動物病院で、自分の猫がフィラリア症と診断された...
愛猫が猫のフィラリア症と診断されたけど、
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結論から言うと、猫ではフィラリア感染に抵抗性があるため感染率は低いものの、主に成虫寄生に起因する犬での病態とは異なり、犬糸状虫が成虫に成熟する前に「犬糸状虫随伴呼吸器疾患(HARD)」と呼ばれる病態を発症することがあります。
病態は複雑で、無症状のものから呼吸器症状、消化器症状、循環器症状など非特異的な症状がみられる症例まで様々です。
成虫死滅時の第2病期には突然死を引き起こすこともあります。
治療に関しても犬とは異なり、根治治療よりも症状軽減を目的とした緩和療法が主体となります。
猫での本疾患の診断と治療が困難なことから、予防薬投与による感染予防が非常に重要です。
この記事を読めば、猫のフィラリア症の症状、原因、治療法までがわかります。
限りなく網羅的にまとめましたので、猫のフィラリア症と診断された飼い主、猫を飼い始めた飼い主は是非ご覧ください。
✔︎本記事の信憑性
この記事を書いている私は、大学病院、専門病院、一般病院での勤務経験があり、
論文発表や学会での表彰経験もあります。
今は海外で獣医の勉強をしながら、ボーダーコリー2頭と生活をしています。
臨床獣医師、研究者、犬の飼い主という3つの観点から科学的根拠に基づく正しい情報を発信中!
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» 参考:管理人の獣医師のプロフィール【出身大学〜現在、受賞歴など】
✔︎本記事の内容
猫のフィラリア症〜症状、原因、治療法〜
この記事の目次
猫のフィラリア症の病原体
猫のフィラリア症は、糸状虫上科のオンコセルカ科に属する犬糸状虫の感染によって引き起こされる寄生虫疾患です。
犬糸状虫は狭い組織間隙や脈管内に寄生するため、細くて長いそう麺状を呈し、色は乳白色です。
肉眼的に特筆される特徴はなく、雄の尾部はコイル状に数回巻いており、雌(25-30cm)は雄(12-18cm)より大きいです。
しかし猫は好適宿主ではないため、発育は悪いです。
卵胎生を特徴とし、終宿主に寄生する雌虫の子宮内で卵は孵化し、宿主の血中にミクロフィラリア(体長300μm、体幅6μm)を産出します。
猫のフィラリア症の疫学
フィラリア症は熱帯、亜熱帯、温帯に多く、アジア、オセアニア、中東、アフリカ、南ヨーロッパ、南北アメリカなど、感染は世界中で確認されています。
ベクターである蚊の媒介が必要であるため、生息域である河川や沼地など、水辺の周辺が濃厚に感染を引き起こします。
保虫宿主と伝播に好都合な気候条件が両方備わっている場所があれば、どこでも伝播は可能です。
媒介蚊の発生および蚊の体内での犬糸状虫幼虫の発育には一定の環境温度が必要であり、平均日中温度が14℃を下回ると蚊体内での幼虫の成熟が中断されまする。
犬で感染が認められる地域であれば猫での感染も起こり、猫の感染率はその地域で予防を受けていない犬の感染率の5~20%と報告されています。
全国的に感染が報告されており、感染率は1998年の剖検調査の報告では、本州および九州の収容された野良猫の0.5 ~ 9.5%、飼育猫の3.0 ~ 5.2%で成虫の寄生が確認されています。
また、抗体調査においては、2004年の三重県の動物病院に来院した猫377頭で2.4%、2008年の山口県の飼育猫315頭で6.0%、2011年の新潟県の動物病院に来院した猫129頭で14.0%、関東の地域猫112頭については8.0%が陽性を示しました。
これらの数値はおおむね同地域での犬の感染率より低いことから、猫の感染への抵抗性が示唆されています。
