調子が悪いので、動物病院で血液検査をしたら肝臓の値が悪いと言われた・・・
健康診断をしたら、肝臓の値が悪いので、ウルソデオキシコールやスパカール、肝臓サポートなどの栄養食を勧められた・・・
聴き慣れない肝臓の値が、上がっていると言われると心配ですよね。
でも大丈夫です。複雑なように見えても、一つ一つはすごく単純です!
肝臓の数値の上昇は、実際の臨床現場でも非常に多い症状であり、実際に治療が必要かどうかは病気の種類も関係してきます。
- 様子、経過を見てくださいと言われたけど心配...
- 検査してくれなかった...
- 病院ではよくわからなかった...
- 病院では質問しづらかった...
- 混乱してうまく理解できなかった...
- もっと詳しく知りたい!
- 家ではどういったことに気をつけたらいいの?
- 治療しているけど治らない
- 予防できるの?
- 麻酔をかけなくて治療できるの?
- 高齢だから治療ができないと言われた
上記のような理由でこの記事に辿りついたのではないでしょうか?
ネット上にも様々な情報が溢れていますが、そのほとんどが科学的根拠やエビデンス、論文の裏付けが乏しかったり、情報が古かったりします。
中には無駄に不安を煽るような内容も多く含まれます。
ネット記事の内容を鵜呑みにするのではなく、
情報のソースや科学的根拠はあるか?記事を書いている人は信用できるか?など、
その情報が正しいかどうか、信用するに値するかどうか判断することが大切です。
例えば...
- 人に移るの?
- 治る病気なの?
- 危ない状態なのか?
- 治療してしっかり治る?
これを読んでいるあなたもこんな悩みを持っているのでは?
結論から言うと、肝臓の酵素はALP、Y-GTP、ALT、ASTと4種類あります。
それに加えて胆汁酸、アンモニアを測定しますが、
肝臓の検査では、実施する検査を、
- 肝疾患の存在を示唆する検査
- 肝障害(現在進行形)の程度を示す検査
- 肝機能を評価する検査
に分けると、項目によって見えてくるものが変わってきます。
この記事では、愛犬や愛猫の血液検査で、肝臓の値が悪い理由ついて、その理由をアカデミックな面からまとめました。
この記事を読めば、愛犬や愛猫の血液検査で、肝臓の値が悪い原因、症状、治療法がわかります。
限りなく網羅的にまとめましたので、ご自宅の愛犬や愛猫の血液検査で、肝臓の値が悪い理由を知りたい飼い主は、是非ご覧ください。
病気について直接聞きたい!自分の家の子について相談したい方は下記よりご相談ください!
通話:現役獣医による犬・猫の病気・治療相談のります 日本獣医麻酔外科学会で受賞した獣医による相談受付:画像に証拠
現役獣医による犬・猫の病気、治療相談にのります 日本獣医麻酔外科学会で受賞した獣医による相談受付:画像に証拠
✔︎本記事の信憑性
この記事を書いている私は、大学病院、専門病院、一般病院での勤務経験があり、
論文発表や学会での表彰経験もあります。
今は海外で獣医の勉強をしながら、ボーダーコリー2頭と生活をしています。
臨床獣医師、研究者、犬の飼い主という3つの観点から科学的根拠に基づく正しい情報を発信中!
