獣医師解説!犬、猫の視床下部・下垂体の疾患まとめ!14選

すべての内分泌疾患は、ある特定のホルモンが過剰になるか、あるいは不足することによって引き起こされます。

ホルモンが過剰になる原因の多くは、内分泌腺の腫瘍もしくは過形成です。

ホルモンが不足する原因の多くは、内分泌腺の破壊か萎縮です。

内分泌疾患の発症機序はかなり単純です。

ホルモンと名のつく物質は多種多様であり、それぞれが密接な相互関係を保っているので、実際の症例における病態は単純なものにはならないです。

しかし、複雑にからみあった病態でも、ホルモン測定値という正確で客観的な指標があり、理論で診断でき、診断できれば治療できます。

この記事を読めば、犬、猫の下垂体場所、ホルモン、関連する病気がわかります。

限りなく網羅的にまとめましたので、犬、猫の下垂体ついてご存知でない飼い主、また犬、猫を飼い始めた飼い主は是非ご覧ください。

✔︎本記事の信憑性
この記事を書いている私は、大学病院、専門病院、一般病院での勤務経験があり、
論文発表や学会での表彰経験もあります。

記事の信頼性担保につながりますので、じっくりご覧いただけますと幸いですm(_ _)m

» 参考:管理人の獣医師のプロフィール【出身大学〜現在、受賞歴など】

✔︎本記事の内容

犬、猫の視床下部・下垂体の疾患まとめ!

視床下部とは

視床下部とは

視床下部は、発生学的に脳の最も古い部分のひとつです。

摂食、満腹、飲水、熱産生、熱放散、睡眠、覚醒や性行動など、動物にとって根本的な生命活動は、それぞれ視床下部の中枢によって調節されています。

視床下部は、大脳皮質に入力された情報に基づき、下位の脊髄や延髄を介して自律神経活動を統括しています。

さらに、生命活動に欠かせない内分泌メカニズムのほとんどが視床下部に支配されています。

下垂体とは

下垂体とは

下垂体は、視床下部の支配にしたがってホルモンを分泌する小器官です。

下垂体は発生学的かつ解剖学的に前葉、中間葉(中葉)および後葉に分けられます。

下垂体前葉、中葉

前葉および中間葉は、胎生期の口窩上皮が脳底に向かって伸張したものです。

それに対し、後葉は間脳の一部が腹側に向かって伸張したものです。

下垂体前葉には、6 種類の前頭ホルモンを産生、分泌する細胞群が混在しています。

  • 成長ホルモン(GH)
  • 副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)
  • 甲状腺刺激ホルモン(TSH)
  • 卵胞刺激ホルモン(FSH)
  • 黄体形成ホルモン(LH)
  • プロラクチン(PRL)

また、メラニン細胞刺激ホルモン(MSH)は中葉ホルモンに分類されるが、その分泌細胞の多くは前葉に局在しています。

前葉ホルモンの産生と分泌を制御する視床下部ホルモンは、下垂体門脈を経由して下垂体前葉に達します。

GH ならびにPRL は、視床下部由来の放出ホルモンと放出抑制ホルモンのバランスにより制御されています。

ACTH、TSH、FSH およびLHは、視床下部由来の放出ホルモンの刺激により分泌されるが、視床下部には直接抑制されない。

そのかわり、ACTH、TSH、FSH やLH の刺激により末梢器官で分泌されるホルモンが視床下部に達し、各々に対応する放出ホルモンの分泌を抑制します(ネガティブフィードバック)。

  • 成長ホルモン(GH)
    放出:成長ホルモン放出ホルモン(GHRH)
    抑制:ソマトスタチン
  • 副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)
    放出:コルチコトロピン放出ホルモン(CRH)
    抑制:コルチゾール
  • 甲状腺刺激ホルモン(TSH)
    放出:甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)
    抑制:甲状腺ホルモン(T4、T3)、ソマトスタチン(視床下部室周囲核)
  • 卵胞刺激ホルモン(FSH)
    黄放出:体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)
    抑制:エストロゲン、アンドロゲン
  • 黄体形成ホルモン(LH)
    放出:黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)
    抑制:エストロゲン、アンドロゲン
  • プロラクチン(PRL)
    放出:甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)
    抑制:ドパミン、ソマトスタチン

下垂体後葉

下垂体前葉の場合と異なり、下垂体後葉は軸索を介して視床下部と直接連続しています。

  • バソプレッシン
  • オキシトシン

視床下部にある細胞体で合成され、下垂体後葉にある神経末端まで軸索輸送され、一時的に貯蔵され、細胞体の興奮により分泌されます。

何らかの原因によりこれらのホルモンの分泌が不足したり、あるいは調節機構の破綻によりホルモンの分泌が亢進すると、

末梢におけるホルモンの作用が不足あるいは亢進し、特異的かつ様々な臨床症状が発現します。

ホルモンが関与する病気

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no life no dogs & catsをモットーに、いつも犬と猫に癒されています。国立大学獣医学科卒業→東京大学附属動物医療センター外科研修医→都内の神経、整形外科専門病院→予防医療専門の一次病院→地域の中核1.5次病院で外科主任→海外で勤務。
現役獣医師が海外で勉強しながら得た、犬と猫の病気に対する知識とスキルを発信していきます。

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