猫のフィラリア症の宿主
犬糸状虫はイヌ科動物を好適宿主とし、犬やコヨーテ、キツネなど野生のイヌ科動物を終宿主とします。
また、トドなどの海獣類やフェレットなどにも成虫の寄生が認められます。
猫は感受性宿主ではあるものの、犬にくらべると犬糸状虫の成虫感染に対する抵抗性が強いです。
実験的に犬糸状虫に暴露されたことのない犬にL3幼虫を100隻注入すると、ほぼ100%の犬で平均60隻が成虫まで発育するのに対し、猫ではその75%で3~10隻しか成虫に発育できません。
ベクター:蚊
ベクターとして蚊の媒介が必要であり、感染犬の末梢血中のミクロフィラリアを蚊が吸血し、ミクロフィラリアは蚊の体内で2回脱皮した後、蚊の吸血を介して新たな感染を起こします。
日本に生息している蚊は約120種いるものの,ほとんどは犬糸状虫の媒介能力をもちません。
日本においてベクターとなることが確認されているのは約16種のみです。
特に媒介能力が高い蚊としてはトウゴウヤブカ、中等度の種としてシナハマダラカ、媒介能力は低いが生息数が多いことから重要な種としてアカイエカ、ヒトスジシマカなどが挙げられます。
これらの種は日本全土に生息しており、犬糸状虫のベクターとして重要な役割を呆たしています。
猫のフィラリア症の感染経路と生活環
フイラリア症は、感受性動物と蚊によって生活環が維持されています。
犬糸状虫に感染している犬や他の動物種から、血流中のミクロフィラリアと呼ばれる第1期幼虫(L1)を蚊が吸血に際して取り込みます。
蚊に取り込まれたミクロフィラリアは、中腸を介してマルピーギ管に移動します。
マルピーギ管内で10-14日で2回脱皮して第3期幼虫(L3)に成長し、マルピーギ管を破り口吻まで移動し感染力をもつようになります。
ミクロフィラリアが蚊の体内で成熟する日数は環境気温に依存しており、28℃で10日間、18℃で30日間を要し、平均気温が14℃未満では成熟できません。
感染蚊が猫を吸血することでL3幼虫が皮下組織に侵入すると、数日(3-4日)以内に脱皮し、第4期幼虫(L4)になります。
L4は2ヶ月以上かけて皮下の脂肪組織や筋組織を移動しながら、最終的には脱皮して未成熟虫になり、末梢静脈に侵入し血流に乗って肺動脈に到達します。
未成熟虫はさらに4-6カ月かけて成熟し成虫になります。
犬では未成熟虫の多くが成虫になり、その後5-7年間生存します。
しかしながら、猫では未成熟虫の多くが肺動脈への到達直後に死亡し、死滅虫体による炎症が惹起されます。
一部の猫では少数の未成熟虫が成虫になり、この成虫が2-4年間生存します。
猫の体内での寄生虫体数は通常6隻以下であり、多くの場合1-3隻です。
雄または雌虫だけの単性寄生の可能性が高く、さらに、性成熟に至らないなどの理由で猫の末梢血中にミクロフィラリアを認めることはまれです。
認めたとしても、猫の免疫機構によって一過性の出現に留まります。
また、猫の体内では完全な成熟を遂げられずに全身系静脈への侵入に失敗することが多く、移行中の虫体は異所(筋肉内、腹腔内、脳内、眼球内など)に迷入する可能性が犬よりも高いです。
猫のフィラリア症の感染の特徴
病態生理
猫のフイラリア症は、3つの病期に分けられます。
第1病期
第1病期は未成熟虫が肺動脈に到達した直後から始まります。
未成熟虫の虫体と、未成熟虫の大半は死滅するのでその死滅した虫体に対する宿主反応として、肺血管および間質に急性炎症が引き起こされます。
その際にみられる臨床症状として発咳、呼吸困難、食事のタイミングと無関係な嘔吐が出現する場合があります。
しかし28%の猫では症状を示しません。
この時期にすでに肺血管周囲に炎症細胞浸潤が起こっており、アレルギー性気管支炎や気管支喘息と間違われることもあります。