記事の信頼性担保につながりますので、じっくりご覧いただけますと幸いですm(_ _)m
» 参考:管理人の獣医師のプロフィール【出身大学〜現在、受賞歴など】
✔︎本記事の内容
獣医師解説!肝臓が悪い?犬と猫の血液検査を徹底解説!〜肝臓の酵素編〜(ALT,AST,ALP,GGT)
この記事の目次
アラニンアミノトランスフェラーゼ:ALT (GPT) (alanine aminotransferase)
ALT は GPT とも呼ばれます。
ピルビン酸とグルタミン酸をアラニンとa-ケトグルタル酸に変換する酵素で肝臓に多く分布します。
ALT 活性は肝臓のスクリーニング検査として広く用いられます。
肝障害に伴い肝細胞から逸脱すると考えられ、現在起きている肝障害の程度を表す指標とされます。
検査のときに気をつけること
各検査機関・機器による参照値を下記に示しました。
ALT の参照値(単位:IU/L)
- 血清、血漿のどちらでも測定可能です。
- 年齢による生理的な変動や食事による影響はほとんどないと考えられています。
- 犬では強い運動負荷後に上昇します。
- ALTは補酵素としてビタミンB6を必要とします。
- 犬では補酵素の添加を必要とするアポ型酵素が10%程度存在しますので、測定法により10%程度の違いが生じる可能性があります。
- 疾患によってはアポ型酵素が著しく増加することがあります。
検査によってわかること
ALT は体内では主に肝臓に分布します。
そのため肝疾患、特に肝細胞障害の指標として用いられます。
AST も同時に測定されることが多いですが、肝特異性は ALTの方が優れています。
筋疾患によるALTの増加も示されていますが、その場合は CPK、 AST、LDH など筋疾患で上昇する他の酵素を測定し、他の項目と比較してALTの増加が著しい場合には、肝臓由来と考えます。
一方で ALT は肝機能の指標ではないので、門脈体循環シャントや肝硬変など、すでに肝細胞の障害過程が終わっているような病態では増加しないこともあります。
重度肝機能障害の指標としてはアンモニアや胆汁酸測定が利用されます。
異常値がみられたときに疑う疾患
肝細胞の障害を伴うあらゆる疾患で ALT が増加します。
- 慢性・急性の肝炎
- 胆管肝炎
- クッシング病
- ショック
- うっ血性心不全
- 腫瘍
- 薬剤など
- 胆管肝炎
- 肝リピドーシス
- 膵炎
- 腫瘍
グルココルチコイド、麻酔薬など薬剤によるALTの増加も知られていますが、薬剤による上昇も実際に肝細胞障害性と関連して起きているものがほとんどです。
しかし、フェノバルビタールを投与された犬で、肝臓の組織的な病変を伴わない ALTの増加が報告されています。
異常値がみられたときどうするか
ALT が高値であった場合には、実際に肝障害が起きていることが示唆さます。
超音波検査を実施し、必要に応じて肝生検を考慮します。
肝生検の適応について明確な基準はないが、500 IU/L を超えるような高値が持続する場合には将来的な肝機能不全になる可能性があるので、積極的に生検を考えます。
すでに重度肝機能障害が疑われる動物で肝生検を予定する場合には、PT、APTT などの凝固系の検査を行います。
肝生検では検査のリスクと生検結果から得られるメリットのバランスが重要です。
- ALT は現在発生している肝細胞のダメージを表す。
- AST よりも肝臓特異性が高い。
- ALT は肝機能不全の指標ではない。
- ALT が低い場合にも肝不全を否定してはならない。
アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ:AST (GOT) (aspartate aminotransferase)
AST は GOTとも呼ばれます。
グルタミン酸とアスパラギン酸をオキサロ酢酸 とa-ケトグルタル酸に相互変換する酵素です。
肝疾患のモニターとして使用されるほかに、骨格筋や心筋などにも分布し、これら部位の障害で増加するため、その検査にも用いられます。
検査のときに気をつけること
各種検査機関の AST の参照値を下記に示しました。
AST の参照値(単位:IU/L)
- 食事・年齢の影響はないです。
- 筋肉注射の影響により軽度上昇することがあります。
- 測定時にビタミンB6の添加を要求するアポエンザイムは、犬では検出されないが、猫では6%程度存在するとされます。
