愛犬や愛猫の口が臭い、歯石がある、涎が出るので病院に連れて行ったけど、
- 様子、経過を見てくださいと言われたけど心配...
- 検査してくれなかった...
- 病院ではよくわからなかった...
- 病院では質問しづらかった...
- 混乱してうまく理解できなかった...
- もっと詳しく知りたい!
- 家ではどういったことに気をつけたらいいの?
- 治療しているけど治らない
- 予防できるの?
- 麻酔をかけなくて治療できるの?
- 高齢だから治療ができないと言われた
もしくは、病院に連れて行けなくてネットで調べていた
という事でこの記事に辿りついたのではないでしょうか?
ネット上にも様々な情報が溢れていますが、そのほとんどが科学的根拠やエビデンス、論文の裏付けが乏しかったり、情報が古かったりします。
中には無駄に不安を煽るような内容も多く含まれます。
ネット記事の内容を鵜呑みにするのではなく、
情報のソースや科学的根拠はあるか?記事を書いている人は信用できるか?など、
その情報が正しいかどうか、信用するに値するかどうか判断することが大切です。
例えば...
- 人に移るの?
- 治る病気なの?
- 危ない状態なのか?
- 治療してしっかり治る?
これを読んでいるあなたもこんな悩みを持っているのでは?
結論から言うと、高齢のペットは若いペットに比べて、手術の危険性はもちろん上がります。
本音を言えば、確かに手術をするなら若い方がいいと私も思います。
ただ、高齢だからといって手術しない・・・これはどうかと思いますね。
特に高齢と言う理由だけでは「出来ない」ということはないのです。
正確には獣医はどんな理由で「出来ない」と言っているか・・・
やりたくない、自信がない、設備がない、面倒だ、人が足りない、などの理由だと思います。
しっかりとした設備、人の数、そして経験、信念を持った病院であれば、老齢のペットであろうとしっかりと検査をして、
それに合格すれば手術を行います。
現在は麻酔も大変良いものが揃っていますし、技術が伴っていれば問題ないのです。
いくら老齢だからといって、寿命が延びるのであれば飼い主は手術を希望することが多いです。
それを勘違いして、「わざわざもう手術することはないでしょう。年ですし。」
と勝手な考えで手術の話すら出さない獣医も、そう思う飼い主も実際にいるのです。
もし飼い主が高齢になった時に、医者から手術しないと命の危険があると言われた時に、手術しますか?
もししないのであれば、犬や猫にも手術しないのは辻褄が合います。
自分の病気は麻酔をかけても治療するのに、犬や猫になると、素人考えで体が小さいから、なんとなく怖いから、高齢だから、そんな曖昧な理由で救えるはずの命を諦めるのは違うと思います。
「老齢ですし、手術はやめた方がいいですね。」と言われたら、なんでダメなのか、他の病院でも同じ事を言われるか、
検査はしっかりやってみたのか、確認するといいです。
もっともっとあなたのペットは生きられるかも知れませんよ。
「予防できるはずなのに、何もせずに病気で苦しむ」ペットや、
「予防したいと思っているのに通う回数を金銭の問題で減らして病気になる」のは避けたいと思うんです。
数ある病気の中で、予防できるものは限られています。
せっかく予防、回避できる機会があるのに、それを放置して病気になってペットにも金銭的にも負担がかかるのは見ていてつらいです。
この記事では、高齢犬や高齢猫の歯石・歯周病と麻酔リスクについて、その理由をアカデミックな面からまとめました。
この記事を読めば、高齢犬や高齢猫の歯石・歯周病と麻酔リスクの関係性までがわかります。
限りなく網羅的にまとめましたので、ご自宅の高齢犬や高齢猫の歯石・歯周病と麻酔リスクを知りたい飼い主は、是非ご覧ください。
✔︎本記事の信憑性
この記事を書いている私は、大学病院、専門病院、一般病院での勤務経験があり、
論文発表や学会での表彰経験もあります。
今は海外で獣医の勉強をしながら、ボーダーコリー2頭と生活をしています。
臨床獣医師、研究者、犬の飼い主という3つの観点から科学的根拠に基づく正しい情報を発信中!
記事の信頼性担保につながりますので、じっくりご覧いただけますと幸いですm(_ _)m
» 参考:管理人の獣医師のプロフィール【出身大学〜現在、受賞歴など】
✔︎本記事の内容
本記事では、歯周病の定義、原因、症状、
犬や猫の歯石を出来るだけつけずに、全身麻酔を出来る限り防ぐ方法、
無麻酔で歯石を取る危険性、
麻酔をかけて歯石を取る安全性、
麻酔のリスクの順に解説していきます。
高齢犬や高齢猫の歯石・歯周病と麻酔リスク〜正しい麻酔で歯石管理〜
この記事の目次
犬や猫の歯周病とは?原因は?
