体調が悪く、動物病院で腫瘍と言われた・・・
人みたいに、動物の腫瘍にも腫瘍マーカーってあるの?
本記事では、人では最近頻繁に行われるようになった腫瘍マーカーについて、動物医療での現状をお話しします。
- 様子、経過を見てくださいと言われたけど心配...
- 検査してくれなかった...
- 病院ではよくわからなかった...
- 病院では質問しづらかった...
- 混乱してうまく理解できなかった...
- もっと詳しく知りたい!
- 家ではどういったことに気をつけたらいいの?
- 治療しているけど治らない
- 予防できるの?
- 麻酔をかけなくて治療できるの?
- 高齢だから治療ができないと言われた
もしくは、病院に連れて行けなくてネットで調べていた という事でこの記事に辿りついたのではないでしょうか?
ネット上にも様々な情報が溢れていますが、そのほとんどが科学的根拠やエビデンス、論文の裏付けが乏しかったり、情報が古かったりします。
中には無駄に不安を煽るような内容も多く含まれます。
ネット記事の内容を鵜呑みにするのではなく、 情報のソースや科学的根拠はあるか?記事を書いている人は信用できるか?など、 その情報が正しいかどうか、信用するに値するかどうか判断することが大切です。
例えば...
- 人に移るの?
- 治る病気なの?
- 危ない状態なのか?
- 治療してしっかり治る?
これを読んでいるあなたもこんな悩みを持っているのでは?
結論から言うと、動物で使える腫瘍マーカーは数えるほどしかありません。
しかし、そのほとんどが、血液検査で簡単に診断可能で、陽性だった場合の感度が高く、有効な内科治療、薬が使える重要な指標になります。
この記事を読めば、愛犬や愛猫の腫瘍マーカーの重要性がわかります。
限りなく網羅的にまとめましたので、ご自宅の愛犬や愛猫の腫瘍マーカーについて詳しく知りたい飼い主は、是非ご覧ください。
病気について直接聞きたい!自分の家の子について相談したい方は下記よりご相談ください!
通話:現役獣医による犬・猫の病気・治療相談のります 日本獣医麻酔外科学会で受賞した獣医による相談受付:画像に証拠
現役獣医による犬・猫の病気、治療相談にのります 日本獣医麻酔外科学会で受賞した獣医による相談受付:画像に証拠
✔︎本記事の信憑性
この記事を書いている私は、大学病院、専門病院、一般病院での勤務経験があり、 論文発表や学会での表彰経験もあります。
今は海外で獣医の勉強をしながら、ボーダーコリー2頭と生活をしています。
臨床獣医師、研究者、犬の飼い主という3つの観点から科学的根拠に基づく正しい情報を発信中!
記事の信頼性担保につながりますので、じっくりご覧いただけますと幸いですm(_ _)m
» 参考:管理人の獣医師のプロフィール【出身大学〜現在、受賞歴など】や詳しい実績はこちら!
✔︎本記事の内容
この記事の目次
遺伝子検査一覧 (genetic test)
主にPCR法の普及により、遺伝子診断が広く行われるようになっています。
PCR検査は、疾患にかかわらずほとんど同一の手技で検査を行うことができるため、新しい検査機関も多く参入しており、実施できる検査の種類も増えています。
リンパ腫クローナリティ解析
リンパ球系の細胞は正常な分化の過程でランダムな遺伝子組み換えを起こします。
腫瘍細胞はもともと通常1つ、またはごく少数の細胞に由来します。
この検査では、リンパ 球が腫瘍性に増殖しているかどうか PCR 法を用いて判定します。
フローサイトメトリーと比較して、遺伝子検査は少数の細胞で実施でき、腫瘍細胞の割合が少ない検体でも実施可能です。
比較的新しい技術であり、感度や特異性など臨床的な有用性についてはさらなる症例の蓄積が必要ですが、リンパ系腫瘍の診断においては客観的な情報を提供してくれます。
肥満細胞腫 c-kit 遺伝子変異(犬)
一部の肥満細胞腫で c-kit 遺伝子の変異が報告されています。
遺伝子変異がある場合 にはイマチニブ治療に対する反応性がよいことが報告されています。
主成分のImatinib(イマチニブ)は、人間の抗がん薬として慢性骨髄性白血病、消化管間質腫瘍などに使用されています。
1箱10錠
ジェネリックグリベックは、有効成分のイマチニブを含有する抗悪性腫瘍薬です。犬・猫における肥満細胞腫の治療に用います。
ジェネリックグリベックは、各がん細胞が持っている特定の分子(変異遺伝子、変異たんぱく質)のみに、直接働いてがん細胞が増えるのを抑える分子標的薬です。
ジェネリックグリベックに含有されている有効成分のイマチニブは、肥満細胞腫の増殖に関係する特定のたんぱく(KITチロシンキナーゼ)の働きを特異的に阻害することで、肥満細胞腫の増殖を抑えます。分子標的薬であるイマチニブは、副作用が比較的少ないのが特徴です。
犬・猫:肥満細胞腫
1箱120カプセル
ビーナット(Veenat)は、ノバルティスファーマ株式会社のグリベック(グリーベック)のジェネリックです。主成分のImatinib(イマチニブ)は、人間の抗がん薬として慢性骨髄性白血病、消化管間質腫瘍などに使用されています。
本来は人間用医薬品ですが、動物医薬品として使用される場合があります。使用に際しては獣医師の処方と指導が必要です。
動物用としては犬・猫に多くみられる肥満細胞腫の治療に使用されます。
肥満細胞腫とは、皮膚(真皮)の血管や筋肉の周辺、内臓の周辺を始め、体のあらゆる組織に散在している存在する肥満細胞が、腫瘍性に増殖した病気のことで悪性のものが多い腫瘍。犬に多くみられる皮膚腫瘍の中で一番多いのがこの肥満細胞腫で、猫の場合は2番目に多いとされ、犬と比べて内臓に発生する割合が多くなります。
従来の抗がん剤と違い、がんの原因分子に選択的に作用する分子標的薬のため副作用が少ないとされています。
1箱30錠
肥満細胞腫 c-kit 遺伝子変異(猫)
猫では 12 塩基の挿入が検出されており、その症例に対しイマチニブが奏効しています。
検査の臨床的な有用性を評価するためには今後症例数を増やしていく必要があります。
mdr1遺伝子欠損
mdr1 遺伝子に4塩基欠損をホモにもつ個体は、薬剤投与時に副作用を発現しやすくなります
国内でもコリーやオーストラリアン・シェパードではこの遺伝子欠損の頻度は高く、シェットランド・シープドッグでも低頻度に変異が認められます。
進行性網膜萎縮(PRA)
遺伝性疾患で成長後に視力障害がみられるようになります。
発症年齢はさまざまです。
さまざまな犬種で報告されており犬種により責任遺伝子も異なるため、その犬種に応じた検査を依頼します。
ダックスフンドのPRA について、現在行われている遺伝子検査で、疾患の発症がすべて説明できるかは、まだわかっていません。
フォン・ヴィルブランド病
遺伝性の一次止血異常です。
フォン・ヴィルブランド病では、出血時間検査など で異常がみられることがあるが、PT、APTT で異常を認めないこともあります。
そのため、遺伝子検査は重要です。
犬種ごとに遺伝子異常が異なるため犬種に応じた検査が必要です。
こんなことについて知りたい!これについてまとめて欲しい!というのがあれば下記からお願いします!