- 猫では測定方法により数%の差異が生じる可能性があります。
- 赤血球内の AST 濃度は高いので、溶血検体では高値となります。
検査によってわかること
肝機能のスクリーニング検査として用いられます。
通常 ALP、Y-GTP、ALT などとともに肝疾患の指標として用いられます。
しかし、肝障害の指標としては犬・猫とも に ALT の方が肝特異性が高いです。
犬の各臓器の酵素活性をみると ALT が主として肝臓に分布するのに対し、AST は肝臓以外では筋肉、腎臓、心臓、小腸などにも広く分布しています。
逆に AST の広い分布を生かして、臨床的には筋疾患、心筋疾患などへの利用が考えられます。
異常値がみられたときに疑う疾患
AST の増加が知られている疾患を下記に示しました。
AST は肝疾患で増加することが知られています。
犬ではフェノバルビタール投与で肝障害を伴わずに ALT が増加する場合があるが、AST は増加しません。
ALT の上昇を伴わずに AST が上昇している場合には肝臓以外の疾患を考慮します。
- 医原性クッシング病の犬の40%程度で ASTが増加します。
- 肝疾患以外では、炎症性筋炎で AST が増加することが知られています。
- 筋疾患では CK の値も上昇します。
猫では種々の肝疾患での上昇が知られていますが、その他の疾患での有用性は明らかではありません。
AST が増加する疾患・病態
- 慢性肝炎
- 急性肝炎
- 胆管肝炎
- クッシング病
- ショック
- うっ血性心不全
- 腫瘍
- 薬剤
- 筋障害など
- 胆管肝炎
- 肝リピドーシス
- 膵炎
- 腫瘍など
- AST の増加に比べ ALT の増加が顕著な場合には肝疾患を疑い、超音波検査などを実施します。
- AST が増加しているが ALT の増加がほとんどない場合には肝臓以外の疾患を考慮します。
- CK を測定し筋疾患の可能性を探るほか、心臓の超音波検査などで心疾患の評価を行うことがあります。
アルカリフォスファターゼ: (ALP : alkaline phosphatase)
ALPはリン酸モノエステルを加水分解する酵素で、肝臓・胆管をはじめ、腎臓、骨など全身の諸臓器に分布します。
血中の酵素活性が測定され、肝・胆管系の評価に用いられることが多いです。
誘導酵素であり、肝臓や胆嚢の障害をそのまま反映する逸脱酵素(例:ALT)ではありません。
肝臓、胆嚢の疾患以外でも、骨疾患や種々の薬剤の影響で上昇することがあります。
検査のときに気をつけること
各検査機関・機器の参照値を下記に示しました。
ALP の参照値は犬と猫で異なります。
これは骨型 ALP アイソザイムの上昇によると考えられています。
大型犬と小型犬の間では差はみられません。
犬と猫を比較すると犬の方が異常値になる頻度が高いです。
これは、犬では ALPが薬物などさまざまな要因で誘導されること、および猫で血中 ALP の半減期が短いことと関係しています。
スコティッシュ・テリアは ALP の値が3~5倍程度高いことが報告されています。
ALP の参照値(単位:IU/L)
異常値がみられたときどうするか
高値が得られた場合に疑う疾患や状態を下記に示しました。
- 著しい増加がみられた場合には肝や胆道疾患を疑いますが、犬ではクッシング病や外因性のグルココルチコイド投与でも著しく高値となることがあります。
- 骨肉腫や骨折の治癒過程などでも上昇するが、上昇の程度はあまり大きくないです。
- 骨疾患の特異的なマーカーとはならないが、同一症例で経時的な変化を評価することで骨肉腫のマーカーとして用いられることもあります。
誘導酵素であり薬剤の影響を受けます。
- グルココルチコイドは全身投与だけでなく、耳などへの局所投与によっても血中 ALPを増加させることがあります。
- てんかんの治療に用いられるフェノバルビタールも ALPを容易に増加させます。
- 高Ca 血症の治療などに用いられるビスフォスフォネート製剤は、犬で骨型 ALP の活性を 30 ~ 40%低下させます。
猫では、ALP は肝・胆道系疾患の特異性が高いため、ALP が高値の場合には肝・胆道系疾患を疑い超音波検査などを実施すべきです。
猫ではまた、甲状腺機能亢進症でALPが上昇することがあります。
グルココルチコイドなどの薬剤は、猫では ALPを増加させないようです。