犬にもっとも多い病気、それは歯の病気です。
その発生率は2歳の時点で90%近くの犬が何かしらの歯の病気を持っていると言われるほどです。
歯の病気は、歯が抜け落ちるまでが問題となります。
「歯石」は結果としてですが歯の病気の一番の原因になります。
歯石は食物のカスなどが固まってしまったもので、だんだんと歯肉を圧迫します。
これによって歯肉が無くなって歯が露出、歯を支える骨が侵される、周りの組織が壊されるなどして、これがひどくなると強い口臭や食欲の減退につながるのです。
また、歯石が間接的な原因となって「歯肉炎」を起こします。
最初は少し赤いくらいで気が付かないのですが、進行してくると歯茎が腫れ上がり、膿んでしまったりして大変です。
犬や猫の高齢動物の口内炎の症状
上記は、もっと前から口のケアをしておけば回避できる病気です。
犬や猫は虫歯になるのか?
犬の虫歯は、実はかなり少ないです。
多いのは虫歯では無く、歯肉炎です。
特にキシリトールなんて意味がありませんし、むしろ有害性が挙げられているほどです。
ただし、何かを噛んでしまった拍子に歯が折れてしまったりした場合は注意してください。
そこから虫歯が進行することがあります。
虫歯が進行すると、目の下のところまで貫通し、膿が出ます。
目の下にいきなり穴が開いたなんて時はかなり危ないので病院に連れていってください。
こうなってしまうと、外科手術しかありません。
犬や猫に歯石がつきやすい理由
- 実は3歳以上の犬や猫の約8割に歯周病が見られます。
- 人間の口の中は弱酸性ですので、酸が大好きな菌が繁殖しやすいです。
- 犬や猫の口の中は弱アルカリ性ですので、酸が大好きな菌は繁殖出来ません。
- 人では唾液に細菌の栄養になる糖分を作り出すアミラーゼが含まれています。
- 犬や猫の唾液にはアミラーゼが含まれていません。
- 人の奥歯は平らな面にくぼみがある構造をしています。
- 犬や猫の歯は肉を引きちぎるため尖った歯をしています。
犬や猫の口腔内は、酸性に傾いているため菌が育ちにくい環境だけでなく、アミラーゼが無いため栄養も無く、くぼみに食べカスがたまらないので、虫歯にもなりにくいです。
犬や猫では通常虫歯が起こりません。
しかし、アルカリ性のため、歯石が作られやすく、実に人間の5倍ものスピードで歯石が作られてしまいます。
歯石が出来て、炎症が起こって、歯周病になります。
犬や猫の口腔対策は「歯石を付けないこと」、これに尽きます。
さてここから歯磨きに至るまでを説明します。
- ⇒全身麻酔による犬や猫の歯石除去を出来る限り回避する方法
- ⇒犬や猫の歯磨きの方法
- ⇒歯磨きが無理な子の場合の方法
- ⇒無麻酔で歯石処置のデメリット
全身麻酔による犬や猫の歯石除去を出来る限り回避する方法
犬の歯の病気は人間と同じく、歯磨きをすることで予防できます。
毎日歯磨きをすると約90%、一週間に一回でも70%強予防できると言われています。
犬が歯磨きを嫌がらないように、しつけをするようにしましょう。
犬用の歯ブラシ が売られています。
ブラシが難しくても、犬口ケアのような商品もあります。
やり方は人間と同じで、歯と歯肉の間を入念に磨いてあげましょう。
また、ガーゼに薄い食塩水をつけて、指に巻いて磨いてあげるのもいいです。
普段から歯垢を除去するようなおもちゃで遊ばせるのも良いです。
<歯垢を除去するような用品>
まず歯周病にさせない!犬や猫の歯磨きの方法
人間と同じで「歯磨き」をすると歯石がくっつくのを遅く出来ます。
一番歯石対策に効果があるのはこの方法です。
全く付かないようには残念ですが出来ません。
歯周ポケットまではどうやっても完璧にはお掃除出来ないと思います。
まずは歯ブラシを受け入れてくれるようにしていかなければなりません。
受け入れていない段階で、無理に歯磨きをすると、歯肉を傷つけたり、飼い主が噛まれてしまいます。
ネット上では「口の固定器具を使って歯ブラシで・・」なんて紹介をしている方も居ますが、口の固定をしないと歯ブラシ出来ないような子に無理やりブラッシングをしたら逆に歯茎を傷つけて歯周病になります。
徐々に歯ブラシに慣らしていって、それで出来そうなのかどうかを判断する必要があります。
まず、犬や猫の口の中を触れるようになるには
相手の歯磨きを行うという行為は普通では無い行為です。
もし、「手を触らせてもくれない」「背中だけでも嫌がる」もしくは「近くに居ることすら嫌がる」状態だとすると、まずはそこからです。
近くに居ることすら嫌がるのであれば、近くに居られるように。
体を触らせてくれないのであれば、まずは体を触らせてくれるように。
