
体のどこかを触ると、キャンと鳴く、痛がる・・・

知覚過敏?痛みに過敏な気がする・・・

本記事では、犬や猫が体のどこかを痛がる、キャンと鳴く:知覚過敏、知覚異常についてお話しします。
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- 検査してくれなかった...
- 病院ではよくわからなかった...
- 病院では質問しづらかった...
- 混乱してうまく理解できなかった...
- もっと詳しく知りたい!
- 家ではどういったことに気をつけたらいいの?
- 治療しているけど治らない
- 予防できるの?
- 麻酔をかけなくて治療できるの?
- 高齢だから治療ができないと言われた
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例えば...
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結論から言うと、知覚過敏とは、刺激に対する感受性の増大であり、通常は痛みを感じない程度の刺激に対して不快感を示す行動反応がみられる状態を意味しています。
この記事は、愛犬や愛猫が体のどこかを痛がる、キャンと鳴く:知覚過敏、知覚異常が気になる飼い主向けです。

この記事を読めば、愛犬や愛猫が体のどこかを痛がる、キャンと鳴く:知覚過敏、知覚異常の原因、治療法がわかります。
限りなく網羅的にまとめましたので、ご自宅の愛犬や愛猫が体のどこかを痛がる、キャンと鳴く:知覚過敏、知覚異常について詳しく知りたい飼い主は、是非ご覧ください。
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✔︎本記事の信憑性
この記事を書いている私は、大学病院、専門病院、一般病院での勤務経験があり、 論文発表や学会での表彰経験もあります。
今は海外で獣医の勉強をしながら、ボーダーコリー2頭と生活をしています。
臨床獣医師、研究者、犬の飼い主という3つの観点から科学的根拠に基づく正しい情報を発信中!
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✔︎本記事の内容
犬や猫が体のどこかを痛がる、キャンと鳴く:知覚過敏、知覚異常〜原因、症状、対症療法、治療〜
この記事の目次
知覚過敏、過剰に反応する、痛がる:知覚異常とは?
知覚機能の障害のことです。
ヒトでは異常感覚、錯感覚、知覚鈍麻、無感覚が知られていますが、知覚の客観的評価は難しいです。
獣医学分野では主に知覚過敏と無感覚が問題にされます。
知覚過敏、過剰に反応する、痛がる:知覚異常の分類と問題点
体のどこかを痛がる、震える、鳴きだす...
そんな症状を見かけたことはありませんか?
尾が下がり、背中を丸め、怯えるように震えて、足に力が入らないようにフラフラ徘徊、
少し体に触れただけでギャンギャン鳴き出し、急に震えだしまた徘徊、鳴き出し、震えだすのは痛みからです。
この用語は、主に頸部および背部の異常な痛みを表現するために使用されます。
無感覚とは、痛みを全く感じない状態です。
このため、これらのどの部位の病変も無感覚を引き起こす可能性があります。
痛みの感覚には、内臓痛覚と体性痛覚がありますが、体性痛覚としては表在痛覚と深部痛覚があります。
知覚過敏、過剰に反応する、痛がる:知覚異常の原因、理由
侵害受容器には、主として高閾値機械受容器とポリモーダル受容器の2種類があります。
- 高閾値機械受容器は、機械的刺激にのみ反応する侵害受容器です。
- ポリモーダル受容器は、機械的、化学的、温熱的刺激に反応します。
ポリモーダル受容器を刺激するのは、ブラジキニン、セロトニン、ヒスタミン、プロスタグランジン、ロイコトリエンなどの化学物質です。
侵害受容器は自由末梢終末であり、特に皮膚、角膜、肛門、骨膜、動脈壁、関節嚢、筋肉、腱、髄膜に多く存在します。
痛みの強度には、侵害受容器の密度が影響し、髄膜において侵害受容器の密度が高いことが頸部および背部に知覚過敏を引き起こす要因となっています。
一方で、脊髄実質には侵害受容器が存在しないことから、髄膜に及んでいない脊髄病変では一般的に痛みは認められません。
このため、痛みには局在が明確な鋭い痛みと局在が不明確な鈍い痛みがあるとされています。
これらの末梢神経線維からの情報は、主に脊髄視床下路と脊髄網様体路を経て、間脳を介して大脳皮質に伝達されます。
また、顔面の痛みは、三叉神経から脳幹と間脳を経て大脳皮質に伝達されます。
知覚過敏、過剰に反応する、痛がる際の対症療法
対症療法としての鎮痛を目的に一般的に使用される薬剤には、以下のものが含まれます。
筋痙攣を伴う痛みには、ジアゼパムが使用されることもあります。
- 麻薬(モルヒネ、フェンタニル)
- 非麻薬性鎮痛薬(ブトルファノール、ブプレノルフィン)
- 非ステロイド性抗炎症薬
- α2作動薬
- 局所麻酔薬
知覚過敏、過剰に反応する、痛がる病気の診断の進め方
頸部または背部に異常な痛みがある動物の診断には、
- 症例の個体情報および病歴の聴取
- 身体検査および神経学的検査
- 一般血液検査および血液化学検査
- 尿検査
- X線検査(頭部、脊柱、胸部、腹部)
- 脊髄造影検査
- 脳脊髄液検査
- CT検査
- MRI検査
- 筋電図検査
- 筋生検
- 関節液検査
を選択します。
病歴の聴取では、痛みを示唆する所見について確認します。
痛みに対する反応は動物によって様々であり、激しい痛みを感じている動物でも外見的にはそれほど明瞭でないことがあります。
このような動物では、
痛みを示唆する所見として
- 活動性の低下
- 態度の変化(攻撃的または消極的になる)
- 階段の昇降を嫌がる
- ぎこちない歩様
- 休息姿勢をとれず落ち着きなく動く
- 身体の一部を舐めたり噛んだりする
- 触られるのを嫌がる
- 流涎
- 頻呼吸
- 頻脈
- 散瞳
- 食欲不振
が認められることがあります。
身体検査および神経学的検査では、観察、触診、操作によって痛みのある領域を確認します。


