動物病院でペット（犬猫）の病気が治らない場合どうしたらいいか？獣医師解説

1. 別の動物病院や専門医にセカンドオピニオンを求める

一つの病院だけでなく、別の病院や獣医師の意見を聞くことで、異なる治療法や診断が見つかる場合があります。特に高度医療を提供する専門病院では、難しいケースにも対応できることがあります。

• 専門分野の病院：例えば、腫瘍科、循環器科、皮膚科、神経科など、専門医がいる病院を探してみましょう。
• 大学病院の動物医療センター：高度医療や設備を備えていることが多いです。

2. 検査や診断を見直す

症状が改善しない場合、初期診断や検査に不足がないか確認してもらいましょう。

• 追加の検査：血液検査、超音波検査、CT・MRI検査など高度な検査が必要な場合があります。
• 慢性疾患や見逃されやすい病気：症状が分かりにくい病気（例：内分泌疾患、免疫疾患、感染症）を再検討してもらうとよいです。

3. 治療方針を相談する

獣医師に「今後の治療方針」や「選択肢」をしっかり聞いてみましょう。

• 治療の目的を明確にする
  • 根治治療（完全に治すこと）
  • 緩和治療（症状を和らげること）
  • 延命治療（生活の質を保ちながら寿命を延ばす）
• 副作用やペットのQOL（生活の質）：薬の副作用や、治療の影響を考慮して負担の少ない方法も検討します。

4. 代替療法や補完療法を検討する

従来の西洋医学以外に、以下のような補完的な治療も考えられます。

• 鍼治療や漢方薬：ペット向けの鍼灸治療や漢方療法がある病院もあります。
• 栄養療法・サプリメント：食事管理や栄養補助が治療の助けになることもあります。
• リハビリテーション：理学療法や運動療法も慢性疾患や怪我の回復をサポートします。

5. ペットのケアや生活環境を見直す

治療以外にも、ペットのストレスや生活環境が病気に影響することがあります。

• ストレス軽減：静かな環境、適切な運動、飼い主とのふれあいを増やす。
• 食事管理：療法食や栄養バランスを見直し、免疫力の向上を図る。
• 清潔な環境：病気の悪化を防ぐために衛生面を保つ。

6. ペットと過ごす時間を大切にする

治療が難しい場合でも、ペットとの時間を大切にし、日々の生活の質を高めてあげることが飼い主としてできる重要なことです。

• 痛みや不快感を減らし、穏やかな時間を過ごせるよう工夫する。
• ペットの好きなこと（遊びや食事）を取り入れる。

7. 最終的な判断と心のケア

どうしても治療が難しい場合、ペットの最善を考えた判断（ターミナルケア、安楽死など）も視野に入れる必要があるかもしれません。

• 獣医師や家族としっかり話し合う
• 飼い主自身の心のサポート：ペットロスや心の負担を軽減するため、カウンセリングやサポートグループを活用することも考えましょう。

病気が治らない状況は非常に辛いですが、ペットにとって最も良い方法を模索し、サポートしてあげることが大切です。困ったときは、信頼できる獣医師や専門医に相談して、一緒に最善の道を見つけてくださいね。