犬の赤ちゃん:生まれてから生後1ヶ月・4週間以内の子犬の呼吸!獣医師解説

    犬を妊娠させたい。

    自分の犬を一度出産させてみたい。

    交尾や人工授精をしたけど妊娠しているか不安。

    妊娠しているけど順調に育っているか不安。

    • 妊娠しているけどいつごろ出産するか知りたい。
    • 出産の準備ってあるの?
    • 妊娠期間は?
    • 子供数や大きさ、出産に関わる時間は?

    妊娠はしたものの、出産について不安に思われている方は多いと思います。

    本記事はそのような、犬の妊娠、出産、赤ちゃんについて解説します。

    犬の赤ちゃん:生まれてから生後1ヶ月・4週間以内の子犬の呼吸!獣医師解説

    子犬の肺機能・呼吸器系の発達

    胎子の血液と母犬の血液との間のガス交換は、分娩の時点まで胎盤における拡散によって行われます。

    胎子への十分な酸素供給は、胎子の成長と発育の基盤です。

    この文章は消さないでください。
    分娩開始とともに、陣痛の進行によって子宮筋層における子宮、胎盤血流が減少し、局部的虚血期が形成されます。

    子宮内循環における血行動態の変化によって母体と胎盤が分離されます。

    確かなことは、子犬が軟部産道の膣領域に入ってくる時には、胎盤はすでに分離しているという事実です。

    この時点以降、母体からの酸素供給が終了していることは明らかであり、この点では胎子任せにされているといえます。

    分娩中の胎子心拍数が毎分180~200から毎分150以下へ低下した場合、酸素供給の不足は危険領域に達しており、
    臨床的な問題となります。

    すなわち、すでに減少していた分娩中の酸素供給がついに完全に絶たれ、危機に瀕します。

    すべての新生子は軽度の低酸素・高炭酸症と若干低下した酸塩基平衡(アシドーシス)を伴って生まれてきます。

    これは、呼吸中枢への刺激を誘発し、最初の呼吸へと誘導します。

    犬の赤ちゃんが生まれてからの呼吸

    最初の呼吸は口で行われ、開口呼吸と呼ばれます。

    出生直後から規則的な呼吸機能が発揮されるまでには、以下の条件が前提となr。

    • 延髄にある呼吸中枢が正常であること
    • 肺の成熱
    • 肺表面活性物質の十分な供給
    • 空気の出入りする流通経路が開通していること
    • 横隔膜と胸部が健常であること

    胎子が母犬の骨盤と膣を通過するのに伴い、胸部は圧迫され、肺胞に存在していた液体の一部が押し出され、外部へ吐き出されます。

    液体の残りの部分は、吸収され、リンパ管および毛細血管経由で処理されます。

    陰門に子犬の頭が現れると、まだ無傷の羊膜の下で鼻唇部が動き、鼻孔が拡大するのを観察することができます。

    このことから、新生子は最終的に完全に娩出される前にすでに呼吸活動を始めていると考えられます。

    胎盤の分離の結果、不十分になった母体とのガス交換は、分娩中、このようにして補われます。

    このことはまた、母犬が、早い場合は分娩の最中、遅くとも分娩の直後に頭部を覆う羊膜を破ろうとし、

    空気が入るようにする理由を示しています。

    鼻唇部の羊膜を適切なタイミングで取り除いてやらないと、新生子は羊膜のなかで窒息してしまいます。

    最初の呼吸は刺激を経て行われます。

    この刺激には、

    • 寒さや光
    • 接触
    • 羊膜および尿膜による圧迫の消失

    など、外部要因も含まれます。

    さらに低酸素症・高炭酸症・アシドーシス状態など、分娩中に生じる内因性刺激が加わります。

    最初の呼吸は胸部を拡張し、肺胞を膨張させ、ついで規則的な吸気と呼気をもたらします。

     

    犬の新生子の特徴は、最初の吸気の流入後、肺が比較的長く吸気体制を維持できることです。

    • これは20秒まで継続する無呼吸状態をもたらします。
    • 明らかに、この長い吸気期のために、呼気の前に長く集中的なガス交換を行うことが可能になっています。
    空気の導入路が開通していれば、その後すぐに空気は鼻から取り入れられ、口は閉じられたままになります。

    それ以上長く続く開口呼吸は、以下の徴候です。

    • 気道の遮断(気管の閉塞、気管支の粘液うっ滞)
    • 肺胞の羊水充満、または肺胞の虚脱(早産によるサーファクタント不足)
    • 呼吸中枢への刺激の不足(延髄の機能異常、脳内出血、酸素欠乏による脳細胞の変性)

    犬の赤ちゃん、子犬の最初の呼吸

    子犬の最初の呼吸は不規則で、比較的浅いです。

    繰り返し無呼吸期によって中断されます。

    しばらく(約2分)たって初めて規則的で、深い呼吸を特徴とする肺の活動に至り、肺容量のリズミカルな拡張と収縮が始まります。

    合併症を伴う分娩で生まれた新生子の場合、より長い無呼吸期が観察されることがあります。

    こういった分娩により損傷を受けた子犬の場合、規則な肺機能の継続時間は10~40分であり、

    治療的処置により規則的な吸気・呼気を始めます。

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    no dogs & cats no lifeをモットーに、現役獣医師が、科学的根拠に基づいた犬と猫の病気に対する正しい知識を発信していきます。国立大学獣医学科卒業→東京大学附属動物医療センター外科研修医→都内の神経、整形外科専門病院→予防医療専門の一次病院→地域の中核1.5次病院で外科主任→海外で勤務。

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