触診および操作では、動物が暴れて検査が続行不可能になることを避けるために、痛みが激しいと考えられる部位は最後に評価します。
- 腹部触診を含め一般身体検査に続いて、四肢の筋肉、関節、骨の触診および操作などを実施します。
- これらの検査では、個々の筋肉、関節、骨を個別に調べることを心がけて実施します。
- 次に、痛みを誘発しないように注意しながら神経学的検査を実施します。
- これら検査を終了したら、脊柱の触診および操作を実施する。
- 痛みのある領域を確認するためには、後方の脊柱から前方に向かって検査を進めていきます。
- 痛みのある領域に対する刺激による腹筋の緊張度の増大を検出するために片手を腹部にあてがいながら、棘突起を押したり、両側の横突起を2本の指で挟むようにして評価します。
- 胸椎検査では、肋骨を押す方法も役立ちます。
- 頸部の評価では、操作に対する抵抗を評価するために屈曲、伸展、回転させます。
知覚過敏領域が広範囲に及んでいる場合には、通常は髄膜炎、多発性筋炎、びまん性骨疾患が考えられますが、多くの動物では注意深い触診によって痛みのある領域を突き止めることができます。
どこを触っても痛みを訴える動物には鎮静処置が必要なことがあります。
血液検査では、クレアチンキナーゼ値も測定します。
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知覚過敏、過剰に反応する、痛がる際によくある病気
ハンセンⅠ型の椎間板疾患は、ダックスフンド、ビーグル、ウェルシュ・コーギー、ペキニーズといった軟骨形成不全犬種に多く認められます。
腰仙部脊柱管狭窄症は、ジャーマン・シェパード・ドッグやその他の大型犬種に発生することが多いです。
ウォブラー症候群は、1~2歳のグレート・デーンと5~10歳のドーベルマンでよく認められます。
環軸椎不安定症とキアリ様奇形および脊髄空洞症は、若齢の小型犬でよく認められます。
知覚過敏、過剰に反応する、痛がる:まとめ
- 知覚過敏とは、刺激に対する感受性の増大です。
- 通常は痛みを感じない程度の刺激に対して不快感を示す行動反応がみられる状態
- 深部痛覚とは、筋肉、関節、骨の侵害受容器かた中枢に伝達される感覚です。
- 深部痛覚の消失は脊髄疾患の重度病変
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