獣医師解説!犬や猫の体の力が急に抜けた!倒れた!脱力、虚脱とは〜症状、原因、対処法、病気、治療方法〜

最近、犬や猫の体の力が急に抜けた!倒れた!・・・

脱力、虚脱ってなんだろう・・・

本記事では、体の力が急に抜けた!倒れた!脱力、虚脱についてお話しします。

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例えば...

  • 人に移るの?
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結論から言うと、虚脱が認められる動物の診断においては、発作、失神、ナルコレプシー/カタプレキシーのいずれなのかを判断する必要があります。

この記事は、愛犬や愛猫の体の力が急に抜けた!倒れた!脱力、虚脱が起こった飼い主向けです。

この記事を読めば、愛犬や愛猫の体の力が急に抜けた!倒れた!脱力、虚脱の原因、治療法がわかります。

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✔︎本記事の信憑性

この記事を書いている私は、大学病院、専門病院、一般病院での勤務経験があり、 論文発表や学会での表彰経験もあります。

今は海外で獣医の勉強をしながら、ボーダーコリー2頭と生活をしています。

臨床獣医師、研究者、犬の飼い主という3つの観点から科学的根拠に基づく正しい情報を発信中!

記事の信頼性担保につながりますので、じっくりご覧いただけますと幸いですm(_ _)m

» 参考:管理人の獣医師のプロフィール【出身大学〜現在、受賞歴など】や詳しい実績はこちら!

✔︎本記事の内容

犬や猫の体の力が急に抜けた!倒れた!脱力、虚脱とは〜症状、原因、対処法、病気、治療方法〜

犬や猫の体の力が急に抜けた!脱力、虚脱とは

犬や猫の体の力が急に抜けた!脱力、虚脱とは

意識消失を伴うかまたは伴わず、急性に発症する脱力現象で、通常は間欠的に生じる非致死的な出来事として認められます。

この状態の動物は、一般的には横臥または伏臥姿勢を示します。

虚脱は、主要な区分として発作、失神、ナルコレプシー/カタプレキシーに分類されます。

犬や猫の体の力が急に抜けた!脱力、虚脱の分類と問題点

犬や猫の体の力が急に抜けた!脱力、虚脱の分類と問題点

発作は、不随意で発作性の脳機能障害であり、通常は意識消失を伴う無制御状態の筋活動として認められます。

失神とは、脳への不十分な酸素供給に起因する突然の意識消失と筋緊張の低下です。

この現象は、一時的なものであり、前駆症状を伴わずにはじまり、短時間で回復し、通常はその後に残存性神経障害が認められることはないです。

ナルコレプシー/カタプレキシーとは、突然の脱力を引き起こす睡眠および覚醒の制御障害であり、日常の身体活動に関連して認められることがあります。

ナルコレプシーは、夜間の睡眠パターンの変調を伴う日中の過度の眠気を引き起こす疾患です。

カタプレキシーは、意識消失を伴わない突然の筋緊張の消失であり、しばしば摂食や遊びといった興奮状態が引き金となって生じます。

この疾患の動物は、突然に地面に崩れ落ちるが、触ったり、呼びかけたりすれば速やかに正常に戻ります。

犬や猫の体の力が急に抜けた!脱力、虚脱の原因、なぜ起こる?理由

犬や猫の体の力が急に抜けた!脱力、虚脱の病理発生

失神は、脳血流量の一時的な減少や、ブドウ糖および酸素といった脳のエネルギー基質の供給不足のために引き起こされます。

脳の血流は平均動脈圧によって維持され、この動脈圧は心拍出量と全身血管抵抗によって決まります。

また、脳の血流状態には頭蓋内圧も影響を及ぼします。

このため、失神を引き起こす可能性がある原因は、心不整脈、心臓および肺の構造的異常、頭蓋内圧の上昇、代謝性疾患です。

徐脈性不整脈や頻脈性不整脈は、心拍出量の著しい低下によって失神を引き起こすことがあります。

  • 徐脈性不整脈では、電気的活動の中断によって心拍出量が減少します。
  • 頻脈性不整脈では、心拍数が約300回/分以上に増加すると拡張期の心室充満が不十分となり、心拍出量の低下が生じます。

このような不整脈には、高度房室ブロック、心房細動、洞不全症候群、重度の洞性徐脈、心室早期興奮、上室性頻拍があります。

不整脈を発現する可能性がある疾患には、

  • 洞結節疾患
  • 房室結節疾患
  • 拡張型心筋症
  • 催不整脈性右室異形成
  • 肥大型心筋症
  • 拘束型心筋症
  • 慢性変性性弁膜疾患
  • 心腫瘍
  • 様々な疾患による電解質異常
  • 敗血症
  • 心筋炎
  • ジギタリスなどの中毒

