獣医師が解説!犬と猫の結石(下部尿路疾患)用オススメのフード

結石予防に一番いいフードはどれだろう...?

ネット上にも様々な情報が溢れていますが、そのほとんどが科学的根拠やエビデンス、論文の裏付けが乏しかったり、情報が古かったりします。

中には無駄に不安を煽るような内容も多く含まれます。

ネット記事の内容を鵜呑みにするのではなく、

情報のソースや科学的根拠はあるか?記事を書いている人は信用できるか?など、

その情報が正しいかどうか、信用するに値するかどうか判断することが大切です。

例えば...

  • どのメーカーのものがいいの?
  • 栄養バランスは大丈夫?
  • 無添加?国産がいいの?
  • とりあえずどのフードをあげればいいの?

これを読んでいるあなたもこんな悩みを持っているのでは?

結論から言うと、動物病院に置いてあるフードが一番良いです。つまりロイヤルカナンやヒルズです。

この記事では、犬と猫の結石用のペットフードの選び方についてその理由をアカデミックな面からまとめました。

限りなく網羅的にまとめましたので、犬と猫の結石用のフードに迷われている飼い主、結石と診断され食事療法を始める飼い主は是非ご覧ください。

✔︎本記事の信憑性
この記事を書いている私は、大学病院、専門病院、一般病院での勤務経験があり、
論文発表や学会での表彰経験もあります。

今は海外で獣医の勉強をしながら、ボーダーコリー2頭と生活をしています。

臨床獣医師、研究者、犬の飼い主という3つの観点から科学的根拠に基づく正しい情報を発信中!

記事の信頼性担保につながりますので、じっくりご覧いただけますと幸いですm(_ _)m

» 参考:管理人の獣医師のプロフィール【出身大学〜現在、受賞歴など】

✔︎本記事の内容

FLUTD(下部尿路疾患)に対する食事管理

下部尿路って…?

上部尿路は腎臓と尿管、下部尿路は膀胱と尿道の事を言います。

犬の下部尿路疾患の統計調査によると40%が膀胱炎、24%が尿失禁、18%が尿石症、8%がその他となっています。

膀胱炎はメスに多く、尿失禁は避妊手術後のメスに見られる事があります。

また、膀胱炎や尿石症は感染性であることが多いと言われています。

猫の下部尿路疾患の統計調査によると57%が特発性膀胱炎、22%が尿石症、10%が尿道栓子、8%が尿路感染症、3%が不明となっています。

特発性膀胱炎の原因は明確には判明してはいませんが、ストレスや水を飲む量が少ないことが一つではないかと言われています。

症状は…?

頻尿、血尿、排尿痛などが挙げられます。

この特発性膀胱炎は濃い尿が膀胱を刺激し、再発率が高く繰り返すと慢性膀胱炎や尿石症の原因にもなり得ます。

治療は…?

・膀胱を保護する(EPA,DHAが良いとされる。魚に多く含まれ、炎症を軽減し膀胱壁を刺激から守る。)

・ストレスを最小限にする(トイレを綺麗に保ち、多頭飼いであれば頭数分のトイレを出来るだけ設置する。

また、キャットタワーなど上下に運動できるような場所があるだけでもストレスを和らげることができる。)

・尿量を増やす(療法食を使用し、尿を薄めて刺激を減らす。食事中のタンパク量・ナトリウム量を調節し飲水量を増加させる。消化率の向上を図り水分吸収率を向上させる。)

尿石症

犬猫共に結石はストルバイトとシュウ酸カルシウムが主に検出されます。

ストルバイト(リン酸アンモニウムマグネシウム)

ストルバイト結晶は尿がアルカリ性に傾くと発生しやすく、酸性尿中でよく溶けます。

→・尿酸性化剤を与える(骨が脆くなることがあり、長期使用には適さない。)

・食物中の成分を調節する(適切なフードで管理するとアシドーシスになりにくい。)

犬のストルバイト結石症の原因70%が尿路感染症を伴っていると言われています。

(そのため、抗菌剤の使用やタンパク質を制限した食事が好ましい。)

じゃこ、煮干し、のり、ミネラルウォーター(硬水)を多く摂取していると尿pHが高くなります。

またマグネシウムを多く含む食事を取ることで、ストルバイトが形成されやすくなります。

気温の低下や肥満によりあまり運動をしないと水分を摂取する量が減り、尿量が減少します。

このため、尿の濃度が高くなったり、膀胱に尿が溜まるのに時間がかかり尿結石のリスクが増大します。

(食事中に含まれるタンパク質や塩類が多いと水分摂取量が増えます。)

