愛猫ちゃんのフィラリア予防はとっても簡単!
でもしていないと取り返しのつかない病気になる事も!
猫の予防を疑問に思ってる飼い主は多いんじゃないでしょうか?
病気を治すためではなく、病気にさせない医療行為のため、非常にメリットが飼い主の目に見えて出てこないのです。
毎年推奨されているものから、毎月の予防まで非常に費用がかかります。
しかし、猫の平均寿命を上昇させたのもこの予防なのです。
猫にとって必要な予防、健康に暮らしていく方法を知りたい飼い主必見です。
限りなく網羅的にまとめましたので、予防について詳しく知りたい、予防を始めたいけど何をしたらいいかわからない、猫を飼い始めた飼い主は是非ご覧ください。
✔︎本記事の信憑性
この記事を書いている私は、大学病院、専門病院、一般病院での勤務経験があり、
論文発表や学会での表彰経験もあります。
記事の信頼性担保につながりますので、じっくりご覧いただけますと幸いですm(_ _)m
» 参考:管理人の獣医師のプロフィール【出身大学〜現在、受賞歴など】
✔︎本記事の内容
愛猫に必要なフィラリア予防!獣医が本徹底解説!
この記事の目次
猫に寄生するフィラリアって?!予防は必要?
フィラリアは、蚊が媒介する寄生虫です。
猫の体内に入ったフィラリアの幼虫は、脱皮を繰り返しながら発育して皮下から心臓へ移行し、心臓で成虫になります。
猫の体内に入り込んだフィラリアが、最終寄生場所である心臓や肺動脈に寄生し、様々な重篤な症状を引き起こします。
感染すると、血栓塞栓症、心不全を引き起こします。
心臓内で成虫になると、薬で殺すことはできず、寿命を待つことになります。
フィラリアは猫に感染して約6ヶ月で成虫になります。
成虫の寿命は5~6年です。
フィラリアが生み出したミクロフィラリアの寿命は1~2年です。
寿命を終えた成虫は心臓内で、分解されることはなく心不全の原因となりますので、取り除くには手術しかありません。
フィラリア症予防薬はフィラリアの幼虫が心臓に到達する前に駆除するお薬です。
フィラリア症は発症したら治すことが難しい病気ですが、動物病院で処方された薬を必要な期間、確実に投薬することで、ほぼ100%防げる病気です。
ポイント!
意外と身近にいるフィラリア! でも予防はとっても簡単です! しっかり予防して楽しくお散歩しましょう!
猫のフィラリア予防!
フィラリアの予防は、投薬後フィラリアの幼虫が入ってこないようにしたり、蚊に吸血されないようにする薬ではありません。
実際は駆虫薬であり体内に入ったフィラリアの幼虫を薬で駆除するものです。
蚊が見られなくなってもそれまでに吸血され、体内に入ったフィラリアの幼虫が残っている可能性があるので、蚊が見られなくなって1カ月後の最後まで投薬をしましょう。
フィラリア症の予防薬は、実はフィラリアの幼虫を駆除する薬です。
蚊が運んできたフィラリアの幼虫が体内に入ったとしても、すぐに投薬しなくても問題はありません。
体内移行幼虫を駆除する事でフィラリアの心臓寄生を予防する薬です。
駆除効果が持続するのではなく、投薬前1ヵ月間に感染したフィラリアの幼虫を駆除するものです。効果が1ヵ月持続するわけではありません。
蚊が活動を開始して1カ月後に投与する薬で、それまでに感染した幼虫を駆除することができます。
室内でも蚊に刺される可能性がありますので、確率が低くても予防が必要です。
猫のフィラリアの検査は?!
フィラリア予防を始める前には、現在フィラリアに感染してないかどうかの検査が重要です。
初めて予防を始める場合はもちろん、一回飲み忘れると、その月に身体に入った寄生虫が駆除できていません。
全く予防していないのと同じ状態になってしまいます。
感染している犬にフィラリア予防薬を投与するとショックを起こす恐れがあるため、投与前に感染の有無を確認する必要があります。
検査には少量の血液(0.5ml程度)をもらい、ミクロフィラリア検査とキットを使った抗原検査を行います。検査時間は15分程度です。
オスとメスが体内に感染した時のみ子供が生まれる為、ミクロフィラリアの検査で見つかります。
しかし、片方だけの場合はキットでしか検知できません。
また感染している状態での投薬が危険な場合が1つあり、それは感染していて血液中にフィラリアの子虫(ミクロフィラリア)が存在する場合です。
この時に予防薬を与えると子虫が一気に大量に死ぬためアナフィラキシーショックで死ぬ可能性もあります。
猫のフィラリアの生活環は?!
フィラリアの幼虫は、脱皮を繰り返しながら発育して成虫になります。
そのすべての発育段階で100%駆除できるわけではありません。
体内に入るときはL3、その後L4、L5と成長して成虫になりますが、L4という発育段階以外では十分に駆除することができません。
つまり、予防薬を毎月投薬しても、実は一部の幼虫はL3のままでいるために、完全には駆除できないのです。
これが毎月フィラリアの薬を飲む理由です。
猫のフィラリア予防期間!