があります。

神経調節性失神

また、神経調節性失神と呼ばれる現象が、徐脈を伴うかまたは伴わないで反射性血管拡張によって低血圧が誘起され発現します。

神経調節性失神の正確な機序は完全には解明されていませんが、様々な出来事が引き金となって末梢神経や受容体が刺激されるためであるとされています。

神経調節性失神には、頸動脈洞性失神、状況性失神、舌咽神経痛性失神があります。

頸動脈洞性失神

頸動脈洞性失神は、圧受容器反射が亢進した状態の頸動脈洞を圧迫またはマッサージした場合に認められます。

状況性失神

状況性失神は、発咳、嘔吐、くしゃみ、排尿、排便、嚥下、内臓痛によって迷走神経が刺激されて引き起こされます。

舌咽神経痛性失神

舌咽神経痛性失神は、舌咽神経痛によって生じる圧受容器刺激が引き金となる反射性失神です。

心疾患性失神

この文章は消さないでください。
心臓および肺の構造的異常では、心拍出量を増加させる心臓の予備能力が身体の要求に応えられなくなった場合に失神が生じます。

このような疾患には、

  • 大動脈弁狭窄症
  • 肺動脈弁狭窄症
  • ファロー四徴症
  • 心房中隔欠損症

といった先天性疾患

  • 肥大型心筋症
  • 拡張型心筋症
  • 心腫瘍
  • 心膜疾患
  • 肺塞栓症
  • 肺高血圧

といった後天性疾患があります。

失神は定義上一時的な現象であることから、心不全自体は失神の原因とはみなされていません。

頭蓋内圧性失神

この文章は消さないでください。
頭蓋内圧が上昇すると、脳血管抵抗が高くなり脳血流量が減少して失神することがあります。

頭蓋内圧の上昇を引き起こす原因には、

  • 脳炎
  • 髄膜炎
  • 腫瘤性病変(腫瘍、肉芽腫、膿瘍)
  • 水頭症
  • 血管性疾患(出血、梗塞)
  • 外傷
  • 高血圧

など様々な疾患があります。

代謝性疾患によっては、脳がエネルギー基質の供給不足に陥り失神が起こることがあります。

このような代謝性疾患には、

  • 低血糖
  • 低酸素症
  • 貧血

を引き起こす様々な病態が含まれています。

ナルコレプシー/カタプレキシーの病理発生は、十分解明されていません。

最近の研究では、いくつかの視床下部神経ペプチド(ヒポクレチン類)の欠乏やその受容体の欠損がこの睡眠障害の発現に重要な役割を果たしている可能性が示唆されています。

犬や猫の体の力が急に抜けた!脱力、虚脱の対症療法

犬や猫の体の力が急に抜けた!脱力、虚脱の対症療法

発作には、抗てんかん薬を投与します。

失神の治療法は原因によって様々ですが、不整脈に対しては適切な抗不整脈薬の投与やペースメーカーの設置が必要になります。

ナルコレプシー/カタプレキシーに対しては、イミプラミンおよびクロミプラミンといった三環系抗うつ薬、モダフィニル、メチルフェニデート、ペモリンなどの薬剤を使用します。

犬や猫の体の力が急に抜けた!脱力、虚脱の診断の進め方

犬や猫の体の力が急に抜けた!脱力、虚脱の診断の進め方

この文章は消さないでください。
虚脱が認められる動物の診断においては、発作、失神、ナルコレプシー/カタプレキシーのいずれなのかを判断する必要がある。

虚脱の診断には、

  • 症例の個体情報および病歴の聴取
  • 身体検査および神経学的検査
  • 眼底検査
  • 血液および生化学検査
  • 尿検査

を実施し、必要に応じて

  • 心電図検査
  • X線検査(頭部、胸部、腹部)
  • 心臓の超音波検査
  • 血圧測定
  • 血液ガス分析
  • 脳脊髄液検査
  • CT検査
  • MRI検査

などを選択します。

病歴の聴取では、虚脱の前兆、虚脱の引き金となる出来事、虚脱時の状態、意識消失の有無、持続時間、虚脱後の状態について確認します。

発作では、発症前に隠れ場所を探すなど不安を示す行動が前兆として認められることがあります。

発作の直前には流涎が認められることがあり、
発作時には通常は強直間代性筋運動や歯をガチガチ鳴らす行動が認められ、
便および尿の失禁も観察されることがあります。

 

一般的には、動物は発作時に意識は消失し、呼びかけに反応することはないです。

発作後には、数時間に及ぶこともある錯乱、視覚消失、運動失調、局所性神経徴候が認められることがあります。

失神には、発作のような前兆は認められません。

運動、興奮、驚愕、発咳、嘔吐、排便、排尿といった引き金となる出来事が失神前に存在することがあります。

失神状態の動物では、多くの場合には筋肉が弛緩しています。

  • 重度の不整脈による低酸素性痙攣性失神では便や尿の失禁、四肢の伸展硬直、後弓反張が認められることがあります。
  • 失神時には、動物は意識を失っています。
  • 失神の持続時間はほんの数秒間であり、発作の持続時間は通常はもっと長いです。
  • 失神後には、動物は速やかに回復し、発作後期に観察されるような残存性神経障害は認められないです。

