【獣医師解説】犬の赤ちゃん・子犬の健康診断:全身検査、局部検査、神経学的検査、臨床検査

犬の赤ちゃん・子犬の健康診断:全身検査、局部検査、神経学的検査、臨床検査

 

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新生子は生理学的に未成熟で小さいため、4週齢までは特に、検査の方法および所見の解釈に特殊性があります。

子犬が大きくなるにつれて、成犬の診断法との違いは小さくなります。

そのため、4週齢までの新生子の検査に重点をおきます。

個々の子犬は、常に同腹子との関連において観察しなければなりません。

多くの発達障害は比較によってのみ判定されます。

また、1頭の子犬のみの疾病なのか、同腹子全体の疾病なのか、という事実からも病因の手がかりが得られます。

基本的には、環境に起因する障害の場合にも、同じことが多くの子犬に当てはまります。

その上、診断によってある疾病がただ1頭にのみ判明したとしても、兄弟犬たちがまだ前駆症状段階にあるということもありえます。

後者は徹底的な検査によってしか明らかになりません。

さらに、検査には母犬も加えるべきです。

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なぜなら、母犬は子犬の重要な感染源であり、また、子犬の世話が不十分な場合、それも多くの障害の原因となるからです。

生後2週間は特に、母犬と子犬は常に一体として診断します。

この際、子宮の修復と授乳に支障がないかどうか、特に注意します。

このふたつは新生子の重篤な疾病をきわめて急速に招く場合があります。

理想的なのは往診です。

なぜなら、飼育状態や子犬のケアの状況や、同腹子全体の様子などを、

動物病院までの移動によって妨げられることなく、評価できるからです。

病犬の最初の検査は、必ずすべての同腹の子犬と母犬を対象に行うべきです。

子犬に人工乳を与えている場合は、飼い主に哺乳瓶とそのミルクを持参するよう依頼し、

給餌が衛生的であるか、量が適切であるかを判断します。

検査は、全身検査、局部検査および神経学的検査を実施します。

必要に応じてサンプル採取や画像診断を行います。

 

子犬の活力に直接影響する母犬の疾病

母犬の疾病
子犬の疾病
関係
乳房炎 ミルク中毒症候群 細菌および毒素が母乳経由で子犬に取り込まれる
乳うっ滞 低体温・低血糖症候群 授乳の際の痛みのため子犬に母乳を十分に飲ませていない
泌乳不足 低体温・低血糖症候群 母乳量が不十分なため子犬が栄養不足になる
産後不全、悪露停滞 ミルク中毒症候群 分娩母犬の細菌感染は母乳毒性をもたらす場合がある
全身疾患 低体温・低血糖症候群 母犬の全身的な健康障害や栄養不足は、母乳量不足を招き、子犬の栄養不足を生じさせる
衰弱状態 急性腹症(仙痛) 母犬の全身的な衰弱は、子犬への世話行動の不足を招き、結果的に子犬の糞尿排泄のための刺激が不足する。

 

病歴

病歴は常に症例ごとに異なるため、ここでは一般的指針を提示します。

どのような症例でも一通りの基本情報を聴取し、記録します。

子犬の体重の変化を記録します。

 

子犬の病歴の基本情報

犬種
生年月日
性別
特徴。場合によっては印をつける。
受診理由

●症状は?

●いつから?

●複数の犬が同様の症状か?

●前もってなにか処置したか?

母犬の交配月日

妊娠期間

母犬の疾病

●妊娠期間中

●分娩中

●分娩後

母犬の予防接種と寄生虫駆除

●種類は?

●いつ?

分娩の開始と分娩所要時間
過去の分娩の経過
分娩状況

●総産子数

●生存子数

●死産子数

●出生後死亡した頭数

●いつ?

●どのような症状で?

過去の分娩における分娩状況および子犬の生死
過去の産褥経過
飼育

●熱源の種類

●室温

●お産箱の種類

給餌

●何を?

●どのくらいの頻度で?

●いつから?