ALP が増加する原因
- グルココルチコイド投与
- フェノバルビタールの投与
- クッシング病
- 急性肝炎
- 慢性肝炎
- 糖尿病
- 胆嚢の粘液水腫
- 若齢
- 骨腫瘍など
- 胆管肝炎
- 肝リピドーシス
- 甲状腺機能亢進症
- 若齢
- 膵炎
- 造血器腫瘍の肝浸潤など
- ALPは誘導酵素なので、異常な高値=重篤な疾患ではない
- 犬ではグルココルチコイドやフェノバール投与で高値となる
- 猫では薬剤で誘導されず肝疾患の指標となる
コラム 犬では ALP の増加は高頻度にみられます。 ALT(GPT) と異なり、ALP の増加は必ずしも肝細胞障害を示すものではないです。 ステロイド剤などの薬剤の投与歴(外用剤を含む)を確認した後、超音波検査により肝臓・胆管系を評価します。 高齢の犬で著しく 高値の場合には、多飲多渇、腹囲膨満などクッシング病の症状にも注意します。 犬では 骨肉腫で上昇するが、ALP 単独では診断的検査として用いることは困難です。 しかし、罹患犬に対して、手術前から経時的に測定していくことで再発などのモニタリングとして利用できる場合があります。 その用途では、骨型 ALP アイソザイムの測定も有用で、電気泳動によるアイソザイム解析を検査機関に依頼します。 猫でも同様な検査は可能ですが、臨床的な有用性は明らかでありません。
γ-グルタミルトランスペプチダーゼ:y-GTP (y-GT. GGT. GGTP) (gamma-glutamyl transpeptidase)
γ-GTP (GGT)は、y-GT、GGT、GGTPとも呼ばれ、リグルタミルペプチドの加水分解やリグルタミル基の転移に関与する酵素です。
ALPと同様に 胆管系疾患の指標に用いられます。
γ-GTP は、犬では膵臓、腎臓に多く含まれ、肝臓にも含まれます。
猫でも膵臓、腎臓に多く含まれ、そのほかに小腸、肝臓にも多く含まれます。
γ-GTPは他のペプチダーゼと同様、分泌や吸収に関連する腎尿細管、毛細胆管、腸絨毛などに存在しています。
犬では肝臓のγ-GTP含有は低く、血中のy-GTP活性も他の動物種に比べて低いです。
検査のときに気をつけること
各検査機関・機器でのy-GTPの参照値を下記に示しました。
年齢や性別での変動は臨床上重要ではありません。
日内変動や食事、運動の影響は臨床的には無視できます。
y-GTP の参照値(単位:IU/L)
検査によってわかること
肝胆管系の検査としてルーチンに測定されています。
犬では種々の肝疾患で上昇することが知られています。
- 犬では ALPよりも肝疾患の検出感度は低いが検査の特異性は高いです。
- ステロイド性肝炎、胆汁うっ滞性の肝障害、肝壊死などで著しく高値になります。
- 犬では ALP に比べ薬剤による誘導を受けにくく、フェノバルビタールなどによる y-GTP の増加はわずかです。
実際の臨床では ALP、ALT など他の検査と同時に測定し、肝障害のスクリーニング検査として使用します。
猫では血中 ALP の活性が低く病理組織学的に肝障害のある猫でもおよそ半分は ALP は正常範囲にあるとされます。
- 一方、肝障害のある猫で y-GTP が正常域にとどまるのは 17%程度です。
- 猫ではy-GTP は肝障害の検出感度が高いため、スクリー ニング検査の項目として重要です。
- 猫で y -GTP が著しく高値になる疾患とし て、肝外胆管閉塞、胆管肝炎、肝硬変が挙げられます。
y-GTP が高度に上昇する疾患・病態
犬
- ステロイド性肝障害
- 胆汁流出障害
- 肝壊死
猫
- 肝外胆管閉塞
- 胆管肝炎
- 肝硬変
ALP、Y-GTP など異常値がみられたときどうするか
肝胆管系の酵素測定は、肝障害のスクリーニング検査として利用されます。
異常値がみられた場合には、X線や超音波検査により肝臓の精査を行う根拠となります。
その他の臨床応用
尿中y-GTP はアミノグリコシド系抗生剤による腎障害の指標として報告されています。
一般に尿細管障害の指標として利用できます。
測定時には同時に尿クレアチニンを評価し尿濃縮による変動を補正します。
参照値には性差があり、
です。
しかし同じ目的の検査としては尿中 NAG の測定が一般的です。
- 犬ではy-GTPは特異性が高い検査です。
- 猫ではy-GTP は感度が高く疾患を見つけるスクリーニング検査として用いられます。
