新型コロナウイルスが流行している中、愛犬との生活で注意することは?
犬に感染はするの?
人から犬に感染する?犬から人への感染は?
散歩はしない方がいい?
犬との生活の中で、注意することや消毒は必要?
当記事では、現在のところわかっている新型コロナウイルスに感染した犬の世界の報告をまとめました。
限りなく網羅的にまとめましたので、新型コロナウイルスが犬に与える影響をご心配な飼い主は是非ご覧ください。
✔︎本記事の信憑性
この記事を書いている私は、大学病院、専門病院、一般病院での勤務経験があり、
論文発表や学会での表彰経験もあります。
記事の信頼性担保につながりますので、じっくりご覧いただけますと幸いですm(_ _)m
» 参考:管理人の獣医師のプロフィール【出身大学〜現在、受賞歴など】
✔︎本記事の内容
犬の新型コロナウイルスの感染する?世界の感染報告!
アニコムグループでの『#StayAnicom』プロジェクトでは、これまでに犬29頭のペットのお預かり、複数回のPCR検査を実施し、「陰性」であることを確認しておりました(2020年8月3日時点)。
今回「陽性」が判明した2頭の犬についても同様に、複数回のPCR検査を異なる複数施設で実施したところ、「陽性」の検査結果を得たものです。
なお、海外での犬の感染報告では、数日中に「陰性」の結果に転じることが多いとの報告が行われており、現在、1頭については「陰性」の結果に転じ、2頭とも健康状態に大きな問題はありません。
また、これらの犬2頭において新型コロナウイルスの感染が成立したかについては、明らかとなっておりません(※)。
(※)抗体検査の結果が陽性になるまでは一定の期間を要するとの報告があることから、今後、当該結果を踏まえて抗体検査を実施し、感染が成立したかの判断を行う予定です。
上記は2020年8月4日の報告ですが、新型コロナウイルスが犬に感染したという報告が世界中で出ています。
また、報告の多くが実験室の中で人工的に感染を確認したり、複数の検体や複数の実験室でのテストによって証明されたものもあります。
こうしたニュースは、現在非常に関心の高い話題なので、メディアに取り上げられ、ニュースとして配信されております。
しかし、通常はこの様な少ない症例報告や初期実験を元に、数を増やし、実験方法や検査方法、診断方法が確立されていき、多くの専門家が、複数で検査する事でこの様な情報の信憑性や確実性を確認して行きます。
その後に、この様な新事実があるという発表がなされます。
もちろん、犬や猫に感染するというニュースはショッキングで非常に目を引くものですが、今の段階で、どこでどの様な実験がなされたかわからず、数も少ないケースのみで答えを出すのは早計です。
この様な発表がある事は、新型コロナウイルスに関心が集まっているという証拠なのですが、数少ない報告によって結論を急ぐのは非常に危険です。
本来は必要ないペットへの恐怖や不法投棄の元となってしまいかねませんので、日々出てくる報告と合わせて判断していかなければなりません。
犬が新型コロナウイルスに感染した時の症状
嬉しいことに、現在までに新型コロナウイルスを発病したり、感染したという確証は報告されていません。
ですので、犬がくしゃみ、鼻水という症状を出した。
その犬の鼻から採材し、新型コロナウイルスのPCR検査が陽性だったとして感染したとは結論づけることはできません。
なぜならPCR検査はウイルスが生きている、死んでいるを問わず陽性となるからです。
つまり新型コロナウイルスが原因で症状を出していたかは、PCR検査で陽性であっても証明できません。
その様な症状が飼い主の犬に認められても、落ち着いて、歯肉炎や歯石が無いかなど、さらなる検査をすることで他の要因を排除しなければなりません。
現在のところ鼻水やくしゃみを出す病気は新型コロナウイルス以外の方が一般的であり、新型コロナウイルスが発症しているかを診断するのは非常に困難です。
勿論全く発症しないかはこれから研究されていくところですので、断言はできないですが、まだまだ未知な部分が多く、わかっていないというのが事実です。
犬から人に新型コロナウイルスが感染する?
米国や複数の専門委員会の発表によると、現在の解釈は以下の様になります。
人から犬への伝播、汚染は起こっている可能性があるが、多くの動物で人の様には呼吸器、、消化器症状は出さない。 犬から人への新型コロナウイルスの感染は確認されていません。 新型コロナウイルスの感染景尾において、犬が媒介となり感染を広げる可能性は非常に低いと考えられます。 新型コロナウイルスは人から人に感染するのが、最も一般的です。 つまり、万が一飼い主が新型コロナウイルスに感染しても、ペットである犬にウイルスの伝播はあっても、その犬が症状を呈したり、死亡する可能性は非常に低いです。 また、症状のない犬が、コロナウイルスを鼻に持っていて、それを人にうつす可能性も低いですが、鼻にウイルスが存在していることが確認されていますので、濃厚な接触は注意していただく必要があります。
新型コロナウイルスの犬の感染報告
香港・アメリカで感染が報告されておりますが、研究でも感染が起こりにくいことがわかっています。
しかし、猫同士の伝播は、研究でも感染が確認されています。
イタリアでの研究結果:バーリ大学の研究チームの報告(ペットの犬540頭・猫277頭)では、PCR検査で犬の陽性はゼロでしたが、抗体検査では3.4%が陽性とのことでした。
また、飼い主が感染している家庭の犬の方が感染していない家庭に比べて陽性率が高かったという報告がありました。