体を触らせても手や足を触らせてくれないのであれば、徐々に触らせてくれるように。
そして、口の周り・・前歯付近だけ・・ついに奥歯・・
焦って事を進めてしまえば、嫌なことと覚えてしまい、すべてが水の泡です。
次に上手な事の進め方(ホールディング)
犬が嫌がらないように、はじめは短い時間落ち着いていたら離してあげてご褒美をあげましょう。
徐々に落ち着いていられる時間を延ばしましょう。
毎日コツコツと練習し、人に体を抑えられることに嫌がらないようにしましょう。
この状態で落ち着いたら、体などをゆっくりさわります。
※暴れてしまった場合は、すぐに離さずワンちゃんが落ち着いてから離すようにしましょう。暴れたときに離してしまうと、ワンちゃんは暴れれば逃げれることを覚え、よく暴れる子になってしまいます。
※暴れた際、過度に人が押さえつけてしまうとワンちゃんの体を痛めてしまう可能性があったり、ワンちゃんは人に触られることが嫌になってしまうことがあります。
練習する上で大切なことは、嫌がる前に終わりにして、ご褒美をあげることです。
上記が慣れたら、仰向け抱っこにチャレンジしましょう。
(※大型犬の場合は少し大変ですが、床に座って練習すると良いでしょう。)
まず、ワンちゃんのわきの下に手を入れて持ち上げ、そのままの状態で落ち着くまでしばらく待ち、落ち着いたら、ゆっくりと背中を自分のおなかに引き寄せます。
※暴れてしまう場合は、すぐに降ろさず落ち着いてから降ろすか、もう一度ワンちゃんを持ち上げた状態に戻し、落ち着くまで待ちましょう。
※どうしても落ち着かないワンちゃんは無理をせず、まずは短時間でも大人しく抱っこすることができたら、一度離して褒めてあげましょう。
また、こまめにご褒美をあげながら行うとワンちゃんも嫌な気持ちにならず、リラックスすることができます。
はじめから全部を一度に行うことはなかなか難しいので、短い時間で少しずつ慣らしていくことが大切です。
仰向け抱っこの状態でリラックスできるようになったら、色々な場所をさわる練習をしましょう。
問題は手先、足先、しっぽや口周り。デリケートな部分を触るためには工夫が必要です。
触られるとなんかイヤ!と思っている部分を触られて、特にメリットが無かったりすると次から触られるのは当然イヤになります。
イヤな部分を触られても、それ以上のメリットがある。
イヤな部分がそのうちイヤに感じなくなる。そんな流れを作る必要があるのです。
なでられて好きな部分がある子であれば、嫌な部分を触って少し我慢してくれたらすぐにその好きな部分をなでてあげる。
好きなおやつがある子であれば、嫌な部分を触って少し我慢してくれたら、すぐにそのおやつをあげて褒めてあげる。
ひたすら続けて(場合によっては数ヶ月かかる場合もあります)、夢の奥歯に達するまで、焦らずにじっくりと進めていかなければなりません。
ワンちゃんが嫌がらずに触らせてくれたら、必ず褒めてご褒美をあげましょう。
手足、指先、耳、しっぽ、おなか、マズル(口先)、口の中など、自分の武器となる部分や弱い部分を自由にさわることができることは、飼い主さんを信頼している証拠です。
この練習をしておくと、足拭きや爪切りなどの日常のお手入れや健康管理も容易になり、 お互いのストレスも軽減します。
また、スキンシップを図りながら、体に異変はないかなどもチェックしましょう。
毎日行うことで、ちょっとした変化にも気付きやすくなり、病気の早期発見にもつながります! ぜひみなさん練習してみてください!
どうしても焦って1日2日で何とかしようとする飼い主さんが多いですが、相手の心の準備が整うまでは時間がかかります。
これは爪切りでも耳掃除でも同じです。
最後に...犬や猫の歯磨きの方法
口の中に指を入れられるようになりましたら、 いよいよ歯磨きのスタートです。
最終的な目標は歯ブラシによるケアですが、こちらにも順序があります。
指磨き⇒ガーゼや犬口ケアのような指+αでの歯磨き⇒歯ブラシによる歯磨き
という順番で進めていきましょう。
事の進め方は口を触らせてくれるまでと何ら変わりありません。
使用する道具を少し口の中に入れてみて、我慢してくれたらご褒美です。
徐々にご褒美をあげるまでの時間を延ばしていくようにしましょう。
歯磨きの方法 ガーゼや犬口ケア
ちなみに犬口ケアのような製品でなくても、布製の手袋や軍手でも良いと思います。
毎回洗うのが面倒であれば、ガーゼ以外で歯磨きシートという選択肢もあります。
さて、歯磨きの仕方ですが、歯と歯肉の間を中心に一つ一つの歯を軽くこするだけです。
注意点は、強く擦りすぎないように!
