安定
実際の食事、フードの選び方
下部尿路疾患を発症
ユリナリーS/O・pHコントロールシリーズの特徴
- ーストルバイトを予防可能
- ーストルバイトを溶解可能
- ーシュウ酸カルシウムを予防可能
- ー長期間の給与が可能
尿を結石(結晶)が溶けやすい(出来にくい)状態にすることができ、水を沢山飲み尿をすることによって、膀胱の中を洗い流します。
加水分解ミルクプロテインというストレスを和らげる成分をこちらも配合しております。
ですから、ストレスが原因の特発性膀胱炎や、「あちこちでおしっこをしてしまう」、「同居犬や飼い主さんに攻撃的である」、「ストレスでお腹をなめて毛が抜けている」などの問題行動に対しても効果が期待できます。
- 下部尿路疾患で他の療法食による効果が低いときの選択服
- 特発性膀胱炎
猫下部尿路疾患用療法食のファーストチョイスとして
ロイヤルカナンの『pHコントロール』という尿路結石用の療法食シリーズがあります。
非常にたくさんの患者さんに処方して食べていただいている製品ですが、新しい名前は、『ユリナリーS/O』というシリーズに変わっています
Sはストラバイト;Struviteの、Oはシュウ酸カルシウム;Calcium Oxalateという2大結石の名前の頭文字を取ってるようです。
これまでも実は、世界ではこの『ユリナリーS/O』という名前が使われていたのですが、日本だけ『pHコントロール』という名前で売られていたのです。
では、変わったのは名前だけなのかというと、微妙にレシピや成分の変更も行われています。
下部尿路って…?
上部尿路は腎臓と尿管、下部尿路は膀胱と尿道の事を言います。
犬の下部尿路疾患の統計調査によると40%が膀胱炎、24%が尿失禁、18%が尿石症、8%がその他となっています。
膀胱炎はメスに多く、尿失禁は避妊手術後のメスに見られる事があります。
また、膀胱炎や尿石症は感染性であることが多いと言われています。
猫の下部尿路疾患の統計調査によると57%が特発性膀胱炎、22%が尿石症、10%が尿道栓子、8%が尿路感染症、3%が不明となっています。
特発性膀胱炎の原因は明確には判明してはいませんが、ストレスや水を飲む量が少ないことが一つではないかと言われています。
治療は…?
・膀胱を保護する(EPA,DHAが良いとされる。魚に多く含まれ、炎症を軽減し膀胱壁を刺激から守る。)
・ストレスを最小限にする(トイレを綺麗に保ち、多頭飼いであれば頭数分のトイレを出来るだけ設置する。
また、キャットタワーなど上下に運動できるような場所があるだけでもストレスを和らげることができる。)
・尿量を増やす(療法食を使用し、尿を薄めて刺激を減らす。食事中のタンパク量・ナトリウム量を調節し飲水量を増加させる。消化率の向上を図り水分吸収率を向上させる。)
尿石症
犬猫共に結石はストルバイトとシュウ酸カルシウムが主に検出されます。
ストルバイト(リン酸アンモニウムマグネシウム)
ストルバイト結晶は尿がアルカリ性に傾くと発生しやすく、酸性尿中でよく溶けます。
→・尿酸性化剤を与える(骨が脆くなることがあり、長期使用には適さない。)
・食物中の成分を調節する(適切なフードで管理するとアシドーシスになりにくい。)
犬のストルバイト結石症の原因70%が尿路感染症を伴っていると言われています。
(そのため、抗菌剤の使用やタンパク質を制限した食事が好ましい。)
じゃこ、煮干し、のり、ミネラルウォーター(硬水)を多く摂取していると尿pHが高くなります。
またマグネシウムを多く含む食事を取ることで、ストルバイトが形成されやすくなります。
気温の低下や肥満によりあまり運動をしないと水分を摂取する量が減り、尿量が減少します。
このため、尿の濃度が高くなったり、膀胱に尿が溜まるのに時間がかかり尿結石のリスクが増大します。
(食事中に含まれるタンパク質や塩類が多いと水分摂取量が増えます。)
消化率の低い食事を食べている場合、糞便の量が増加し、それに伴い糞便中の水分が増え尿量が減少します。
ストルバイト結石の管理のポイント
- 尿を弱酸性にする…
- 猫:pH6.0~6.5
- 犬:pH5.5~6.0
- マグネシウム摂取量を控える
- 尿量を増やす(飲水量を増やす・消化率の高い食事にする)
- 抗菌剤を投与する(結石消失+3週間)(犬)
- タンパク質を制限する(犬)
シュウ酸カルシウム(カルシウムオキサレート)
シュウ酸カルシウムは溶かすことができないため、外科的に除去するしかありません。
マグネシウムを制限しすぎたり、尿pHを下げすぎるとカルシウムの尿中排泄量が増えシュウ酸カルシウムのリスクが高くなります。
マグネシウムを制限しすぎず、尿pHを下げすぎず、尿量を増やすことがシュウ酸カルシウム形成のリスクを下げることに繋がります
健康診断
簡単な検査をこまめに行うことで病気の早期発見につながるケースも…
◎聴診→心雑音の有無→心臓病
◎尿検査→尿比重(低比重尿)・尿タンパク→LUTD、初期の腎臓病
ビリルビン→肝疾患
潜血・尿pH(亜硝酸塩:細菌感染)→LUTD、腎疾患
尿糖→糖尿病、腎疾患