消化率の低い食事を食べている場合、糞便の量が増加し、それに伴い糞便中の水分が増え尿量が減少します。

ストルバイト結石の管理のポイント

  • 尿を弱酸性にする…
  • 猫:pH6.0~6.5
  • 犬:pH5.5~6.0
  • マグネシウム摂取量を控える
  • 尿量を増やす(飲水量を増やす・消化率の高い食事にする)
  • 抗菌剤を投与する(結石消失+3週間)(犬)
  • タンパク質を制限する(犬)

シュウ酸カルシウム(カルシウムオキサレート)

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シュウ酸カルシウムは溶かすことができないため、外科的に除去するしかありません。

マグネシウムを制限しすぎたり、尿pHを下げすぎるとカルシウムの尿中排泄量が増えシュウ酸カルシウムのリスクが高くなります。

マグネシウムを制限しすぎず、尿pHを下げすぎず、尿量を増やすことがシュウ酸カルシウム形成のリスクを下げることに繋がります

尿石症についてのまとめ

尿結石は予防が大切です!環境とフードを見直してみましょう!

特別に尿結石を考慮した食事だけを与える

  • !おやつには十分注意
  • !市販のフードでは限界がある
  • !太らせないように注意する
  • !食事を与えすぎない
  • !太りにくい食事を与える
  • !ストレスを解消

尿を我慢させない

  • !トイレを清潔にする
  • !外でしかしない子はお散歩を出来るだけこまめに

尿石症の食事(ロイヤルカナン製品での管理)

尿トラブルの際に処方されるロイヤルカナンのフードでよく耳にするのが「ユリナリーS/O(以前はpHコントロール)」かと思います。

ユリナリーS/Oも様々な種類がありますので、簡単にですが下記にまとめます。

以下のようなケースにはぜひご検討ください!

  1. これまで尿路結石と言われてずっと療法食を与えてきたが、フードをどうしようか迷っている。
  2. 多頭で飼育していて、そのうち1頭が尿路結石や膀胱炎の診断を受けて療法食を勧められた。若い子と高齢の子が同居している状況で、全員一緒に与えることができるフードに変更したい。
  3. シニア猫ちゃんで、あちこちでおしっこうんちをしてしまう、大きな声でワーワー鳴く、急に飼い主さんや同居猫に対して攻撃的になった、新しい猫が来てから体のあちこちをなめて毛がどんどん薄くなってきた…etc ストレスが原因と思われる問題行動がある猫ちゃんに。
ユリナリーS/Oシリーズの特徴
  • ーストルバイトを予防可能
  • ーストルバイトを溶解可能
  • ーシュウ酸カルシウムを予防可能
  • ー長期間の給与が可能
  • ー特発性膀胱炎に適応(猫のみ)

尿を結石(結晶)が溶けやすい(出来にくい)状態にすることができ、水を沢山飲み尿をすることによって、膀胱の中を洗い流します。

加水分解ミルクプロテインという猫ちゃんのストレスを和らげる成分をこちらも配合しております。

ですから、ストレスが原因の特発性膀胱炎や、「あちこちでおしっこをしてしまう」、「同居猫や飼い主さんに攻撃的である」、「ストレスでお腹をなめて毛が抜けている」などの問題行動に対しても効果が期待できます。

猫用 ユリナリーS/O

ユリナリーS/O パウチ

ドライ製品よりも高性能(特にシュウ酸カルシウム)、特発性膀胱炎には最適。

→猫はもともと、あまり水を飲まないため尿が濃くなり結石ができやすくなります。

また、ウェットの方が水分を多く含んでいるため結石ができにくいとされます。

ユリナリーS/O

ドライ製品中で、尿比重が最も低くなり、ストルバイトの溶解能力・シュウ酸カルシウムの予防能力も最も高い。

特発性膀胱炎にも適している。

→ドライフードの中で最も性能が高く、長期間の使用も問題ありません。

ユリナリーS/O+CLT

3才までのオス、7才までのメスにおすすめ

→この年齢の猫には、ストルバイトができやすい傾向にあります。

このフードはシュウ酸カルシウムにも対応していますが、ストルバイトがよりできにくくなるように作られています。

ユリナリーS/Oエイジング7+ +CLT

3才過ぎのオス、7才過ぎのメスにおすすめ

→この年齢の猫にはシュウ酸カルシウムができやすい傾向にあります。

ユリナリーS/O同様2種類の結石に対応していますが、シュウ酸カルシウムがよりできにくくなるように作られています。

ユリナリーS/Oライト

体重が気になる子におすすめ(肥満傾向にあると結石ができるリスクが高くなります)