ゴシゴシやるもんじゃないです。
小刻みに優しく・・これは布だろうと歯ブラシだろうと同じです。
犬や猫についた約1週間後(早いと3~5日)に歯石になってしまうであろう歯垢ですが、この時点ではただの歯垢です。
優しく拭い取れるような代物です。
逆に歯石になってしまったら、どんなにゴシゴシやろうと取れるものではありません。
歯磨きの方法 歯ブラシ
歯と歯肉の間に45度の角度で、ブラシの先端が優しく入るよう一本一本磨くのみです。
自分以外の歯をしっかりとすべて磨くには、力加減も難しいですし、時間的にも長い時間がかかります。
当然、歯肉を傷つける可能性も高くなってしまいます。
なので、ペット用の歯ブラシや小児用の柔らかい歯ブラシなど、歯肉を傷つけにくいような材質を選びます。
歯ブラシが難しそうでしたら、他の方法で行くしかありません。
歯磨きが無理な子の場合の方法:おやつやフード
上記の歯磨きがどうしても難しい犬には歯石除去を目的とした処方食があります。
処方食以外の「歯周炎用」といったフードもたくさん出ていますが、本当に効果があるのか研究報告が無いものばっかりです。
その点、処方食は科学的根拠があります。
例えばt/dなんかですと特殊な粒が配合されていまして、歯垢や歯肉を付きにくくしてくれることが科学的に証明されています。
この処方色で100%歯石がつかないわけではありませんが、他の変な歯石除去フードをあげるくらいなら、こちらの方がずっとマシです。
また、もしウェットフード中心であげているのであればドライフードに切り替えるだけでも歯石対策としては効果があります。
おやつの方ですが、こちらもフード同様、科学的根拠に乏しいものが多いです。
硬めで歯をこすってくれそうなおやつであれば、効果はそれなりにあると思います。
しかし、硬すぎるおやつ、例えば牛のヒヅメや大腿骨などは、硬すぎますので、よく歯が割れてしまいます。
もし、イマイチどんなおやつをあげれば良いか分からないようであれば、動物病院で扱っているようなおやつにしておけば、最低限の対策にはなると思います。
ただし、丸呑みしがちな子ですとグリニーズはちょっと危ないこともあるので性格によって使い分けた方が良いと思います。
歯磨きが無理な子の場合の方法:おもちゃ
オススメとしては縄状のおもちゃやデンタルコングなどです。
縄状のおもちゃが一番歯の間に入り、人でいうデンタルフロスの役割をするのでオススメなのです。
しかし、ほつれてきて糸が出ているような縄状のおもちゃは紐状異物の危険性があり、食べてしまうと開腹手術になります。
他のおもちゃでも同じですが、間違えて飲み込んでしまう可能性のあるおもちゃはNGです。
歯磨きが無理な子の場合の方法:アルコール製剤
そもそも歯石が出来るのはアルカリ性の口内による影響が大きいです。
つまり、口の中を酸性にするお薬は存在します。
成分としてはアルコールとハーブだけの単純な物ですが、10日前後で歯石が取れてきます。
*しかし、アルコールですので軽く皮膚にかけてみて、反応を見てから使うのも一つの方法かも知れません。
*歯石が取れた後も臭いはそこまで軽減されないことから、歯周ポケットには残ることが考えられるので、予防的な使い方の方が勧められます。
つまり、歯石まみれの子に使って取るよりも、一度思い切って歯石除去を麻酔下でやってから、次の歯石除去までの日数を延ばすために使用する使い方に適しています。
無麻酔で犬や猫の歯石除去のデメリット
一見、麻酔無しで歯石除去が出来るなんて、動物に優しい!なんて思ってしまう方もいらっしゃるかも知れません。
犬や猫の歯石を取る目的
歯石が直接歯肉炎の原因になっている訳では無く、歯肉炎の原因になるのは歯垢の中に住む細菌です。
つまり、歯垢が完全取り除けていれば、歯石があろうと歯肉炎にはならないのです。
しかし、歯石の表面はデコボコのガビガビですから、そこには食べかすもくっつきやすく、歯垢はすぐに出来てしまいます。
そのため、歯石を取り除かないと間接的に歯肉炎の原因になってしまいます。
そして、歯石を取った後の歯の表面もデコボコしていますので、研磨してツルツルにしてあげる(ポリッシング)必要があります。
歯石取りの目的は、歯石を落として歯の表面もツルツルにして歯垢を付きにくくすることなのです。
無麻酔で歯石取りのデメリット
1. 歯が折れる可能性
歯石が付いている歯の周りは、すでに歯肉炎になり、痛みが伴います。
その歯こそが一番処置の必要な歯になるはずです。
虫歯になって腫れ上がった歯茎の痛さは、触られたら飛び上がるほどの痛さだと思いますが、そこを先端の鋭いスケーラーで刺激を受けます。
