体調が悪く、動物病院でカルシウムの値が高値のため、ホルモンの検査をしましょうと言われた・・・
健康診断をしたら、カルシウムが高値で、上皮小体に異常があるか、腫瘍かもしれないと言われた・・・
本記事では腫瘍の際に現れるカルシウムの高値の時に検査をする上皮小体ホルモン検査についてお話しします。
- 様子、経過を見てくださいと言われたけど心配...
- 検査してくれなかった...
- 病院ではよくわからなかった...
- 病院では質問しづらかった...
- 混乱してうまく理解できなかった...
- もっと詳しく知りたい!
- 家ではどういったことに気をつけたらいいの?
- 治療しているけど治らない
- 予防できるの?
- 麻酔をかけなくて治療できるの?
- 高齢だから治療ができないと言われた
もしくは、病院に連れて行けなくてネットで調べていた という事でこの記事に辿りついたのではないでしょうか?
ネット上にも様々な情報が溢れていますが、そのほとんどが科学的根拠やエビデンス、論文の裏付けが乏しかったり、情報が古かったりします。 中には無駄に不安を煽るような内容も多く含まれます。
ネット記事の内容を鵜呑みにするのではなく、 情報のソースや科学的根拠はあるか?記事を書いている人は信用できるか?など、 その情報が正しいかどうか、信用するに値するかどうか判断することが大切です。 例えば...
- 人に移るの?
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- 治療してしっかり治る?
これを読んでいるあなたもこんな悩みを持っているのでは?
結論から言うと、カルシウムの値が高値の場合は、上皮小体に関連するするホルモン検査(PTH,PTHrP)を行うことが多いです。
しかし、犬や猫の高Ca血症の原因としては、腫瘍からのPTH 関連ペプチド(PTH-rP)の分泌、上皮小体腺腫などによるPTHの増加、ビタミンDの過剰症、腎不全、アジソン病などが考えられます。
この記事は、愛犬や愛猫のカルシウムの値が高値で、腫瘍を疑われ、上皮小体のホルモン検査が必要と病院で言われた飼い主向けです。
この記事を読めば、愛犬や愛猫の上皮小体ホルモン(PTH)、上皮小体ホルモン関連ペプチド(PTH-rP)の重要性がわかります。
限りなく網羅的にまとめましたので、ご自宅の愛犬や愛猫の上皮小体ホルモン(PTH)、上皮小体ホルモン関連ペプチド(PTH-rP)について詳しく知りたい飼い主は、是非ご覧ください。
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通話:現役獣医による犬・猫の病気・治療相談のります 日本獣医麻酔外科学会で受賞した獣医による相談受付:画像に証拠
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✔︎本記事の信憑性
この記事を書いている私は、大学病院、専門病院、一般病院での勤務経験があり、 論文発表や学会での表彰経験もあります。
今は海外で獣医の勉強をしながら、ボーダーコリー2頭と生活をしています。
臨床獣医師、研究者、犬の飼い主という3つの観点から科学的根拠に基づく正しい情報を発信中!
記事の信頼性担保につながりますので、じっくりご覧いただけますと幸いですm(_ _)m
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✔︎本記事の内容
この記事の目次
上皮小体ホルモン、副甲状腺ホルモン (PTH : parathyroid hormone)
PTH は上皮小体から分泌されるペプチドホルモンです。
PTHは血中のCa濃度の調整に重要な役割を果たしており、血中のCa濃度によるネガティブフィードバックを受けています。
検査のときに気をつけること
食事による Ca の変動を避けるため、空腹時の測定が望ましいです。
PTHの参照
検査によってわかること
犬や猫の高Ca血症の原因としては、腫瘍からのPTH 関連ペプチド(PTH-rP)の分泌、上皮小体腺腫などによるPTHの増加、ビタミンDの過剰症、腎不全、アジソン病などが考えられます。
犬では、リンパ腫やアポクリン腺癌などの腫瘍が原因で高 Ca 血症となることが多いです。
これらの腫瘍が原因の高Ca血症の場合、PTH-rPが増加します。
PTHとPTH-rPは分子として異なるので、混同しやすいです。
血中PTHは 血中Ca濃度とともに評価します。
Ca濃度が高い場合には、フィードバック機構によりPTHは低値になるはずです。
Ca濃度が高値にもかかわらず PTH が正常範囲にある場合には、上皮小体腺腫などの可能性があります。
獣医師解説!犬と猫の低Ca 血症(副甲状腺:上皮小体機能低下症)〜原因、症状、治療法〜
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- PTH の測定方法は検査機関により異なる。
- 高Ca血症の際には PTHとPTH-TP を測定する。
- PTH は血中Ca のフィードバックの影響を考慮して結果を評価する
PTH-rP は PTH とは別の分子です。
しかし、N末のアミノ酸配列がPTH に類似するため同様の作用をもちます。
そのため、血中のPTH-TP 濃度が上昇すると血中Ca濃度が上昇します。
リンパ腫やアポクリン腺癌などの腫瘍から産生されることが多いです。
検査のときに気をつけること
正常な場合には検出限界未満、または低値であることが多いです。
高Ca血症の程度と相関して PTH-rP 濃度は上昇します。
PTH-rP の参照値(単位:pmol/L)
検査によってわかること
犬や猫の高Ca血症の原因としては、腫瘍から分泌されるPTH-rP が原因となっていることが多いです。
高Ca血症の原因を特定するために PTH-TP を測定します。
高Ca血症を誘発する腫瘍としては、犬・猫ともにリンパ腫が最も多く、次いで犬のアポクリン腺癌でも多いです。
猫では肺癌などでも上昇がみられます。
また、その他の腫瘍でもPTH-TP の分泌がみられます。
リンパ腫では、体表リンパ節の腫脹がみられずに高 Ca 血症がみられる場合も多く報告されています。
予想外の高Ca血症がみられた場合には、PTH-rP を測定すると同時に、触診や画像診断などにより腫瘍の存在を検索します。
化学療法や外科的な治療に伴い血中PTH-rPが低下すると高Ca血症も改善します。
異常値がみられたときどうするか
腫瘍があり、高Ca血症の場合にはその腫瘍が PTH-rPを産生していることを疑います。
明らかな腫瘍が検出されていない場合でも、PTH-TPが高値で高Ca血症ならば腫瘍を強く疑います。
- 動物の高Ca血症の原因は腫瘍であることが多い
- PTH-TP の測定は高Ca血症の鑑別に有効である。
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