肝臓の検査 まとめ
肝疾患の検査は犬や猫の診療の現場で広く行われています。
肝臓の検査では、実施する検査を、
- 肝疾患の存在を示唆する検査
- 肝障害(現在進行形)の程度を示す検査
- 肝機能を評価する検査
に区別して考えるとわかりやすいです。
肝疾患の可能性を示唆する検査
ALP、Y-GTP
これらは誘導酵素です。
肝疾患と関連して上昇することが多いですが、肝細胞から酵素が “逸脱”するわけではないので肝障害の程度を反映しているわけではありません。
薬剤や肝以外の疾患によっても“誘導”されて増加することがあります。
肝障害の程度を評価する検査
ALT (GPT)、 AST (GOT)
“逸脱”酵素と呼ばれるもので、肝細胞が障害を受けると細胞から“逸脱”して血中の 酵素活性が高くなります。
酵素活性の上昇は、現在進行形で肝細胞が障害を受けていることを意味します。
数値が高いほど障害の程度も重度です。
肝機能の代表的な指標
胆汁酸、アンモニア、インドシアニングリーン (ICG)排泄試験
汎用される ALT、AST は現在進行形で肝障害が起きているかどうかを評価する検査です。
そのため、すでにほとんどの肝細胞が障害を受けている場合には、ALT や AST が 正常値でも肝機能が低下していることがあります。
肝機能低下が疑われる場合には胆汁酸やアンモニアなどを用いて肝機能を評価する必要があります。
胆汁酸やアンモニアなどは種々の要因によって変動するため、定量的な評価には限界があります。
その他の指標
肝臓に特異的な検査指標以外にも、総蛋白、アルブミン、ビリルビンなど一般的なスクリーニング検査で異常値がみられた場合に肝疾患を疑うことがあります。
重度の肝障害では凝固系検査に異常値がみられることがある。
- 誘導酵素(ALP、Y-GTP) 肝疾患存在を示唆することがある。
- 肝障害の指標(ALT、AST) 肝臓が現在どれくらい障害を受けているか評価する。
- 肝機能検査(総胆汁酸、アンモニア) 現在の肝臓機能を評価する。
- その他の指標(総蛋白、アルブミン、ビリルビン、凝固系検査) 肝臓に特異的な指標ではないが、異常値が みられた場合には肝疾患の存在を考慮する。
肝臓の血液検査〜肝臓の値編〜(アンモニア:NH3、総胆汁酸:TBA、ビリルビン:T-bil)
肝臓のその他の値について知りたい方はこちらの記事もどうぞ
獣医師解説!肝臓の値が悪い?犬と猫の血液検査を徹底解説!〜肝臓の値編〜(アンモニア:NH3、総胆汁酸:TBA、ビリルビン:T-bil)
調子が悪いので、動物病院で血液検査をしたら肝臓の値が悪いと言われた・・・健康診断をしたら、肝臓の値が悪いので、ウルソデオキシコールやスパカール、肝臓サポートなどの栄養食を勧められた・・・...
肝臓の食事療法
肝臓用の食事について知りたい方はこちらの記事もどうぞ
獣医師解説!犬と猫の肝臓病にオススメのフード
犬と猫の肝臓病は非常に多く、病院で食事、フードの変更を勧められることは多いと思います。肝臓病、肝臓の数値が高い時のフードの選択に悩まれている飼い主は多いと思います。肝臓病に一番オススメのフードを獣医師が解説します。犬と猫の肝臓病、肝臓の数値が高い時のフードの選び方についてその理由をアカデミックな面からまとめました。
肝臓の薬:ウルソ
胆汁酸製剤ウルソのジェネリック薬品です。
胆汁の流れを良くし肝臓の細胞を守ります。主に胆石・肝臓病の治療に用いられています。
1箱100錠
別名
ウルソデオキシコール(全星薬品、全星薬品工業、高田製薬、日医工、沢井製薬、辰巳化学、日本ジェネリック、武田薬品工業、武田テバファーマ、東和薬品)、ウルソ(田辺三菱製薬)
ジェネリックウルソは、有効成分のウルソデオキシコール酸を含有する犬・猫用の肝機能改善薬です。
犬・猫の胆汁性肝硬変、胆汁うっ滞性肝疾患、慢性肝疾患などの治療に用いられます。
ジェネリックウルソは、胆汁の流れを良くする薬です。
ジェネリックウルソに含有されている有効成分のウルソデオキシコール酸は、胆汁の分泌を促すことで、胆汁のうっ滞を改善し、肝臓の炎症を抑えて、肝臓の機能を改善します。
また、膵液の分泌を促すことで、消化吸収を良くして、消化不良を改善します。
使用方法
犬・猫に対して、1kgあたりウルソデオキシコール酸として、10~15mgを1日1回、経口投与してください。
肝疾患を患っている場合は、1kgあたり15mgが推奨されます。