抑えつけられて何度も何度もです。
しかも歯自体も弱っている事が多いので、折れてしまった歯の歯髄には細菌が入り込み、徐々に感染は進行します。
最終的には目の下から膿が飛び出すなど無残な結果を生みます。
残った歯根を無麻酔で処置する場合は、さらに強い痛みに動物を晒すことになります。
2. 取れた歯石
無麻酔で取れた歯石は、舌の上に乗るので、舌の上に異物があったら、外に上手く出せない分は飲み込んでしまいます。
麻酔下でもある程度は飲み込まれてしまいます。(ガーゼなどでガードしますが、細かくなった歯石などは限界があります)
ですので、飲み込むのは無麻酔特有の問題とまでは言えないかも知れません。
しかし、全身麻酔の時は気管チューブを気管に通しているので、歯石の入り込む隙間が無いですが、
無麻酔下では気道に入ってしまえば、誤嚥性肺炎になって命に関わることもあります。
3. 今後の歯磨きに影響
とんでもない痛みで人間不信だわ、歯石を飲み込みまくって気持ち悪いわ(吐いてしまう子も居ます)、
もう口の周りなんて触られるだけで身震いがするはずです。
歯磨きが出来なければまた歯石が出来てしまいますね。
しかも無麻酔では研磨をしていないか、していてもちゃんと出来ているか不明ですから、歯石がつきやすいというオマケまで付いています。
また歯石が出来たら拷問、歯磨き出来ずにすぐ歯石が付く、また拷問の繰り返しになります。
歯石つきたてで酷く無ければ大丈夫?
デメリットのうち、強烈な痛みだけは回避出来るかも知れません。
結構な痛みと抑えつけられる恐怖と誤嚥性肺炎と家で歯磨きが出来なくなる位、口を触られることにトラウマは残ります。
老犬だから無麻酔の方が良い?
老犬を拷問にかけるんでしょうか。
そもそも「老犬だから」とひとくくりに麻酔をかけられないとするのは思考停止です。
後述しますが、かけられるかどうかは検査結果で判断しましょう。
それに、麻酔をかけられないレベルまで弱っている老犬ですと誤嚥性肺炎のリスクは更に高くなりますし、無理やり押さえつけると発作や心臓が止まることもあります。
それを理解して、それでも無麻酔の方が安全と思われるのであればしてみてください。
した後に後悔するはずです。
歯石は、一緒に生活していく上で強烈な匂いを発するため、犬や猫だけでなく飼い主の生活の質も落としてしまいます。
一緒に生活する上で、お互いが気持ちよく生活するためには、飼い主様が地震のペットの状態を把握し、管理しなければなりません。
麻酔もかけれない状態になって、重い腰を上げて口の匂いが気になったからと病院に行っても時すでに遅しなのです。
無麻酔で歯石取りのメリット
麻酔をかけないことだけです。
そもそも、高齢になってから歯石を取らなくてもいいように普段の生活や麻酔下でのこまめな歯石除去を行いましょう。
そうすると、口に悩まされない老後生活を送ることができますし、口に悩まされることはありません。
麻酔をかけての歯石除去
麻酔下での歯石除去の費用
上記の理由から、歯石・歯周病の根本的な治療方法は麻酔をかけての歯石除去となります。
ですので、高齢になってから歯石除去で麻酔をかけなくていいように、普段の予防や、高齢に差し掛かる前に歯石除去をお勧めします。
それは犬の負担以外にも費用の負担にも影響します。
基本的な費用としては、手術前の血液検査(2万円前後)とサイズにもよりますが麻酔薬の費用(5千〜1万円前後)です。
上述の通り、歯石を取った後の歯の表面はデコボコしていますので、歯石除去だけでなく、研磨してツルツルにしてあげる(ポリッシング)必要があります。
歯石取りの目的は、歯石を落として歯の表面もツルツルにして歯垢を付きにくくすることなのです。
歯石除去(スケーリング)+ポリッシングで1−2万円程度です。
これに抜歯があるとその本数によって、2000円✖️抜歯の本数が目安にかかる費用です。
更に、口と鼻がつながるような口鼻瘻管の場合はその穴を塞ぐ治療(フラップ術:〜5万)も必要です。
また、歯周病がひどく、顎の骨が折れてしまっている場合は、その手術(~20万)も必要です。
放置すればするほど原状回復に費用がかかってしまいます。
定期的な歯石管理、歯石除去をすることが、結果犬や猫にとっても負担が少なく、お財布にも優しいです。
歯科処置における全身麻酔の重要性
高齢動物の口腔疾患を治療するにあたっては、全身麻酔を常に考慮しなければなりません。
口腔内の外科的治療はもちろんのこと、歯垢・歯石除去であっても無麻酔での治療は禁忌です。
