動物病院で、自分の犬が回虫症と診断された...
犬回虫症と診断されたけど、病院での説明不足や、混乱してうまく理解できなかった、もっと詳しく知りたいという事でこの記事に辿りついたのではないでしょうか?
ネット上にも様々な情報が溢れていますが、そのほとんどが科学的根拠やエビデンス、論文の裏付けが乏しかったり、情報が古かったりします。
中には無駄に不安を煽るような内容も多く含まれます。
ネット記事の内容を鵜呑みにするのではなく、
情報のソースや科学的根拠はあるか?記事を書いている人は信用できるか?など、
その情報が正しいかどうか、信用するに値するかどうか判断することが大切です。
例えば...
- 人に移るの?
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これを読んでいるあなたもこんな悩みを持っているのでは?
結論から言うと、回虫症は、回虫科トキソカラ属の比較的大きな線虫の腸管感染によって引き起こされます。
犬では犬回虫が重要ですが、犬小回虫の感染もみられます。
犬回虫は母犬からの胎盤感染により子犬では普通に感染がみられますが、年齢抵抗性があるので成犬では虫卵の排出はまれとなります。
糞便とともに外界に排出直後の虫卵には感染性はないですが、湿潤で適温の外界では2~3週間で感染性をもつ幼虫形成卵となる。
幼虫形成卵は固有宿主である犬に感染するばかりでなく、非固有宿主である様々な動物(人を含めた哺乳類・鳥類)に感染し、その全身組織で被嚢します。
このような動物肉を食することで犬での感染が起こり、人でも感染が起こります。
生活環境中の幼虫形成卵、あるいは被嚢幼虫を含む食肉を食した人でトキソカラ症と呼ばれる幼虫移行症が問題となるので、犬回虫卵を含む糞便を放置しないことが重要です。
この記事では、犬の回虫症についてその原因、症状、診断方法、治療法までをまとめました。
限りなく網羅的にまとめましたので、犬の回虫症と診断された飼い主、犬を飼い始めた飼い主は是非ご覧ください。
✔︎本記事の信憑性
この記事を書いている私は、大学病院、専門病院、一般病院での勤務経験があり、
論文発表や学会での表彰経験もあります。
今は海外で獣医の勉強をしながら、ボーダーコリー2頭と生活をしています。
臨床獣医師、研究者、犬の飼い主という3つの観点から科学的根拠に基づく正しい情報を発信中!
記事の信頼性担保につながりますので、じっくりご覧いただけますと幸いですm(_ _)m
» 参考:管理人の獣医師のプロフィール【出身大学〜現在、受賞歴など】
✔︎本記事の内容
犬の回虫症〜原因、症状、治療法〜
犬の回虫症の病原体
犬回虫は、回虫目、回虫科に属する比較的大形の線虫です。
虫体は白~淡黄色の厚い外皮(クチクラ)で、覆われ、体長は雄虫で4~10cm、雌虫で5~18cm程度です。
虫卵は、特徴的な蛋白膜をもち、回虫以外の虫卵と容易に区別できます。
犬の回虫症の疫学
世界的に分布しており、国内の犬にも普通にみられます。
これまで国内で報告されている犬回虫の糞便検査での虫卵陽性率は、埼玉県の保護収容犬906頭の調査で12.5%(113頭)。
年齢別にみると1歳齢未満の犬では42.1%、1歳齢以上では6.2%でした。
大阪の収容犬212頭における調査では、25% (53頭)が陽性、うち5カ月齢未満の犬では34.9%でした。
子犬での虫卵陽性率が高いことは、後述する「感染経路と生活環/感染の特徴」に記した年齢抵抗性のためと考えられます。
販売を目的とした全国各地の繁殖施設およびそこから購入直後の1-6カ月齢の犬で4.8%(6/124頭)、販売前の子犬(平均44日齢)で5.9%(90/1.535頭)と報告されています。
また、国内各所の動物病院を受診した一般家庭飼育犬2.365頭の調査では、10.6% (250頭)から犬回虫卵が検出されています。
飼育環境によって感染率は大きく異なると考えられますが、全国的に犬回虫の感染は一般的です。
どこで生まれた子犬であっても感染している可能性があるため、子犬期の駆虫とその後の定期的な駆虫が重要です。
人での幼虫移行症(卜キソカラ症)