 

全身検査

同腹の子犬全体の評価

ここでは特に以下の点に重点をおきます。

  • 母犬による世話行動
  • 同腹子間での身体的発育の均等性
  • 子犬の落ち着きとバランス
  • 子犬の横臥姿勢と居場所
  • 子犬の清潔さとお産箱
  • お産箱の熱源と温度

 

検査は常にまず母犬と子犬たちとの交流の観察から始めます。

子犬の器官系は生後2~3週間の間にようやく完成するので、母犬はエネルギー源および熱源としての重要な役割を持っています。

子犬はまだ自分では排尿と排便ができないため母犬が子犬の腹部を規則的に舐めることによって、これを促します。

検査において母犬の子犬への関心の不足が観察された場合、すでにこの点に疾病の原因が疑われます。

お産箱は清潔の状態が保たれるのが普通です。

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子犬の糞尿による汚れは、母犬による世話の不足を示唆しています。
  • 健康な子犬は母犬のそばに均等に横たわります。
  • 健康な子犬は1日の90%を眠って過ごします。

子犬がバラバラになって母犬や外部の熱源から離れている場合、それは環境の温度が高すぎることに起因します。

温度が低すぎる場合には、子犬たちは密集して体温の低下を避けようとし、互いに重なり合うような状態になる。

子犬は、寝起き後はなるべくすばやく母犬の乳房へ向かいます、その際に各子犬がそれぞれひとつの乳頭にたどりつきます。

多くの場合、母犬は授乳中に子犬たちを低めます。

特に小さい子犬や、授乳の際に押しのけられてしまったり乳頭にたどりつけなかったりするような
「アウトサイダー」的な子犬が目につく場合、疾病が明白でなくても、詳しく検査します。

 

 

個別の子犬の検査

個別の子犬の検査は、心機能/心拍数、呼吸機能/呼吸数、および体温の測定から始めます。

次に体重測定と成長過程の評価を行います。

臨床的な全身検査はなるべく速やかに行います。

新生子にとって慣れていない扱いはしばしばストレスであり、臨床的な基礎データが狂ってしまう可能性があります。

この理由から、生体パラメーターの計測は、広範な触診を伴う局部検査の前に行います。

新生子の基準値は、成犬の参照値とは大きく異なっており、発育に応じて変化します。

そのため生理的データの固定的な評価は不可能であり、測定されたデータの評価は、
常に子犬の週齢と関連づけて行います。

 

 

心機能の評価
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心臓の聴診には小児科専用の拡声聴診器が必要です。

 

病犬が小さいため、成犬の場合のような解剖学的構造についての聴診所見の正確な分類は不可能です。

聴診は胸郭の両側から、少なくとも2分間以上行います。

その際、子犬が柔らかな敷物の上に寝かされていれば、基本的に嫌がることはないです。

聴診と並行して、大腿動脈の脈拍を数えます。

脈が少ないようであれば病気です。

幼犬の脈拍数は非常に多いため(1分間に180~220)、正確に数えるのは不可能です。

重要なのは、その強度、リズム、心雑音を把握することです。

子犬の心音ははっきりと聴診可能であり、リズミカルです。

犬特有の不整脈は2ヵ月齢になってようやく現れます。

  • 特定の心雑音は先天異常を意味します。
  • 心収縮と心拡張の間に生じる心雑音は、動脈管開存症に典型的なものです。

1週齢までは、病的な解剖学的構造が存在しない場合でも、一時的に心雑音が確認されることがあります。

さらに、聴診時の異常音は脱水や貧血との関係によっても生じます。

心疾患の疑いがある場合のさらなる診断法の選択は心エコー検査です。

徐脈と不整脈は病気です。

  • 徐脈がある場合、低体温に起因する可能性があります。
  • 体温が35℃以下になると脈拍数は急速に低下します。

 

呼吸機能の評価
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呼吸数は2週齢では1分間あたり1535回です。

呼吸数は胸部の動きを見て数えることができます。

鼻の泡は、羊水吸飲に起因するものである可能性があるので注意します。

色素のない粘膜はピンク色です。

チアノーゼの粘膜は呼吸不全を示唆していますが、心循環系疾患に起因する場合もあります。

 