このことは、日本小動物歯科研究会による提言“無麻酔での歯垢・歯石除去について"および米国獣医歯科学会(AVDC)による意見書にも明確に述べられています。
米国獣医歯科学会(AVDC)による意見書の概要
- 先端が鋭利な器具を使用するため、動物の動きによりロ腔内を傷つける恐れがある
- 動物の反応により術者が咬まれる可能性がある
- 専門的な歯垢・歯石除去とは、歯肉縁の上下を含む歯面の歯垢・歯石除去と歯の研磨を行うことである
- 歯周病の治療には、歯肉縁下の歯垢・歯石を除去する必要があるが、無麻酔の動物ですべての歯を治療することはできない
- 内眼で確認できる歯垢・歯石を除去するだけでは、歯周病の治療効果はない
- 気管チューブを創刊して吸入麻酔により、気管や肺への誤嚥を防ぐことができる
- 全身麻酔により、検査や処置に伴う疼痛を取り除き、治療を行いやすくなる
- 無麻酔の動物に詳細な口腔内検査を実施することはできないため、疾患や疼痛を伴う部位を見逃す可能性が高い
これらのほかにも、無麻酔での歯垢・歯石除去は、
重度な歯槽骨吸収を伴う歯周病症例で下額骨骨折を引き起こしてしまう危険性や、
動物に不快感や痛み・恐怖感を与えることで、
その後の口腔ケアに対して嫌悪感や忌避行動を誘発させてしまう恐れがあります。
残念なことに、無麻酔での歯科処置は一部のトリミングサロンや動物病院でも行われているのが現状ですが、これらの理由から絶対に行うべきではありません。
高齢動物では、歯周病の程度が中等度から重度であることが多く、無麻酔での治療はほぼ不可能です。
そのような個体では多くの歯が抜歯適応となるため、しばしば麻酔時間も長時間となります。
口腔内腫瘍に対しての顎骨切除や、歯肉国内炎の猫に対しての全臼歯および全顎抜歯も同様に長時間の全身麻酔が予想されます。
したがって、まず全身麻酔下での治療が可能か否かを判断したうえで、加齢に伴うさまざまな生理的機能の変化を考慮して治療方法を選択する必要があります。
高齢動物における麻酔の注意点
飼育動物の寿命の延長にともない、高齢動物に全身麻酔を実施する機会は増加していると考えられます。
その一方で、「高齢であること」を理由に全身麻酔下での治療を見送られ、病状が悪化してしまう例も少なくないのではないかと考えられます。
高齢犬で治療機会の多い口腔疾患として、歯周病や口腔内腫瘍などがあります。
高齢猫では、そのほかに歯の吸収病巣や挺出、歯内口内炎も多いです。
これらの口腔疾患の治療には全身麻酔が必要となることが多いため、治療は十分な全身の評価を行うことから始まります。
口腔疾患を有する高齢の犬および猫において、全身麻酔下での治療を行う際は、事前に評価を行うことで安全に実施できます。
口腔領域の手術における術中に注意したいポイント
- 高齢動物は周術期合併症を起こしやすく、腎不全の悪化など術後合併症の危険性も高い
- 異常を認めない場合でも諸臓器の機能が低下していることを考慮して、麻酔管理を行う
- 口腔内にモニタリング機器を設置できないため、便、被毛、色素などによる計測不備に注意
- 気管チュープを装着したままの体位変換は、最悪気管裂を生じる可能性がある
- 体位変換時は、かならず伏臥位方向に回転し、口腔内などに貯留した液体を気管内に流入させないように留意
- 全身麻酔中は必要な輸液や投薬を行い、循環動態、酸素化と換気の状態、体温を通切に保つよう留意
- 洗浄水を多用するため、頭部は常に濡れた状態にあり、体腔の露出がなくとも、低体温を引き起こしやすい
- 温風式加温装置の使用は、効果的な体温保持手段
加齢による生理的機能の変化と周術期合併症
高齢であること、それ自体は病気ではありません。
しかし、加齢に伴う生理的機能の変化と疾患は、麻酔の管理に影響を及ぼすとされています。
以下のように、加齢により主要な器官の予備力に進行性かつ不可逆的な変化を引き起こすためです。
心臓
- 高齢動物では心臓の予備力減少のため、全身麻酔による変化へ適切に反応できる能力が低下
- 循環血液量・圧受容器の活動が低下して迷走神経の緊張が増加
- 心臓の退行性変化が進行することで、心機能効率や心拍出量、心拍数などが影響を受ける。
その結果、麻酔薬による心血管抑制と低血圧の影響を非常に受けやすいです
肺
- 胸郭のコンプライアンスと肺胞の伸縮性の低下、肋間筋の萎縮などにより、呼吸抑制や無呼吸に対する換気の反応の低下
そのため、軽度~中等度の呼吸抑制であっても、顕著な低酸素症や高炭酸ガス血症を起こす可能性があります。
腎臓