犬回虫は、猫回虫とともに人に幼虫移行症を引き起こすことがあります。
犬や猫の糞便を放置したり、散歩時に犬自体を離すことで、環境中に犬回虫卵を拡散し犬のみならず人への感染機会を増加させる可能性があります。
犬の回虫症の宿主
犬およびイヌ科動物
犬の回虫症の感染経路と生活環/感染の特徴
虫卵を経口摂取するだけで中間宿主を介さない直接発育が成り立ちますが、実際には非常に複雑な生活環を営みます。
終宿主である犬から排出されたばかりの虫卵には感染力はなく、外界で発育し虫卵内に感染幼虫(第3期幼虫)が形成されて、初めて感染可能になります。
虫卵は12℃以上の湿潤な環境で発育を開始し温度条件にもよりますが、およそ2-3週間程度で感染幼虫が形成された幼虫形成卵になります。
外界に排出された虫卵の環境抵抗性は強く、条件によっては何年も生きつづけけます。
消毒薬などの様々な薬品にも強い抵抗性を示すため、ホルマリン固定した虫体であっても、虫卵は活性を維持している可能性があり、十分な注意が必要です。
最終的には小腸に寄生し成虫となって虫卵を排出しますが、そこに至るまでには以下に記すような体内移行型と感染経路をとります。
気管型移行
生後2~3カ月齢の子犬に経口摂取された犬回虫卵は、小腸内で孵化し、幼虫は腸壁のリンパ管からリンパ節、門脈系の静脈に入り、肝臓へ移動します。
その後、肝臓から後大動脈、心臓を経て肺にたどり着き、ある程度成長した後、気管支から気管、咽頭を経て(再嚥下)、胃に移動します。
胃にしばらく留まった後にようやく小腸へと到達し、成虫となります。
虫卵排出は、感染後4~5週で起こります。
感染しても虫卵が排出されるまでの期間は、当然ながら糞便検査では診断できません。
この期間をプレパテントピリオドと呼びます。
全身型移行
子犬の月齢が進むと、気管に移行する幼虫数は徐々に減少し大部分が第3期幼虫のまま大循環に乗り、全身へと移行します。
全身の筋肉や臓器にたどり着いた幼虫は発育を休止し感染力を保持したまま被嚢します。
一部の第3期幼虫は、そのまま腸管から排出され、他の犬への感染源となることも知られています。
年齢抵抗性
子犬では虫卵の経口摂取により気管型移行による小腸での成虫感染が成立します。
約6カ月齢を過ぎた犬では全身型移行が主体となり、腸管内に成虫の寄生がみられなくなります。
前述の疫学の項にも記したように、成犬とくらべ子犬では虫卵陽性率が著しく高いです。
ただし成犬に全く成虫が寄生しないわけではなく、宿主側の条件によっては虫卵を検出する例もあります。
胎盤感染
感染歴のある雌犬が妊娠すると、全身型移行により体内に分布し休眠していた第3期幼虫の一部が再活性化し組織を離れます。
再活性化した幼虫は、妊娠約6週目に胎盤を介し胎子の肝臓へ侵入します。
出生後、幼虫は子犬の肝臓から気管型移行により小腸へ到達し成虫となります。
この場合のプレパテントピリオドは、生後3週間程度である。
なお、新生子犬体内でもすべての幼虫が成虫になるのではなく、全身型移行を行う幼虫もいます。
母犬体内においても、休眠中のすべての幼虫が一度に再活性化するのではなく時期を違えますが、これは次の発育機会を待つ生存戦略とも考えられます。
経乳感染
妊娠末期や授乳中の雌犬では、再活性化した幼虫は乳汁中に移行し、哺乳期の子犬に感染します。
子犬へ感染後、約5週で虫卵が排出されます。
感染母犬の乳汁は人への感染源にもなるので、子供などが犬・猫の乳汁を舐めないよう注意が必要です。
ペットを触った後の手洗いの重要性の1つです。
待機宿主
幼虫形成卵を経口摂取したイヌ科動物以外の非固有宿主体内では成虫にはなれないため、幼虫は全身の臓持に入り込み、全身型移行と同様に感染力を保持したまま被嚢し発育を休止します。
これらの動物を終宿主である犬が捕食すれば、感染環が再び回りはじめます。
人の幼虫移行症の原因としても、待機宿主として犬回虫に感染したウシ、ニワトリなどに由来する食肉の生食が重要視されています。
犬の回虫症の発症機序
胎子期に重度の感染を受けた場合、子宮内で死亡することもあるとされるが自然感染での実態は明らかではないです。