 

体温測定
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環境温度から自立して体温を制御する能力の完成までには比較的長い期間を要します。

このため、2週齢の体温は大きく変動します。

  • 新生子の体温は成犬の数値に比べて明らかに低いです。
  • それに対して2ヵ月齢の子犬の体温はより高いです。

39℃を超える体温は、環境温度の高さによる場合があり、発熱とは限らないです。

直腸での体温測定には、弾力のある先端を備えた専用の体温計を使用し、

挿入の際にはワセリン、潤滑ジェル、あるいは水を塗布して滑りをよくします。

その際に困難をもたらすのは、従来の多くの体温計が一定の温度範囲のみに対応しており、
低体温を正確に測定できるように作られていないことです。

 

 

子犬の生理的体温

子犬の日齢・週齢
生理的体温
1~5 35.5~36.5
6~10 36.5~37.5
11~15 37.5~38.5
2週齢以上 38

 

新生児犬体温の環境温度との連動性

環境温度
2時間経過後の体温
20℃ 33.7℃
25℃ 36.5℃
30℃ 37.1℃
35℃ 39.5℃

 

体重

生体パラメーターと並んで、体重は、健康状態を評価するための重要な診断パラメーターです。

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その後の発育を評価するために、すべての子犬の生時体重を出生直後に測定します。

体重の停滞や減少はしばしば障害を感知しうる最初の徴候です。

生時体重は犬種によって大きく異なります。

小型犬では100~200g、中型犬では200~400gであり、大型犬では800gにも達します。

  • 体重は生後24時間以内に、糞尿の排泄によってしばしば10%を限度に減少します。
  • 生後1日以降は毎日増加し、その結果、810日目には2倍になります。
  • 生後2週目の終わりには、生時体重の34倍になります。

基準値としては、1日あたりの体重増加は成犬の体重のkg単位の数値をg単位にしたものの23倍です。

体重測定には、正確なグラム表示のある市販の家庭用のはかりを使用することができます。

 

成熟度

子犬一般の生理的未成熟のため、臨床検査に基づく出生時成熟度の評価は非常に難しいです。

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その犬種の通常の生時体重よりも25%以上少なければ、それは未成熟の確実な徴候であるといえます。

一般に、このような場合、妊娠期間は57日以下です。

成熟した子犬は、犬に特徴的な現象で腹部は無毛の可能性もあるものの、腹部以外は体毛が生え揃っています。

 

局部検査

子犬は頭側から尾側へと体系的に検査します。

そうすることで、発育異常や形成不全を見落とすことが避けられます。

所見の正確な評価のためには、その生理的発育との比較が不可欠です。

頭部と頸部

鼻および上部気道

頭部が左右対称かどうかを調べます。

骨の変形や軟部組織の膨張は不適格とします。

鼻は左右対称で、分泌物はなく、縫線は閉じています。

上部気道の閉塞は、呼吸の観察と顕著な呼吸雑音によって判明します。

しばしばこの障害は鼻孔領域における気泡を伴います。

鼻枯膜の着色は新生子ではまだ完成していません。

したがって、しばしば不規則な色素沈着がみられるが、生理的なものとみなされます。

 

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目は出生時にはまだ閉じており、1014日齢でようやく開きます。

外見上、目は左右対称に位置しています。

膨張や分泌物の痕跡は、感染を示唆します。

目を開けると、生後数日間は虹彩が青灰色で濁っていますが、これは生理的と考える必要があります。

目の発達はまだ完全ではないため、視覚は未完成です。

角膜は生後24週間は水分含有量が成犬より多いため、しばしばいくぶん濁っています。

強膜の発赤や上強膜血管の侵入などの炎症の徴候は、膜遺残や睫毛の生え方異常などと同様、不適格とします。

 

 

耳は生後2~3週間は閉じています。

耳介を扱う際には適切な器具を用い、汚れや感染を避けるよう注意します。

鼓膜の完全性の確認は、もっと週齢が進んでから、体の大きさに応じて可能になります。

 

