いろんなサイトや病院のブログで去勢手術の有用性、メリットは解説されていますが、副作用やデメリットについて書かれているところは少ないと思います。
この記事では、手術が実際に病院の利益になっているのか、
どういった副作用があるのかを解説していきます。
この記事の目次
まず初めに獣医療とは?
獣医療は、獣医師が勉強や経験したことを元に提供する医療サービスの一つです。
つまり、治療することだけが獣医師の仕事ではありません。
飼い主がどうしたいか、これに答えるのが獣医師と言われています。
テレビで獣医師の特集を見ると、多いのがやはり治療の最先端に関してです。
しかしそれはほんの一部です。
動物病院はよく小児科と同じと言われたり、最大のサービス業と言われたりしています。
それは話すことのできない犬や猫、その他小動物を介して、飼い主を満足させることにあるからです。
つまり、それが治療でなくても、飼い主が納得できればそれは名医となるわけです。
残念ながら人の医療と異なり、保険がないため、治療費は決して安くありません。
高額だからという理由で治療ができないことは多々あります。
なぜこれが大事かというと、最終的に方針を決めるのは飼い主であり、獣医師はそのお手伝いをするということを知ってほしいのです。
私は専門的なことはわからないからといって、治療や検査は獣医師任せ、もらっている薬の名前もわからない、周りがしているからワクチンや去勢、避妊手術を受けさせる方が多すぎるということです。
ペットショップで言われたから、とか、周りがしているからという理由で治療方針を決めないでください。
動物にもそれぞれ性格がありますし、飼い主の家庭状況、金銭価格、医療に対する考え方も様々です。
もちろん獣医師は説明責任はありますので、その説明を聞いた上で、最終的にはペットの治療方針を飼い主様の責任で後悔しない方法を選ぶ必要があります。
絶対に手術しないといけないということはありません。
獣医師のことを信用しながらも、完全に任せっきりにしないで、自分でも調べてみてください。
一度は疑った目でかかってください。
獣医師も人間なので間違う時もあります。
またずっとペットと一緒にいるのは飼い主です。
獣医師はほんのわずかな時間しか、病院に来た診察の時間しかペットの状態を見ることはありません。
手術、麻酔のメリットデメリット
薬の治療のメリット、デメリットを理解して、天秤にかける必要があります。
麻酔は怖いというイメージがありますが、術前の血液検査や旨のレントゲン検査などである程度のリスク管理は可能です。
逆に薬は腎臓や肝臓に、負担をかけてしまい、例えばステロイドのように致命的な障害を与えることもあります。
しかし、ステロイドもまたいい薬であり、この薬を飲まないと生きていくことができない病気があることも事実です。
つまり、リスクの管理とそのバランスが大事です。
人も外に出ると、犯罪に巻き込まれたり、交通事故に遭うリスクはありながらも、車や電車は使います。
それと同じです。
結論、獣医師はあくまで医療を提供するサービス業だと割り切ってください。
あくまで治療方針を決めるのは飼い主本人の責任です。
だからこそ、治療方針を決める時に獣医師の意見を参考にしながら、主体性を持って、
この子の命は私が守るんだ、という強い意気込みで、むしろ獣医師を利用するくらいで望んでください。
ペットの命を救うのは獣医師ではありません。飼い主なのです。
いくら助かる治療を獣医師がお勧めしても、飼い主がそれを理解して獣医師に頼まなければ、勝手に獣医師が治療することはありません。
飼い主が治療方針を決める最も重要な位置にいるということを忘れないでください。
獣医師は、過去の研究や経験から、ペットの病気の治療を何個か説明して、どれにしますか?と提供するに過ぎません。
その治療の中で、一番腑に落ちるものを選べばいいのです。
麻酔を怖がる方は多いです。
ですが体が小さいから、高齢だからといって、何も考えずに麻酔をかけるのは大きな間違いです。
もしそうであれば、小柄な人や、高齢の人は全く麻酔をかけないことになります。
高齢、小さい=麻酔が危険ではなく、
これで治療方針を決めてしまうと、麻酔をかけて処置をすれば治る可能性を全て捨てることになります。