子犬における小腸内での成虫寄生では、腸壁への咬着などはないものの、大型虫体の接触による腸粘膜損傷などが起こります。
小型犬種では、消化管も細いため、症状が出やすいことも考えられます。
また、消化管内の食渣を横取りされるため、栄養不良に陥り、発育や代謝が阻害されます。
犬の回虫症の臨床症状
小腸への成虫寄生により、嘔吐や下痢、発育不良、腹部膨満、貧血、削痩などです。
虫体の吐出や多数寄生での腸閉塞も知られています。
消化管に損傷などの病変がある場合には、穿孔し腹膜炎を起こすこともあります。
よほど重篤でなければ、血液検査所見には異常がみられないことが多いです。
吐出虫体を気管型移行中の第3期幼虫であるなどと書いたインターネット上の情報もありますが、その時期の幼虫は1mmにも満たないことから、虫を吐いたと気付いて動物病院にもってきた時点で、それは第3期幼虫ではないです。
幼虫が体内の様々な臓器に迷入や異所寄生することによって、神経症状や黄疸など、その部位に応じた不特定の症状がみられることもあります。
しかし、このような症例に至るケースはほとんどないです。
犬の回虫症の診断
糞使検査による虫卵検出を行います。
直接塗抹法、浮遊法、ホルマリン・エーテル法などで検出可能です。
浮遊法
ショ糖液を用いた浮遊法は時間が経っても虫卵の変形が少ないです。
年齢抵抗性があるため、虫卵を排出するのは子犬の時期ですが、成犬であっても免疫力の低下などの条件が重なれば虫卵を検出することがあります。
育子期の母犬は子犬の肛門を舐めたり、糞便を口にすることもあるので、子犬由来の虫卵がそのまま母犬の糞便から検出されることもあります。
犬の回虫症の治療
現時点では国内での犬への適応が認可されていない薬剤も含め、
- イベルメクチン
- エプリノメクチン(未認可)
- エモデプシド
- モキシデクチン
- パモ酸ピランテル
- フェパンテル
などが犬回虫の駆虫に有効です。
フイラリア予防薬として定期的に投与される駆虫薬に回虫駆除作用を謳う製剤も多く販売されているため、飼育環境に応じて適宜選択します。
お腹の虫は、犬の消化管にすみついて消化物を栄養源にしたり、腸に咬みついて血液を吸ったりします。
その為たくさん寄生すると、犬の元気消失、消化不良、貧血、発育不良などの症状を起こします。
子犬の場合は検便で発見される前に深刻な症状になり、命に関わることがあるので特に注意が必要です。
お腹の虫は駆除薬を飲むことで駆除することができます。
しかし、飼育環境に散らばった虫卵までは駆除できません。
環境条件が良ければ約10日~20日で感染力の強い卵となり、1年以上感染力を持ち続けることもあります。
ペットが再感染を繰り返す原因にもなり、ペットだけではなく同居のヒト(特に幼児)にも感染するリスクが高まります。
したがって、定期的な駆除薬の投与(定期駆虫)が推奨されます。
これら駆虫薬の多くは体内移行中の幼虫には効果が低いですが、エプリノメクチン、エモデプシド、モキシデクチンは移行中の幼虫にも高い効果が認められています。
回虫駆虫薬(飲むタイプ)
ドロンタールプラス
ドロンタールプラス(Drontal Plus) 犬用は、お腹の虫(犬回虫、犬鉤虫、犬鞭虫、瓜実条虫)駆除薬です。
ドロンタールプラス錠は有効成分プラジクアンテルとパモ酸ピランテル及びフェバンテルの配合により、お腹の虫(犬回虫、犬鉤虫、犬鞭虫、瓜実条虫)に対して単回投与で高い駆除効果が得られる画期的な駆除薬です。
プラジクアンテルが条虫・吸虫の駆除に、パモ酸ピランテルとフェバンテルが線虫の駆除にそれぞれ優れた効果があり、3つの有効成分の配合によって相乗的な駆除力を発揮します。
また、産卵前の未成熟な寄生虫に対しても高い駆除効果があります。
通常1回、体重1kg当たりプラジクアンテル5mg、パモ酸ピランテル14.4mg、フェバンテル15mg(体重10kg当たり1錠)を基準量として次の量を経口投与してください。
- 体重0.5kg以上2.5kg未満 1/4錠
- 体重2.5kg以上5kg未満 1/2錠
- 体重5kg以上10kg未満 1錠