→カロリー10%オフ、高タンパク質・低脂肪・高食物繊維で性能はユリナリー S/Oと比べても遜色はなくおなかが空きにくいように作られています。

ユリナリーS/Oオルファクトリー

下部尿路疾患(結石)に配慮され、嗜好性も高い。

pHコントロール0に次いで溶解能力・予防能力が高い。

ユリナリーS/Oオルファクトリーライト

下部尿路疾患(結石)に配慮され、嗜好性も高い

また、肥満リスクの高い猫の体重管理にも配慮し、低カロリーに作られています。

犬用 ユリナリーS/O

ストルバイトが形成されにくい弱酸性の尿となるように、ミネラルなどの栄養バランスを調整。健康的な尿量維持のために、ミネラルなどの栄養バランスを調整。

尿中のストルバイトやシュウ酸カルシウムの飽和度が高くない健康的な尿量を維持するように、ミネラルなどの栄養バランスを調整。

ユリナリーS/O(缶・ウェットパウチ)

ドライタイプよりシュウ酸カルシウムに効果的であり、低カロリー・高い嗜好性です。

→ウェットタイプの方がしっかりと水分を取らせることができるため、結石ができにくくなります。

ユリナリーS/O(ドライ)

細菌感染を考慮しタンパク質を制限。

ストルバイト結石(リン酸アンモニウムマグネシウム)の構成成分であるマグネシウム含有量を制限します。

→ストルバイトは細菌感染が原因でできることが多い結石のため。

ユリナリーS/O+低分子プロテイン

アレルギーと下部尿路疾患の子におすすめ

高消化性で食物アレルギーの原因となりにくい低分子ペプチド源として、加水分解大豆タンパクを使用。

→加水分解大豆タンパク&ライスを使用しており、アレルギーと結石にお悩みの子に作られお腹が弱い子にも最適です。また、小さめの粒で小型犬でも食べやすいサイズになっています。

ビタミン類とアミノ酸類の独自の配合により健康を保つことで皮膚が本来持つバリア機能を維持します。

ユリナリーS/Oエイジング7+ +CLT(ドライ・ウェットパウチ)

ミネラルなどを調整することでストルバイト結石を管理し、尿石の80%を形成しにくくします。

独自の栄養素と抗活性酸素物質を配合し、健康を維持することで愛犬の活力と健康的な認知機能をサポートします。

また、腎臓の健康をサポートします。

ユリナリーS/O小型犬用

主に小型犬におすすめ

→小粒で高嗜好で、歯石が付きにくくなるようポリリン酸ナトリウムを配合しています。

ユリナリーS/Oライト(ドライ・ウェットパウチ)

カロリーオフ、高タンパク、高食物繊維なのでお腹が空きにくいように作られています。

体重過多に配慮し、カロリー密度を低く調整

[ユリナリーS/O]と比較し、約15%減

[ユリナリーS/O パウチ]と比較し、約10%減

ユリナリーS/O+満腹感サポート ドライ

体重が気になる子におすすめ(肥満傾向にあると結石ができるリスクが高くなります)

減量時にリーンボディマス(除脂肪体重)を維持するため、タンパク質含有量を標準フードと比較し、約66%増やし45.1g/400kcalに調整しています。

食物アレルギーのワンちゃん用のおやつ

〈犬用〉トリーツは、プリスクリプション・ダイエット™ 製品を給与している犬へ与えることができるよう成分を調整したおやつとしての特別療法食です。

健康診断

簡単な検査をこまめに行うことで病気の早期発見につながるケースも…

◎聴診→心雑音の有無→心臓病

◎尿検査→尿比重(低比重尿)・尿タンパク→LUTD、初期の腎臓病

ビリルビン→肝疾患

潜血・尿pH(亜硝酸塩:細菌感染)→LUTD、腎疾患

尿糖→糖尿病、腎疾患

ユリナリー S/Oまとめ

ロイヤルカナンの『pHコントロール』という尿路結石用の療法食シリーズがあります。

非常にたくさんの患者さんに処方して食べていただいている製品ですが、新しい名前は、『ユリナリーS/O』というシリーズに変わっています

Sはストラバイト;Struviteの、Oはシュウ酸カルシウム;Calcium Oxalateという2大結石の名前の頭文字を取ってるようです。

これまでも実は、世界ではこの『ユリナリーS/O』という名前が使われていたのですが、日本だけ『pHコントロール』という名前で売られていたのです。

では、変わったのは名前だけなのかというと、微妙にレシピや成分の変更も行われています。

今回はその特徴をまとめましたので、それぞれにあったフードはそれぞれ微妙にレシピや成分の変更も行われています。

うちの子にはどのシリーズが良いのかな??と疑問が生じた方もたくさんいるかと思います。

そこで、様々な商品をご紹介させていただきました。

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no life no dogs & catsをモットーに、いつも犬と猫に癒されています。国立大学獣医学科卒業→東京大学附属動物医療センター外科研修医→都内の神経、整形外科専門病院→予防医療専門の一次病院→地域の中核1.5次病院で外科主任→海外で勤務。
現役獣医師が海外で勉強しながら得た、犬と猫の病気に対する知識とスキルを発信していきます。

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