この変化は胸部X線画像上での肺動脈拡大や気管支間質パターンとして認められることがあり、猫に特有の病態として犬糸状虫随伴呼吸器疾患(heartworm-associated respiratory disease:HARD)と命名されています。
猫では、未成熟虫が成熟して成虫になると、宿主の免疫応答が抑制されて症状が緩和されることがあります。
これは肺血管内で犬糸状虫が猫の単核食細胞系の主要細胞であるマクロファージを抑制するためと考えられています。
第2病期
第2病期は、成虫が死滅しこの免疫抑制機構が消失することで始まります。
死滅した虫体が重度の炎症および肺血栓塞栓症を惹起することにより、重篤な急性肺障害や突然死を引き起こします。
この際の突然死は10-20%と報告されています。
第3病期
第2病期を乗り越えた猫の肺は、正常なI型肺胞細胞がⅡ型肺胞細胞の過形成によって置換され、肺に不可逆的な病変が形成されています。
これが原因となって、第3病期である慢性呼吸器疾患に至ります。
猫のフィラリア症の臨床症状
猫はフイラリア症の感染に抵抗性があり、顕著な臨床徴候を示さないか、 一過性の徴候を呈するに留まります。
徴候は多岐にわたり、はっきりしない沈うつ、食欲不振や体重減少などの一般状態の悪化、呼吸器および消化器症状、または神経症状が慢性あるいは急性に発現します。
慢性の発咳、突発的あるいは間欠的な呼吸困難、頻呼吸などの呼吸器症状や、食事と関連しない嘔吐がよく認められる症状です。
犬で一般的な症状である心不全徴候(胸水、腹水、乳び胸、運動失調、湿疹)はまれです。
これは心不全を起こすほどの成虫寄生を生じることが少ないことが原因ですが、右房室接合部に成虫が寄生して三尖弁機能を妨げられている猫では、心雑音とともに心不全徴候が認められます。
また呼吸促迫、運動失調、虚脱、発作、喀血、突然死などの甚急性の症候群が前兆もなく発生することもあり、本疾患を深刻なものとしています。
猫のフィラリア症の診断
猫のフィラリア症の診断は犬に比較して難しく、感染を見逃す可能性が高いです。
これは、どの検査法も幼虫から成虫まで様々な発育段階にある犬糸状虫を確実に検出できるわけではないことに起因します。
そのため、猫の診断では複数の検査を繰り返し実施することが推奨されています。
本疾患の臨床的診断で有用なものとして、胸部X線検査、犬糸状虫抗体検査、犬糸状虫抗原検査、および心エコー図検査が推奨されています。
血液検査、ミクロフィラリア検査
好酸球増多症あるいは好塩基球増多症の存在は、フィラリア感染を疑う所見となるものの、必ずしもみられるわけではありません。
ミクロフィラリア検査に関しても、感染猫でミクロフィラリア血症を呈していることはほとんどなく、出現したとしても一過性に終わるため、診断における有用性は低いです。
抗体検査
猫のフィラリア症における抗体検査および抗原検査の検出能力には限界があり、両検査ともに結果を正しく解釈する必要があります。
抗体検査は犬糸状虫に感染した猫で産生される「抗体」を検出する検査であり、免疫応答の刺激により感染後2カ月の段階で検出が可能となります。
抗体検査の陽性結果は、その猫の体内で「犬糸状虫が L4まで成長しており、さらに成長する可能性がある」もしくは「過去に犬糸状虫に暴露されたことがある」ことを示しています。
抗体検査の検出率にはかなりの幅があり、フロリダ州の保護施設における剖検調査では、8種類の方法で抗体検査を行ったところ偽陰性率は11-68%でした。
また、犬糸状虫の発育段階によっても結果にばらつきがあり、評価を難しくしています。
このことから、猫のフイラリア症は抗体陰性であっても、感染の可能性は除外できません。
抗体検査は現在、国内ではアイデックスラボラトリーズおおよび富士フィルムモノリスで外注検査として利用が可能です。