- 体重10kg以上20kg未満 2錠
- 体重20kg以上30kg未満 3錠
- 体重30kg以上40kg未満 4錠
効果:犬回虫、犬鉤虫、犬鞭虫、瓜実条虫の駆除
商品名:ドロンタールプラス(Drontal Plus)[犬用]
内容量:1箱20錠
メーカー:バイエル(Bayer)
1箱:3,016円
ドロンタールプラスのジェネリック
ウォレックス(Worex)
犬用内部寄生虫駆除薬であるドロンタールプラス錠のジェネリック医薬品です。
1回の投与で主要な消化管内寄生、蠕虫を駆除します。
ウォレックスは、日本国内で動物用医薬品として承認されている、ドロンタールプラス錠と同じ有効成分を配合した犬用の内部寄生虫駆除薬です。
ウォレックスは、条虫・吸虫駆除に優れた効果を発揮するプラジクアンテルと、線虫駆除に優れた効果を発揮するパモ酸ピランテル、フェバンテルを含有しています。
これら3つの有効成分によって相乗的な駆除力を発揮するのが特徴です。
産卵前の未成熟な寄生虫に対しても高い駆除効果を有します。
通常1回、体重1kg当たりプラジクアンテル5mg、パモ酸ピランテル14.4mg、フェバンテル15mg(体重10kg当たり1錠)を基準量として次の量を経口投与します。
- 体重0.5kg以上2.5kg未満 0.25錠
- 2.5kg以上5kg未満 0.5錠
- 5kg以上10kg未満 1錠
- 10kg以上20kg未満 2錠
- 20kg以上30kg未満 3錠
- 30kg以上40kg未満 4錠
商品名:[ドロンタールプラスジェネリック]ウォレックス(Worex)
内容量:1箱40錠
メーカー:サイエンティフィックリメディイズ(Scientific Remedies)
1箱:2,373円
キウォフ、Kiwof
犬用内部寄生虫駆除薬であるドロンタールプラス錠のジェネリック医薬品です。
1回の投与で主要な消化管内寄生蠕虫を駆除します。
Kiwof Plus犬用は、ドロンタールプラス錠と同じ有効成分から成る犬用腸内寄生虫駆除剤です。
有効成分のプラジクアンテル、パモ酸ピランテル、フェバンテルを含有しています。
Kiwof Plus犬用は、有効成分であるプラジクアンテルとパモ酸ピランテルおよびフェバンテルの配合により、犬回虫、犬鉤虫、犬鞭虫、瓜実条虫に対し、単回投与(1回投与)で高い駆虫効果が得られる画期的な駆除剤です。
プラジクアンテルは条虫・吸虫駆除、パモ酸ピランテルとフェバンテルは線虫駆除にそれぞれ優れた効果を発揮します
また、産卵前の未成熟な寄生虫に対しても高い駆除効果があり、1回の投与で線虫類および条虫類を効果的に駆除できる幅広い効能が特徴です。
通常1回、体重1kg当たりプラジクアンテル5mg、パモ酸ピランテル14.4mg、フェバンテル15mg(体重10kg当たり1錠)を基準量として次の量を経口投与します。
- 体重0.5kg以上2.5kg未満 0.25錠
- 2.5kg以上5kg未満 0.5錠
- 5kg以上10kg未満 1錠
- 10kg以上20kg未満 2錠
- 20kg以上30kg未満 3錠
- 30kg以上40kg未満 4錠
商品名:ドロンタールプラス ジェネリック(キウォフ、Kiwof) 犬用
内容量:1箱10錠
メーカー:サヴァヘルスケアリミテッド(Sava Healthcare)
1箱:2,660円
ネクスガードスペクトラ
ネクスガードスペクトラは、犬糸状虫(フィラリア)の寄生予防とノミ・マダニの駆除及び回虫(犬回虫)、鉤虫(犬鉤虫)及び鞭虫(犬鞭虫)の駆除薬です。
ネクスガード(ノミ・マダニ駆虫薬)に犬糸状虫(フィラリア)症予防薬の有効成分であるミルベマイシンオキシムを配合しており、犬糸状虫症を予防します。
また、回虫(犬回虫・犬小回虫)、鉤虫(犬鉤虫)及び鞭虫(犬鞭虫)を駆除します。
食べやすいソフトチュアブルタイプで植物由来(大豆)による牛肉風味の嗜好性が高い経口剤です。
経口剤なのでシャンプーの影響を受けず、投与直後でもいつものように安心して触れ合えます。
投与後約30分でノミを駆除し始め、6時間でほぼ100%のノミを駆除します。効果は約1か月持続します。
