獣医師解説!犬と猫の自己免疫学的検査〜抗核抗体・クームス試験・リウマチ因子〜

    体調が悪く、動物病院で免疫の検査をしましょうと言われた・・・

    健康診断をしたら、抗核抗体、クームス試験、リウマチ因子に異常があると言われた・・・

    本記事では抗核抗体、クームス試験、リウマチ因子検査についてお話しします。

    • 様子、経過を見てくださいと言われたけど心配...
    • 検査してくれなかった...
    • 病院ではよくわからなかった...
    • 病院では質問しづらかった...
    • 混乱してうまく理解できなかった...
    • もっと詳しく知りたい!
    • 家ではどういったことに気をつけたらいいの?
    • 治療しているけど治らない
    • 予防できるの?
    • 麻酔をかけなくて治療できるの?
    • 高齢だから治療ができないと言われた

    もしくは、病院に連れて行けなくてネットで調べていた という事でこの記事に辿りついたのではないでしょうか?

    ネット上にも様々な情報が溢れていますが、そのほとんどが科学的根拠やエビデンス、論文の裏付けが乏しかったり、情報が古かったりします。

    中には無駄に不安を煽るような内容も多く含まれます。

    ネット記事の内容を鵜呑みにするのではなく、 情報のソースや科学的根拠はあるか?記事を書いている人は信用できるか?など、 その情報が正しいかどうか、信用するに値するかどうか判断することが大切です。

    例えば...

    • 人に移るの?
    • 治る病気なの?
    • 危ない状態なのか?
    • 治療してしっかり治る?

    これを読んでいるあなたもこんな悩みを持っているのでは?

    結論から言うと、抗核抗体、クームス試験、リウマチ因子は免疫異常の検査です

    この記事は、愛犬や愛猫の抗核抗体、クームス試験、リウマチ因子の検査が必要と病院で言われた飼い主向けです。

    この記事を読めば、抗核抗体、クームス試験、リウマチ因子がわかります。

    限りなく網羅的にまとめましたので、ご自宅の愛犬や愛猫の抗核抗体、クームス試験、リウマチ因子検査について詳しく知りたい飼い主は、是非ご覧ください。

    ✔︎本記事の信憑性

    この記事を書いている私は、大学病院、専門病院、一般病院での勤務経験があり、 論文発表や学会での表彰経験もあります。

    今は海外で獣医の勉強をしながら、ボーダーコリー2頭と生活をしています。

    臨床獣医師、研究者、犬の飼い主という3つの観点から科学的根拠に基づく正しい情報を発信中!

    記事の信頼性担保につながりますので、じっくりご覧いただけますと幸いですm(_ _)m

    » 参考:管理人の獣医師のプロフィール【出身大学〜現在、受賞歴など】や詳しい実績はこちら!

    ✔︎本記事の内容

    抗核抗体 (ANA : antinuclear antibody)

    この文章は消さないでください。
    全身性紅斑性狼瘡(SLE)、 自己免疫疾患

    抗核抗体は、核を構成する抗原に対する自己抗体です。

    通常は培養細胞の核を標的として検体(血清)を作用させ、結合した自己抗体を蛍光標識二次抗体で検出します。

    動物では、主にSLEなどの自己免疫疾患の診断に利用されることが多いです。

    検査のときに気をつけること

    グルココルチコイドなどによる免疫抑制により 抗体価が低下する可能性があり、

    免疫抑制剤を投与する場合には可能な限り治療開始前に検査すべきです。

    検査によってわかること

    不明熱で免疫介在性疾患が疑われる場合や、SLE が疑われる場合などに検査します。

    SLEの診断には、臨床症状のほかに抗核抗体検査陽性が診断基準として含まれています。

    SLE に一致した臨床症状を多くもつ症例ほど抗核抗体の陽性率も高くなります。

    犬のアトピー性皮膚炎で顔に病変をもつ症例では抗核抗体が検出されることがあります。

    頻度は低いですが不明熱の症例でも陽性になることがあります。

    猫での抗核抗体の検査の報告は少ないですが、
    甲状腺機能亢進症に対してメチマゾール などで治療した場合に自己免疫疾患を発症することがあり、
    抗核抗体が陽性になることがあります。

     

    ポイント
    • 抗核抗体検査は SLE の診断に有用である。

    クームス試験 (Coombs' test)

    この文章は消さないでください。
    自己免疫性溶血性貧血(IMHA) 、バベシア症

    赤血球表面の抗原に対する自己抗体を検出する検査です。

    免疫性溶血性貧血が疑われる場合に実施します。

     

    赤血球表面に存在する抗体を検出する直接クームス試験と血清中の抗体を検出する間接クームス試験があるが、動物用の検査機関で実施されている検査は直接クームス試験です。

    検査によってわかること

    免疫介在性溶血性貧血が疑われる場合に実施します。

    感度や特異性は使用する抗体 (クームス血清)によって異なります。

    検査系の感度は60~80%程度、特異性は90%以上とされます。

     

    非再生性の貧血でも、免疫介在性の機序が疑われる症例では半数以上で陽性になるとされています。

    バベシア症は臨床的に免疫介在性溶血性貧血に類似しますが、バベシア症でも37頭中31頭でクームス試験陽性になったことが報告されています。

    リウマチ因子 (RF : rheumatoid factor)

    この文章は消さないでください。
    関節リウマチ、リウマチ
    リウマチ因子(RF)とは変性した抗体分子IgGの定常領域Fc部分に対する自己抗体です。

     

    検査によってわかること

    リウマチ因子の検出は関節リウマチの確定的な診断方法ではないです。

    ヒトのリウマチの診断基準(1987年の米国リウマチ学会の診断基準、
    1993年の厚生省(当時)研究 班の診断基準)では、臨床症状やX線での骨破壊像など、
    7あるいは6項目挙げられている基準項目のうちの1つです。

     

    動物でのリウマチ因子測定の有用性に関する論文は多くないです。

    リウマチ因子の検出率は 20~80%と幅があります。

    また、他の関節疾患や炎症性疾患でも検出できるようであり、感度、特異性ともに不明な点が多いです。

    ポイント
    • リウマチ因子の測定は関節リウマチ診断の1つの指標ですが、リウマチ因子 のみで診断しないこと。

     

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    no dogs & cats no lifeをモットーに、現役獣医師が、科学的根拠に基づいた犬と猫の病気に対する正しい知識を発信していきます。国立大学獣医学科卒業→東京大学附属動物医療センター外科研修医→都内の神経、整形外科専門病院→予防医療専門の一次病院→地域の中核1.5次病院で外科主任→海外で勤務。

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