抗原検査
抗原検資は雌の犬糸状虫が産生する抗原を検出する検査です。
抗原検査は犬で使用する抗原検査キットを流用することが可能であるため、院内での検査が可能です。
犬においてはフイラリア症診断のゴールドスタンダードですが、猫における抗原検査の感度は50~86%であり、猫では抗原陰性であってもフィラリア症を除外できません。
また、犬と同様に寄生初期や雄虫の単性寄生の場合にはほとんど検出できません。
さらに、猫では未成熟虫が肺動脈に到達した際にそのほとんどが死滅することから、この時期の未成熟虫は検出が難しいため、HARDの診断はできません。
胸部X線検査
胸部X線検査はフィラリア症を確認するだけでなく疾患の重症度を評価し、疾患の進行または改善をモ ニターする上で有用です。
最も特徴的な所見は肺動脈の拡張であり、場合によっては蛇行および切り詰め像が認められます。
これは右後葉動脈で好発します。
また、気管支間質パターンを示す肺陰影はよく認められる二次的な特徴であり、フィラリア症に特有ではないものの、感染を示唆する所見です。
これらの特徴的な所見も時間の経過とともに正常化する傾向があり、完全に消失して感染の形跡を残さないこともあります。
このことも診断を難しくする一因です。
また、ほとんどの猫は肺高血圧症を発症するほどの成虫寄生は起こさないため、心陰影自体が拡大することは まれです。
心エコー図検査
心エコー図検査は、猫の右心房・右心室から肺動脈分岐部までを抽出することで、成虫の検出が可能です。
成虫の寄生は主肺動脈および右肺動脈で最も認められ、高エコー性の二重ラインが描出されることで診断を確定できます。
心エコー図検査での検出率は自然感染の猫で68%、実験感染においては88%と報告されています。
しかし一般的な少数感染例では検出が難しく、さらにHARDにおいては未成熟虫が死滅して発症することから、心エコー図検査では検出できません。
剖検による確認
猫において犬糸状虫感染の生前診断は困難であるため、フィラリア症による死亡が疑われる猫や死亡原因が特定できない猫では、剖検による確認も推奨されます。
剖検下でも1~2隻の犬糸状虫は高率で、見逃される可能性があり、特に未成熟虫や死滅虫体、および虫体断片は検出が困難であることから、大静脈、右心および肺動脈を詳細に検索しなければなりません。
死滅した虫体は血流によって肺の遠位端に押し込められるため、肺動脈遠位端の検査には特に注意が必要です。
感染が異所寄生に限られることもあるため、全身の動脈および体腔のほか、神経徴候が存在した症例では脳や脊柱管も検索すべきです。
猫のフィラリア症の治療
治療は犬の場合と大きく異なります。
犬において治療のゴールは体内に寄生する犬糸状虫の駆除ですが、猫では犬で行われるような薬剤による成虫駆除は推奨されず、事実上禁忌です。
成虫感染によって猫の免疫応答が抑制されることが研究から示唆されています。
駆除薬の投与により成虫を駆除すると、この免疫応答の抑制が解除されることで死滅した虫体に対する肺の炎症および血栓塞栓症を引き起こし、この反応はしばしば致死的なものとなります。
以上の理由より薬剤による成虫駆除は推奨されていません。
それに加え、成虫駆除薬であるメラルソミンの猫への安全性は低く、薬剤自体の毒性および効力不足を考慮し 、罹患猫へは支持療法 (緩和治療)が推奨されています。
支持療法
X線検査で肺病変を認める猫には、プレドニゾロンの漸減投与が推奨されます。
また、抗体検査、抗原検査が陽性で臨床徴候を示している猫にも適応されます。
投与は抗炎症量である1-2mg/kg 1日1回で開始し、週ごとに漸減しながら2週間を目処に0.5mg/kgの隔日投与まで、漸減しさらに2週間後に投与を終了します。