- 腎血流量や糸球体濾過率の減少により腎機能も低下
- 循環血液量減少や出血、電解質および酸―塩基平衡異常、過剰な水分負荷に対する抵抗性が低下
これら腎臓の機能的予備能の低下により、麻酔に起因する腎機能不全が若い動物よりも起こりやすいです。
肝臓
- 肝酵素の減少と、加齢性の心拍出量の低下による肝内血流量の減少により、肝臓で代謝・排泄できる薬物量が減少
- 凝固因子や血漿タンパクなどの肝臓で生成される成分の量も減少
そのため、肝臓での分解に依存する薬剤の血中半減期が延長しやすいです。
麻酔薬の必要量は認知機能の低下に伴い減少し、筋肉および体内水分量の減少と脂肪の増加のため、体内の薬物分布に変化が生じます。
また基礎代謝率の減少と体温調節機能の低下により、低体温症に陥りやすくなります。
高齢動物の口腔内治療を行う際には、これら諸臓器の機能を十分評価したうえで、全身麻酔下での治療が可能か否かを判断します。
手術前に注意したいポイント
- 歯垢・歯石除去であっても無麻酔の治療は禁忌である。
- 無麻酔での歯垢・歯石除去は、とくに小型犬での下顎骨骨折の危険性や、その後の口腔ケアに対する嫌悪感、忌避行動を誘発するおそれがある。
- 加齢に伴う生理的機能の変化と疾患は、麻酔管理に影響するため、十分な術前評価を行う。
術前評価と注意事項
全身麻酔下での詳細な口腔内検査や治療が必要であると判断された場合、まず術前検査を行い、動物の全身状態を評価します。
少なくとも一般血液検査、血液生化学検査、胸部X線検査を行い、必要に応じて腹部X線検査や超音波検査などを行います。
また高齢動物の口腔疾患の治療では、多数の抜歯や腫瘤の摘出など、比較的重度な出血が予想される場合も多いです。
そのため、術前に凝固系検査として、プロトロンビン時間(PT)、活性化部分トロンポプラステン時間(APTT)や粘膜出血時間の測定を行うことが推奨されます。
高齢動物では、これら諸検査の結果、なんらかの器質的疾患が発見されることも珍しくはないです。
その場合、基本的には全身麻酔下での処置に先立ち、併発疾患の診断・治療を優先させます。
基礎疾患が内科治療により改善する見込みがある場合は、状態を補正した後に全身麻酔下での治療を実施します。
全身麻酔に耐えることができないほど重篤な全身性疾患を有する場合や、ほかの部位の悪性腫瘍を併発しているような場合は、全身麻酔下での治療は実施しません。
術中管理
高齢動物は前述のような加齢に伴う生理的な変化の影響により、さまざまな周術期合併症(低血圧、徐脈、低酸素症、低体温症、覚醒遅延など)を起こしやすく、腎不全の悪化をはじめとした術後合併症の危険性も高いです。
そのため、術前の検査結果に異常を認めないような場合でも、諸臓器の機能が低下していることを十分考慮して麻酔管理を行うことが重要です。
- 麻酔導入中の低酸素症を避けるため、高齢動物では麻酔導入の3~5分前から酸素化を行うことが推奨
- すべての全身麻酔管理で厳密なモニタリングが必要
- 高齢動物ではとくに注意深いモニタリングと異常への素早い対処が求められる。
このことは獣医麻酔外科学会による“犬および猫の臨床例に安全な全身麻酔を行うためのモニタリング指針"においても述べられており、
パルスオキシメーター、心電図モニター、プレチスモグラフ、動脈血圧測定、換気量モニター、カプノメーター、体温計などを使用して、術前から術後まで継続的なモニタリングを行うことが推奨されています。
低体温症への対策
口腔疾患の手術対象となるのは、比較的高齢な小型犬や猫が多いです。
高齢動物は周術期の低体温とそれに関連した合併症を起こしやすく、小型動物は体重と比較して体表面積が大きいため熱喪失を引き起こしやすいです。
また口腔内処置は、金属製の格子の上で実施することが一般的です。
そして超音波スケーラーや高速回転ハンドピースから発せられる熱に対しての歯面の冷却や口腔内の洗浄のために、常に頭部が水に濡れた状態となります。
これらの理由から、口腔内処置の際は体腔の露出がないにもかかわらず低体温を起こしやすい傾向があります。
手術中の低体温はさまざまな合併症を引き起こすことが知られており、
覚醒遅延や徐脈、低血圧、イレウス、血液凝固能の低下、免疫機能の低下、熱産生の低下、術後のシバリングによる酸素要求量の増大
などが報告されています。
そのため、口腔内処置であっても、ほかの一般的な外科手術と同等の積極的な体温管理を実施します。
開口器の使用
麻酔後に失明した20頭の猫の症例を集めて詳細に検討した研究結果