 

ナルコレプシー/カタプレキシーでは、摂食や遊びといった感情刺激が引き金となって筋緊張の消失が認められます。

この虚脱状態は数秒から数分間続くことがありますが、意識の消失を伴わないため、
触ったり、呼びかけたりすれば速やかに正常に戻ります。

この疾患では、虚脱時に流涎、排尿、排便といった自律神経徴候は認められないです。

  • 身体検査および神経学的検査では、心血管系および神経系に特に注意を払いながら全身を評価します。
  • 胸部の聴診では、不整脈、心雑音、脈拍異常や脈拍欠損の有無を慎重に確認します。

心電図検査は不整脈を評価するのに必須の検査ですが、通常の心電図検査だけでは検出が困難な不整脈もあります。

このような場合には、ホルター心電計や院内でのテレメーターによる長時間の記録が役立つことがあります。

後天性ナルコレプシー/カタプレキシーの犬では脳脊髄液中のヒポクレチン1濃度の低下が認められることがあるため、
この疾患が疑われる動物の脳脊髄液検査では、ヒポクレチン1濃度の測定も行います。

犬や猫の体の力が急に抜けた!脱力、虚脱の特徴

犬や猫の体の力が急に抜けた!脱力、虚脱の特徴

若齢の犬と猫には、発作の原因として頭部外傷、中毒性脳症、様々な疾患による髄膜脳炎が認めれらることが多いです。

また、若齢の犬では、特発性てんかん肝性脳症もよく認められます。

水頭症低血糖は、若齢の小型犬に多いです。

脳腫瘍は、一般的に中年齢から老齢の動物に認められます。

失神の原因となる不整脈を引き起こす疾患のうち、先天性心疾患の多くは若齢時に発見されます。

  • 拡張型心筋症は、一般的に老齢の大型犬に認められます。
  • 慢性変性性弁膜疾患に伴う不整脈は、老齢の小型犬に多く認められます。

洞不全症候群は、老齢のミニチュア・シュナウザー、アメリカン・コッカー・スパニエル、ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアによく認められます。

上部気道閉塞による低酸素症性失神は、短頭種犬に認められることが多いです。

  • ドーベルマンとラブラドール・レトリーバーでは、ナルコレプシー/カタプレキシーの常染色体劣性遺伝が実証されています。
  • この疾患は猫では稀です。

犬や猫の体の力が急に抜けた!脱力、虚脱でよくある病気

犬や猫の体の力が急に抜けた!脱力、虚脱でよくある病気

◎失神を引き起こす主要な疾患

心不整脈
  • 高度房室ブロック
  • 心房細動
  • 洞不全症候群
  • 拘束型心筋症
  • 重度の洞性徐脈
  • 心室早期興奮
  • 上室性頻拍
  • 慢性変性性弁膜疾患
  • 心室性頻拍といった不整脈を発現する可能性がある洞結節疾患
  • 心腫瘍
  • 房室結節疾患
  • 拡張型心筋症
  • 催不整脈性右室異形成
  • 肥大型心筋症
  • 様々な疾患による電解質異常
  • 敗血症
  • 心筋炎
  • ジギタリスなどの中毒
  • β遮断薬やカルシウム拮抗薬の投与
心臓および肺の構造的異常
  • 大動脈弁狭窄症
  • 肺動脈弁狭窄症
  • ファロー四徴症
  • 心室中隔欠損症
  • 肥大型心筋症
  • 拡張型心筋症
  • 心腫瘍
  • 心膜疾患
  • 肺塞栓症
  • 肺高血圧
頭蓋内圧の上昇
  • 脳炎
  • 髄膜炎
  • 腫瘤性病変(腫瘍、肉芽腫、膿瘍)
  • 水頭症
  • 血管性疾患(出血、梗塞)
  • 外傷
  • 高血圧の原因となる様々な疾患
代謝性疾患
  • 低血糖
  • 低酸素症
  • 貧血を引き起こす様々な疾患

犬や猫の体の力が急に抜けた!脱力、虚脱のまとめ

まとめ
  • 虚脱は、発作、失神、ナルコレプシー/カタプレキシーに分類されます。
  • 失神は、脳血流量の一時的な減少や、ブドウ糖および酸素といった脳のエネルギー基質の供給不足に起因する突然の意識消失と筋緊張の低下です。
  • ナルコレプシーは、夜間の睡眠パターンの変調を伴う日中の過度の眠気を引き起こす疾患です。
  • カタプレキシーは、意識消失を伴わない突然の脱力であり、しばしば摂食や遊びといった興奮状態が引き金となって生じます。

 

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no life no dogs & catsをモットーに、現役獣医師が、科学的根拠に基づいた犬と猫の病気に対する正しい知識を発信していきます。国立大学獣医学科卒業→東京大学附属動物医療センター外科研修医→都内の神経、整形外科専門病院→予防医療専門の一次病院→地域の中核1.5次病院で外科主任→海外で勤務。

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