治療効果の判定には胸部X線検査を用い、臨床徴候が再発する場合には治療を反復します。
急性期呼吸困難,ショックに対して
急性期の呼吸困難の治療にはデキサメサゾン(1-2 mg/kg、静脈内投与または筋肉内投与)、もしくはコハク酸メチルプレドニゾロン(50-100mg/kg 静脈内投与)が有用です。
急性症状を呈した猫にはショックに準じた処置が必要であり、上記に加えて酸素テントや鼻カテーテルによる酸素吸入、輸液を実施します。
循環不全を呈した症例では体温維持も難しいことから、保温などの体温管理が必要となります。
また、気管支拡張薬であるアミノフイリン(4-6 mg/kg ゆっくり静脈内投与)やテルブタリン(0.01mg/kg,皮下投与)も適応となります。
成虫感染のステージの症例に対して
肺血管内で成虫にまで成長したステージでは、猫が明らかな臨床徴候を呈していない場合、成虫が寿命により死滅するのを待つことも選択肢のひとつです。
このような不顕性症例においては抗体検査、抗原検査、胸部X線検査および心エコー図検査により定期的にモニタリングします。
X線所見の消退や心エコーおよび抗原検査の陰転は、成虫死滅による危険な時期(第2病期)が過ぎ去ったことを意味します。
なお、成虫死滅時の急性肺障害の予防を目的にロイコトリエン拮抗薬(モンテルカス 2mg/head 1日1回)の投与の有効性が報告されています。
また、飼い主に10mgのデキサメサゾンを充填した注射シリンジを処方し急性期の応急処置に使用するよう指示する場合もあります。
大静脈症候群
成虫寄生のステージでは、まれに大静脈症候群がみられる場合があります。
猫の場合、ほとんどがわずか1-2隻の虫体によって引き起こされ、 三尖弁の逆流と、それに伴う心雑音が聴取されます。
本病態においては外科的な虫体摘出が必要であり、通常、頚静脈より硬性のアリゲータ鉗子、もしくはストリングブラシを挿入して虫体を吊り出します。
また、右心室への鉗子の挿入が困難な場合、開心術による虫体の摘出を試みることもあります。
吊り出しの際、虫体を損傷させると虫体内部の物質の漏出によって急性の循環不全を呈するため、慎重な操作が必要です。
猫のフィラリア症の予防
予防に関しては、本疾患の診断と治療が困難なことから、犬以上に重要です。
犬と同様に屋内外飼育を問わず予防が推奨されており、感染が起こる時期(蚊の活動開始時期)の30日後までに予防を開始し感染終了の時期(蚊の姿がみられなくなる)の30日後まで継続します。
これは同地域での犬の予防期間と同様です。
アメリカでは予防薬の通年投与も推奨されており、これは製剤によっては、犬糸状虫以外の腸管あるいは外部寄生虫を予防できること、飼い主の投与し忘れを防止する効果を期待できるためです。
スポット剤が販売されており、フィラリア症を安全かつ事実上100%予防することができます。
また、感染猫においてもさらなる感染を防ぐために投薬が推奨されており、上記の予防薬は安全に予防が可能です。
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-高層マンションの上階では、蚊に刺されるリスクは確かに少ないです。
しかし、蚊がエレベーターや階段を利用し上階に上り、廊下の隅に潜伏し、扉を開けた際に室内に侵入してくることもないとは言い切れません。
室内飼いの猫だからといって、「フィラリア感染のリスクが全くない」と安心することはできません。
猫はフィラリア感染に対して抵抗性をもつことから、たとえ感染蚊に吸血されても必ずしもフィラリア症になるわけではありません。
しかし、いったん感染すると犬のフィラリア症以上に治療が難しいことを考慮し、最善の選択をするべきです。