もちろん手術がベストではなく、薬の治療であっても体への飼い主からは見えない負担があります。
人であれば骨折している時に、痛み止めだけで行きましょうとはなりません。
必ず、痛み止めと、手術があります。
麻酔をかけるかどうか、つまり手術をするかどうかは、それにより薬による治療と比べてどれだけ治る確率が高いか、治療費用、ペットの性格、自宅と病院との距離などで選択することが多いです。
その上で、各治療法の手術に対するメリットは多くの病院で解説があり、HPでは手術の写真を載せてさもいいかのように伝えていますので、ここではあえて、手術の失敗、副作用、デメリットについて解説します。
ただ、デメリットがない治療法はありません。
どの治療方法もある程度のリスクがあり、決して手術を勧めないわけではありません。
手術でしか治せない病気もあり、その時にしっかりとリスクを理解して手術に臨む必要があるということです。
犬と猫の去勢手術のメリット、副作用、デメリット、失敗
犬と猫の去勢手術の副作用、デメリット
最も注意が必要なのは「肥満」と「尿路結石」です。
特に去勢・避妊後はこれら2つのリスクが上がることが知られています。
避妊・去勢でリスクが上がる病気
- 肥満のリスク:3.4倍
- シュウ酸尿石のリスク:7倍
- ストルバイトのリスク:3.5倍
犬と猫の去勢手術後の失敗、合併症
去勢手術は比較的簡単な手術ですが、術後に様々な合併症が起こることはあります。
去勢手術後に陰嚢が真っ赤に腫れる、膨れる
これは毛を刈る時や、内部の止血が甘かった時に起こります。
しかし、大きな問題にはなりません。時間と共に引いていきます。
去勢手術後に多飲多尿、頻尿
麻酔により膀胱炎になることがあります。
去勢手術後に肺水腫
これは輸液過剰や術前に血液検査や、胸のレントゲン検査
去勢手術後に股関節脱臼
これは無理な保定や、去勢手術の時の体勢が悪いと柴犬など股関節が生まれつき浅い犬は外れることがあります。
去勢手術後に咳
これは麻酔をかける時に期間チューブを入れるのですが、大きいサイズのチューブを入れてしまうと気管に損傷を与えるので、術後に咳が一時的に出ることがあります。
去勢手術後に痛がる、食べない、水を飲まない、泣き叫ぶ
これは非常に多いです。
特に痛みに弱い柴犬、トイプードルに圧倒的に多いです。
通常去勢手術は、痛み止めを使わないことが多いです。
それはなぜか。
飼い主が安さを求めるからです。
高いと、多くの飼い主がたかが去勢手術に、ということが圧倒的に多いからです。
だからこそその安さに、飼い主の期待に、要望に応えるために安くするには、どこかを削らなければなりません。
ただ、鎮痛剤を打つこともあります。
ただ鎮静剤の効果も長時間持続はしないので、日帰りの場合は帰った後に痛がることがあります。
しかし、これも時間と共に改善していきます。
切った後は皮膚のひきつれやほつれが起こるため、引っ張られた感覚が残り違和感があり、特に柴犬は泣き叫ぶことがあります。
ただ一時的ですので、翌日以降で受診して痛み止めをもらえれば改善します。
去勢手術のメリット
これは他のサイトやブログでも言われていますが、
- 尿スプレー、足をあげての排尿が改善する可能性がある。
- 前立前肥大、会陰ヘルニアなどのホルモン依存性の病気になりにくい
- 望まない妊娠が起こらない
などです。
正しい知識以外に病院の選び方も非常に重要です!
ネットで検索すると、いろんな情報が出てきて混乱して、 逆に不安になったことってありませんか?
ネット記事を読むときは、内容を鵜呑みにするのではなく、 情報のソースや科学的根拠はあるか?記事を書いている人は信用できるか?など、 その情報が正しいかどうか、信用するに値するかどうか判断することが大切です。
とっても大事なこと
愛猫や愛犬のわずかな変化に気付き、守ることができるのは飼い主様だけです! 病気になった時も、獣医師がしっかり説明をして、飼い主様が正しい知識を理解をして、ペットを含め、3者がともに協力しないといい結果は得られません。
本ブログでは、1匹でも正しい予防や治療を受けてペットと楽しい時間をできるだけ長くできるように、報告に基づいてわかりやすく解説しています。
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