口腔

口腔内の検査はしばしば困難ですが、慎重に行います。

口蓋裂があれば、失格とします。

その際、口蓋の奥まで検査できるように、口を十分に大きく開かせるのが難しいです。

口腔を完全に検査するには、照明が必要です。

  1. 頭は片手で鼻の上方を掴み、約45度の角度で保持します。
  2. それからもう片方の手で慎重に、一本の指あるいはへら(舌圧子)を用いて、軽く圧力をかけて下唇を開けば、口腔を検査できます。

そのほか、粘膜の色と毛細血管再充填時間も検査します。

粘膜は薄いピンク色で、湿っており、滑らかでなければならず、付着物があってはいけません。

発赤した粘膜や、チアノーゼ様の色、付着物や、ベトベトした表面などは病気とみなします。

毛細血管の再充填時間は、末梢の血行を示すもので、2秒以下でなければなりません。

  • 子犬は歯のない状態で生まれてきます。
  • 2週齢目から乳歯が生えてきいます。
  • 12週齢で乳歯が生え揃います。

次に、吸飲および嚥下反射の様子を検査します。

続いて、頭部と頸部の可動性を検査します。

唾液腺のすぐ上にある下顎リンパ節の膨張あるいは炎症の徴候に注意します。

 

 

胸部

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検査は視診と触診による、胸郭の対称性の検査から始めます。

出生時の助産失宜による肋骨骨折は珍しくないです。

そのような場合、しばしば呼吸が浅くなったり、不規則になったりします。

これは羊水誤飲と誤診されがちです。

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触診では、顕著な骨格形成異常や軟部組織の膨張のほかに、浅頸リンパ節も検査できます。

胸骨は形態異常を検査します。

肺の聴診は、左右の体側から体系的に行います。

その際、肺は以下の四つのフィールドに分割して扱います。

  1. 頭側の背側
  2. 尾側の背側
  3. 頭側の腹側
  4. 尾側の腹側

 

胸膜摩擦音や、ガラガラ、ボコボコという呼吸時の雑音および、

空気がまったくあるいは不完全にしか流れていない領域のような顕著な所見は、

聴診によってその位置を特定することができます。

 

心循環系の検査は、新生子においては特に重要です。

先天性の心奇形や疾患の発見は、初回検査において中心的な位置を占めます。

心臓の聴診の前に、心尖部の鼓動と、確認できる場合には頸静脈拍動を観察します。

 

腹部と臍

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検査は腹部の観察から始めます。

腹部の充満度の検査の際は、最後に食餌摂取した時間を考慮に入れなければなりません。

触診は両手で行います。

向き合わせた両手の指を慎重に近づけていきます。

この時、腹壁破裂の検査と、続いて各職器の触診を行います。

最初のうちは通常、腹壁の緊張という形で防御反応がみられますが、一定の圧力を加えることで、普通は速やかにゆるくなります。

検査は腹部の頭側から始め、臓器の触診は背側から腹側へ向かって行います。

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新生子の場合、肝臓の一部と、臓器の大きさと位置によって牌臓の一部を探り当てられます。
  • 腎臓、とくに尾側にある左側の腎臓は、たいていの場合、問題なく確認できます。
  • 臓器の膨張や、いびつな表面、範囲の拡大や痛みは病気です。
  • 同様に、腹壁の緊張の持続や、太鼓状の腹部もまた病的である。
  • 膀胱と胃腸は尾側にあって軟らかく、液体やガスで満たされている構造が触診できます。
  • 腸内に硬い便の塊が確認された時は、その箇所を軽く押して、硬さを調べます。

便による膨張が硬く、痛みを伴う場合には病的であるとみなし、さらに超音波検査による解明が必要となります。

 

