獣医が徹底解説!犬の赤ちゃんの育て方~妊娠の確認~

    犬を妊娠させたい。

    自分の犬を一度出産させてみたい。

    交尾や人工授精をしたけど妊娠しているか不安。

    妊娠しているけど順調に育っているか不安。

    妊娠しているけどいつごろ出産するか知りたい?

    出産の準備ってあるの?

    本記事はそのような、犬の妊娠、出産、赤ちゃんについて解説します。

    犬の胚および胎子の発育【獣医師解説】

    犬の胚の発育

    犬は他の家畜と比べると、受精および初期胚の発育の際に、多くの特数があります。

    ほかのほとんどの家畜では、排卵後の卵子がすぐに受精可能であるのに対して、 犬での第一成熱分裂は、排卵後にようやく進められます。

    したがって、卵子が受精可能になるためには、まず2~3日間卵管に留まる必要があります。

    それに加えて、雌犬は排卵前からすでに雄犬を許容可能であり、精子が雌の生殖器内で約1週間生存能力を持つことから、

    交配日を手がかりにした妊娠期間の正確な特定は不可能です。

    卵子と胚は犬の場合比較的長期にわたって(7~9日間)卵管に留まります。

    ほかのほとんどの家畜の場合、卵丘細胞は受精の直前または直後に卵子から離れるのに対し、犬の場合は卵管内に留まる間中、保持される。

    受精後4日目には 卵管の中で2細胞に、6日目には8細胞に、7日目には多細胞(桑実胚)に発育します。

    受精後12~15日に、子宮角に膨張(膨満部)が生じ、着床が始まります。

    膨満部内の胚盤胞は受精10日目から特徴的なレモン型になります。

    受精後13~15日目には胚盤胞は透明帯から脱出します。

    これはその後の成長および胚と予宮の接触(着床)にとって不可欠の条件です。

    犬の着床とは

    着床は、犬の場合、受精後14~15日目に行われます。

    これは3段階で進行する。

    1.接触前段階:胚盤胞と子宮内膜の間に形態的に見て取れる結合はまだ存在しない。

    2.並列段階:胚盤胞と子宮内膜は点状の接触箇所で結合する。

    3.接着投階:胚と子官との結びつきが強くなり、損傷なしでの分離が不可能となる。

    犬は中心着床です。

    すなわち、子宮腔内に位置し、そこで母体の子宮内膜と接します。

    犬の赤ちゃん(胚と胎子)の日齢判定

    初期胚

    受精後30日までの初期胚の日齢を判定するためには、特に、形態および特徴的構造の出現を判断することが適しています。

    受精後10日の受胎産物はレモン型で、中枢神経系が形成されます(神経胚形成)。

    1週間後に受胎産物は靴底状となります。

    受精後20日目にはC字型を示し、頭部の屈曲と尾側躯幹のねじれが特徴的です。

    受精後30日目には胚の発育は完了し、すべての器官が備わり、子犬の最終的身体形態がその基本において認知されるようになります。

    外部からの観察では、ハンド・プレートの形で準備された四肢原基、口唇のそばの触毛の形成の開始、眉の原基が目立ちます。

    それに加えて、犬の場合に形成される5対の乳頭がすでにはっきり見えます。

    後期胚と胎子

    後期胚と胎子の日齢を判定するためには、まず大きさが重要です。

    後期胚と胎子の長さは、頭尾長(CRL)すなわち、頭頂と殿部隆起の間の距離によって測定されます。

     

    超音波検査では、腹部の横方向の直径と頭部の大きさが日齢の重要な手がかりになります。

    胎子日齢の外観表現は、四肢の発育状態、瞼、触毛、生殖腺、体毛です。

    指は受精後35日目から先端の分離が生じ、爪は40日目から形成されます。

    受精後43日目~45日目の間に指は完全に分離し、大きく広げられます。

    瞼は遅くとも受精後40日目から形成され、触毛は38日目からみられる、雄の外性器は受精後35日目から認識可能です。

    受精後30日目~40日目の間に生理的臍ヘルニアがみられます。

    これは、腸がスペースの都合で一次的に体腔から外部へと移動するものです。

    分娩10 日前には子犬の体毛は生え揃います。

     

     

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    no dogs & cats no lifeをモットーに、現役獣医師が、科学的根拠に基づいた犬と猫の病気に対する正しい知識を発信していきます。国立大学獣医学科卒業→東京大学附属動物医療センター外科研修医→都内の神経、整形外科専門病院→予防医療専門の一次病院→地域の中核1.5次病院で外科主任→海外で勤務。

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