20頭の内訳は、歯科治療 13頭、上部消化管内視鏡処置 4頭、去勢 2頭、尿路閉塞の治療 1頭
20頭中の16頭で開口器が使われ、3頭は術中の心停止を経験していました。
口を大きく開ける処置が多く、さらに失明だけではなく斜頸や旋回運動といった神経系の症状を表す症例も報告されていることから眼球の問題よりも脳の視覚中枢が問題である可能性が高いことも判明しました。
14頭(70%)の猫は視力を回復。4頭(20%)の猫は、失明から回復しませんでした。2頭(10%)の猫は、その後の経過が不明です。
近年、猫において、口腔手術における過度な開口と術後の神経症状(視党の喪失、聴力や脳への影響)の発生についての関連性が報告されています。
猫では解剖学的に、脳への血液供給の大半は顎動脈よりなされており、最大開口時にはこの顎動脈が下顎骨角突起の物理的な移動により圧迫されます。
そのため脳ヘの血流が減少し、脳神経症状を引き起こすと考えられています。
とくにバネ式開口器の使用によりその危険性が増加することが指摘されています。
また、高齢の小型犬において歯周病が重度な症例では、歯周病に伴う骨吸収により下顎骨が過度に脆弱化している場合があります。
このような症例では不用意な開口や開口器の使用により、医原性の下顎骨骨折を引き起こしてしまう可能性があります。
下顎骨骨折を誘発する恐れがある症例では、挿管時から注意深く操作を行い、挿管後まずX線撮影を実施し、下顎骨の状態を確認します。
このような理由から、口腔内処置の際に極力開口器を使用せず、開口が必要な場合は最低限度・短時間の開口とし、これらの合併症を回避します。
疼痛管理
獣医麻酔外科学会による“伴侶動物の周術期における疼痛管理指針"では、
日常遭遇する多くの歯科処置の疼痛の程度は軽度から中等度
歯石除去と抜歯は軽度から中等度の疼痛
下顎骨切除術は中等度から重度な疼痛
上顎骨部分切除では最大の術後疼痛
に分類されています。
しかし、重度な歯周病に罹患している症例や、猫の歯肉口内炎の症例に対する多数の抜歯処置の際は、口腔粘膜を顎骨から剥離し、広範囲の顎骨を切削するという、比較的侵襲の強い手術を行うことも少なくないです。
そのため多数の抜歯を行う際も、強い疼痛があると考え、予測される疼痛の程度に応じた積極的な疼痛管理を実施します。
歯垢・歯石除去や数本の抜歯など軽度な疼痛の場合:処置前に非ステロイド系消炎鎮痛薬(NSAID)とブトルファノール
多数の抜歯や顎骨切除など中等度から重度な疼痛が予想される場合:NSAIDの術前投与に加え、術中はフェンタニルの持続投与
処置後にはNSAID、ブプレノルフィン、トラマドールなどを適宜処方している。
腎機能の低下を認める症例ではNSAlDの使用は避ける必要があります。
さらに処置の内容に応じて、術中に眼高下孔、上顎孔、オトガイ孔、下顎孔より局所神経プロックを実施します。
これら局所神経ブロックは比較的簡便に実施でき、術中・術後の疼痛を効果的に緩和できるため、口腔内処置を行う際に実施することが推奨されています。
局所神経ブロックにより吸入麻酔薬の濃度の低下が期待できるため、吸入麻酔薬による心血管系の抑制を最小限にでき、高齢動物にとっても非常に有益です。
局所麻酔薬のブピバカインは作用発現までにやや時間を要する(10~20分)反面、効果の持続時間が比較的長い(3~10時間)ために長時間の手術の際にも使用しやすいです。
一方で、ブピバインは心毒性を有し、低い血中濃度でも循環器症状を引き起こす可能性があるため、血管内への誤投与や過剰投与には十分な注意が必要です。
術後管理
麻酔覚醒後も適切な体温管理、循環維持のための輸液、疼痛管理を継続します。
歯科処置を行った症例で入院管理が必要となる症例は多くはないです。
しかし、高齢でハイリスクな症例や重度な歯周病治療、顎骨切除などを行った症例では、適宜入院での術後管理を行う必要があります。
おわりに
口腔疾患の治療は基本的には全身麻酔下での治療となるため、治療前に全身麻酔のリスクと治療後の効果を天秤にかけ、十分に検討する必要があるが、その効果は治療前の状態が重度である症例ほど大きい。
高齢動物では口腔疾患が重症化している例も少なくないが、適切な口腔内処置を施すことで以前の活力を取り戻し、残りの余生を穏やかに過ごすことができるようになる症例も多く経験します。
高齢動物の口腔疾患と遭遇した場合、速やかに診断し、くまなく全身の評価を行ったうえで、併発疾患があれば治療し、十分なモニタリングを行いながら全身麻酔を実施して、適切な処置を施すことが重要であると考えられます。