臍の触診は、臍ヘルニアの有無を調べるために欠かせません。

臍ヘルニアの場合、ヘルニア輪の大きさ、へルニア嚢の内容、整復できるかどうか、などを確認します。

臍は乾燥していることと、発赤、膨張、発熱、疼痛などの炎症の徴候を検査します。

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臍帯は、通常出生直後に乾燥し、生後3日目には取れます。

日数がたっても臍が湿っている時は、尿膜管フィステルあるいは臍炎が疑われます。

フィステルが疑われる症状の場合、注意深く膀胱に圧力を加えることで確認できます。

そうすることで膀胱からの尿が尿膜管へ送られるからです。

 

それに続いて、鼠径ヘルニアの有無と、生殖器、陰茎、肛門が正常であるかどうかを検査します。

精巣は出生の時点では完全には下降していません。

ほとんどの場合、10日齢までに精巣は陰嚢内へ下降します。

鼠径管がきつく狭められるのは、6ヵ月齢になってからなので、この時期まで下降は可能です。

 

新生子の陰門はしばしば大きく目立ちます。

陰裂から陰核が突出している場合、妊娠中の雄性化を示唆しています。

 

四肢

完全な整形外科的検査は、新生子の知覚·運動系の未成熟と、骨の硬化過程の未完成のため、早期には実施できません。

どの関節も、まず指先から肩または腰まで検査し、可動性の異常や疼痛の有無、骨の存在などを検査します。

足指および四肢の位置の正常な形成を把握します。

2~3週齢までの子犬は、特に運動能力の正常な発達に注意します。

歩行の不安定や関節の変形がみられる場合、いわゆるスイマーパピー症候群(遊泳子犬症候群)のような発達障害が考えられます。

 

 

神経学的検査

  • 神経学的検査は、第一に、行動、特に運動能力の検査からなります。
  • 第二段階として、週齢に応じた典型的な反射機能をみます。

神経学的発達は、生理的体温のもとでしか検査できません。

低体温の子犬は反応が鈍いか、まったく反応しません。

 

子犬の知覚運動能力と反射特性

知覚運動能力
発現時期
痛覚 出生時より
吸飲および嚥下反射 出生時より
平衡感覚 出生時より
屈筋優位 4日齢まで
前肢の体位反射 4日齢より
後肢の体位反射 9日齢より
緊張性頸反射

(マグナス反射)

出生時より弱い状態で発現するが、1週齢で顕著になる
瞳孔・角膜反射 目が開いた時より

 

新生子の活動性は、2週齢までは、基本的には睡眠と吸乳に限定されます。

この行動は、栄養摂取と熱源の探索を指向しています。

この時期の脳波を測定すると、睡眠中と覚醒中の差はわずかしかみられません。

3週齢になってようやく、変化が検出されるようになります。

脳波の活動性が成犬に相当するようになるのは、8週齢になってからです。

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出生の時点で完成しているのは、吸飲および嚥下反射です。
  • この二つは、舌を指で刺激することで簡単に誘発できます。
  • 子犬は、刺激に即座に反応して、指に舌を巻きつけ、吸い始めます。

 

神経細胞は、速やかな刺激伝遠に必要とされますが、これは出生時点ではまだ完全には形成されておらず、3週齢までに発達します。

その完成は、頭側から尾側へと進みます。

まず頭が持ち上げられるようになり、それに続いて前肢に負荷がかけられるようになり、
最後に後肢と尾の完全な運動機能が完成します。

 

神経学的未成熟により、新生子の場合、反射と運動能力の検査は可能ですが限定されます。

平衡感覚は出生時から完成されていますが、それは吸飲時の姿勢をとるために重要だからです。

子犬は横向きに置かれたら即座に腹ばいに戻ります。

生まれたばかりの子犬は頭を上げ、振り子のような動きで乳頭を探し出します。

前進は這い這いによって行われます。

その際、四肢は体に沿って置かれています。

生後数日間は、子犬を持ち上げると、あるいは首周辺が軽く緊張すると、四肢の屈曲がみられます。

いわゆる、屈筋優位です。

  • 45日齢からは、伸筋優位となります。
  • 子犬はゆっくりと前肢に体重をかけ始めます。

後肢は体に沿った状態で一種の泳ぐような動きをさらに続けます。

2週齢以降、通常の歩行がみられるようになりますが、初めのうちはまだ不安定にみえます。

運動能力の発達については、犬種によって大きな違いが確認されています。

一般に、大型犬は小型犬よりも発達が遅いです。

 