予防期間は、蚊が出始める時期から始め、蚊が出終わってから1ヶ月後まで行います。
多くの地域では、5月の終わりから11月末までが予防期間となります。
しかし、その年の気温(暖冬)や周りの環境(蚊が多い)などの条件によって予防期間は変わります。
近年は1年に1回で済む注射もありますので、シーズンを気にせず予防していただくことも可能です。
ポイント!
もし飲み忘れてもすぐに子虫が生まれる訳ではないので、予防薬の継続は決して危険ではありません。
飲み忘れ?!フィラリアの薬が余っている!
フィラリアの薬は前回の投薬日から1ヶ月間に感染したフィラリアを駆虫します。
フィラリアは蚊によって感染し、感染した子虫は約2ヶ月程度で成長して血管内に移動します。
フィラリアの薬を飲み忘れてもし感染していた場合、心臓に移動した成虫にはフィラリアの薬は効きません。
よってきちんと1ヶ月おきに予防薬を飲ませる必要があります。
また蚊が出始めた最初はまだフィラリアを有する蚊が少ないため感染するリスクは少ないですが、
最後の予防月が最も危険であり、飲み忘れると次の予防は春になるのでその間に子虫は心臓内に移動してしまいます。
最後の予防月は必ず忘れることのないように投薬してください。
そして予防薬を飲み忘れた場合ですが、そのまま投薬を継続してください。
飲み忘れている間に感染しているかはすぐには分かりません。
感染しているか分かるのは飲み忘れてから半年以上経過してからであり、すぐ病院に来て検査してもわからないのです。
とはいえ、もし感染していても半年以上は子虫が生まれることはありません。
もし飲み忘れてもすぐに子虫が生まれる訳ではないので
予防薬の継続は決して危険ではありません。
逆にもし感染していても、その後感染を続けないよう予防することは大切です。
猫のフィラリア薬の種類!
犬には予防薬の種類は、錠剤、チュアブルタイプ、注射、スポットタイプがあります。
猫には内服は難しいですので、スポットタイプが殆どで、お勧めです。
それぞれ、メリット、デメリットがあります。
スポットタイプ
- 首筋に投与すると成分は猫の皮膚表面の脂分を伝わり全身に広がります。
- その後、毛根の横にある皮脂腺に蓄えられ、そこから皮脂とともに徐々に放出されて再び体表や 被毛上に広がるため、その効果が長く続くのです。
- スポットタイプは、飲ませる事が難しい猫ちゃんが殆どの中、非常に簡単な投与方法です。
- しかし、まれに、アルコールが入っている為、その部分の毛が抜ける事があります。
- そのような場合は飲み薬に変更になります。
ポイント!
市販品は、予防して頂いても効果が薄く、駆虫効果も薄いです。 動物用医薬品は、数多くの安全性、有効性データを基に農林水産省の厳しい承認基準をパスしており、ペットショップ等で販売されている動物用医薬部外品とは異なります。
猫のフィラリア薬の実際!
ここからは実際の商品を紹介します。
下に獣医師からのお勧めコメントや、実際使ってみての感想を書いてあります。
スポットタイプ
アドボケート
猫ちゃんに出すノミ、ダニ、フィラリア薬は一番これを出しています。
4kg以下と4kg以上で分かれており、値段も1500円前後です。
ブラベクト
これは一回つけると3ヶ月持続するので非常に楽です。
1回あたりで計算すると上記のアドボケートより安くなります。
ブロードライン
下記のレボリューションでは効かない条虫に効果がある為、条虫駆除の際に使う事が多いです。
レボリューション
これもよく使います。
これの良い所は、お腹の寄生虫、ノミ、ダニ、ヒゼンダニ 、耳ダニ、フィラリアに効果がある事です
外に行く飼い方をしている猫ちゃんにはこれがお勧めです。
ストロングホールド
上記のレボリューションのヨーロッパ版です。
ストロングホールドプラス
新成分が加わり、従来品Stronghold(ストロングホールド)では予防できなかったマダニにも有効です。
どれが安いの?猫のフィラリア予防薬の種類!
ほとんど変わりませんが、チュアブル(お肉タイプ)のお薬は体重の幅が狭いので、
多少割高になる場合もあります。
また、オンラインで購入することで病院よりかは安く抑える事ができます。
【飼い主向け】猫のフィラリア予防薬比較【わかりやすく獣医が徹底解説】
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獣医師解説!犬のフィラリア症は耳にした事はあるけど、詳しくは知らない飼い主は多いんではないでしょうか?当記事では、フィラリアという寄生虫の実態、生活環、予防の必要性をまとめました。犬にとって必要な予防、健康に暮らしていく方法を知りたい飼い主必見です。予防が必要なフィラリアの事がよくわからない飼い主は是非ご覧ください。