前肢の体位反射4日齢から、後肢のそれは9日齢から生じます。

緊張性頸反射は、すでに出生時にわずかにみられるが、1週齢からはっきりしてきます。

  • 注意深く首を伸ばしてやると、前肢の伸長や後肢の屈曲が起こります。
  • 首を曲げてやると後肢が伸長します。
  • 首を横に曲げると、同側の肢の伸長と反対側の肢の屈曲が起こります。

目の防御反射は目が開く前から存在します。

  • 光による刺激の際の瞬きといわゆる眼瞼反射はすでに2日齢からみられます。
  • 瞳·角膜反射は目が開いてからみられます。

ただし、最初のうちはまだ非常に遅く、反応も弱いです。

中耳および内耳は、すでに出生時に分化しています。

外耳道は2週齢で開通するため、聴覚刺激に対する反応はそれまでは起こらないです。

嗅覚はすでに出生時から備わっていますが、臭いの感知はまだ限定されており、神経学的検査には利用できません。

 

 

臨床検査

血液

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基本的には、幼若犬も成犬と同様、全血、血漿、血清を採取することができます。

新生子での困難さは、その解剖学的な小ささに由来します。

さらに、抗凝血剤など、市販の使い捨て容器の添付物の量は、その容器を完全に満たした場合の量に調整してあることに気をつけます。

測定値を誤らないためには、抗凝血剤と血液の割合に注意しなくてはなりません。

 

新生子は体重の13%に相当する血液量を持っています。

採血量は最大で全血液量の10%までにしなければなりません。

300gを超える子犬の場合、1週齢で、1~2mLの血液であれば問題なく採取できます。

  • 検査用血液の採取は幼若犬の場合、頸静脈から行います。
  • そのためには、頭部を伸ばし、採取する側の前肢を尾側に保定します。
  • 頸部はアルコールで清毒し、せき止めた静脈がよく見えるように湿らせます。

10日齢以内の場合、真空採血器の使用が適当です。

より週齢の進んだ子犬の場合、前腕橈側皮静脈から採血するために、使い捨てカニューレを使用することができます。

測定値の解釈には、週齢に伴う変化を考慮する必要があります。

 

尿

腎臓は、8週齢でようやく成犬に相当する、濾過、吸収、濃縮能力を備えます。

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この理由から、子犬においては病的過程が存在しなくても、タンパク、グルコース、アミノ酸の排泄は常に検出されます。

この特殊性により、ほとんどの尿検査項目の診断的価値は疑わしいものとなります。

尿検査は、血尿や膀胱炎の疑いがある場合に適用します。

尿は、母犬による排泄刺激に似せて、外部生殖器を慎重に刺激することによって得られます。

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この方法では常に尿に細菌感染が生じるので、細菌検査が望ましい場合は、膀胱穿刺を行います。

そのためには、

  • 膀胱を触診で確認し、無菌の使い捨てカニューレで穿刺を行います。
  • 変法として、超音波監視下で穿刺を行うこともできます。

 

便

従来の寄生虫検査とともに、市販の簡易診断テストを使えば、便における抗原抗体反応によって特定のウイルスを見つけ出せます。

下痢を伴う子犬の場合、便の細菌学的な所見は説得力に欠けることが多いです。

下痢を発症している場合、しばしば腸が変調をきたしているため、下痢の原因ではない細菌が検出されるからです。

細菌検査を成功させるためには、罹患初日に、最初の抗生物質を投与する前に便のサンプルを採取しなくてはいけません。

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no life no dogs & catsをモットーに、現役獣医師が、科学的根拠に基づいた犬と猫の病気に対する正しい知識を発信していきます。国立大学獣医学科卒業→東京大学附属動物医療センター外科研修医→都内の神経、整形外科専門病院→予防医療専門の一次病院→地域の中核1.5次病院で外科主任→海外で勤務。

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