マダニに対して24時間以内にほぼ100%駆除し、効果は約1か月持続します。
犬糸状虫(フィラリア)の感染を100%予防します。
犬回虫、犬小回虫を100%駆除します。犬鉤虫、犬鞭虫は99.9%駆除します。
商品名:ネクスガードスペクトラ
内容量:1箱3チュワブル錠
メーカー:ベーリンガーインゲルハイム(Boehringer Ingelheim)
効果:犬糸状虫の寄生予防、ノミ及びマダニの駆除、回虫(犬回虫、犬小回虫)、鉤虫(犬鉤虫)及び鞭虫(犬鞭虫)の駆除
【獣医師が解説】コスパ最強!犬のフィラリア予防薬!ノミダニもまとめて予防【ネクスガードスペクトラ】
獣医師が解説!ネクスガードスペクトラの効果、成分、副作用から値段、価格、通販での購入方法まで。ネクスガードスペクトラの効果や重要性、費用で病院以外で安く買う方法を知りたい飼い主へ。当記事では、犬の予防薬であるネクスガードスペクトラを格安で、安く購入する方法を、通販も含めてまとめました。
コンフォティスプラス
コンフォティスプラスは、犬用の犬糸状虫(フィラリア)症の予防、ノミ及びマダニの駆除、犬回虫・犬鉤虫及び犬鞭虫の駆除薬です。
コンフォティスの有効成分であるスピノサドに加えて、ミルベマイシンオキシムが配合されています。
2つの有効成分を配合するコンフォティスプラスは、ノミ・マダニの駆除だけでなく、フィラリア症の予防や内部寄生虫の駆除ができる薬剤です。
- コンフォティスプラス(超小型犬用2.3kg~4.5kg) 【1箱6チュアブル錠】 7,885円
- コンフォティスプラス(小型犬用/4.6~9kg) 【1箱6チュアブル錠】 8,449円
- コンフォティスプラス(中型犬用/9.1~18kg) 【1箱6チュアブル錠】 8,716円
- コンフォティスプラス(大型犬用/18.1~27kg) 【1箱6チュアブル錠】 9,207円
- コンフォティスプラス(超大型犬用/27.1~54kg) 【1箱6チュアブル錠】 9,790円
エランコ(Elanco)社から出されている、犬用の犬糸状虫(フィラリア)症の予防、ノミ及びマダニの駆除、犬回虫・犬鉤虫及び犬鞭虫の駆除薬です。
食べやすいソフトチュアブルタイプで植物由来(大豆)による牛肉風味の嗜好性が高い経口剤です。
経口剤なのでシャンプーの影響を受けず、投与直後でもいつものように安心して触れ合えます。
商品名:コンフォティスプラス
内容量:1箱6チュアブル錠
メーカー:エランコ(Elanco)
【飼い主向け】犬のノミ、ダニ、フィラリア予防薬:コンフォティスプラスとは【わかりやすく獣医が解説】
犬のノミ、ダニ、フィラリア予防にどんな薬を使ったら良いのか悩んでいる飼い主は多いんではないでしょうか?当記事では、コンフォティスの作用から副作用、値段、更に安く手に入れる方法までまとめました。犬にとって必要な予防、健康に暮らしていく方法を知りたい飼い主必見です。
犬の回虫症の予防
定期的な駆虫が有効です。
排出直後の虫卵には感染力がないため、環境中の糞便を放置せず、清掃を頻繁に行うことが大切です。
環境中の虫卵は低温や薬剤には抵抗性であり、条件が良ければ、1年ほど生存しています。
一方で乾燥や高温には弱く、50℃以上で3分以内に死滅するとの報告もあります。
飼育環境すべてを高温処理するのは非現実的ですが、食器などであれば熱湯に浸潰することで殺卵可能です。
人の犬回虫症:「トキソ力ラ症」
人での犬回虫、猫回虫の幼虫移行症を卜キソカラ症と呼びます。
非固有宿主である人に取り込まれたトキソカラ幼虫が体内を移行することで、様々な症状を引き起こします。
人への感染は、幼虫形成卵の経口摂取のほか、待機宿主として筋肉、内臓に幼虫が被嚢した家畜、家禽肉、野生鳥獣肉の生食(不完全加熱含む)によって起こります。
以前は砂場の犬・猫の糞便汚染からの小児の感染が問題視されていましたが、近年では鳥刺しや牛のたたきなどに潜む幼虫による大人の感染が増加しています。
ニワトリでの感染実験では、犬回虫では肝臓に多く幼虫が移行し、猫回虫では筋肉に分布する幼虫が多いと報告されています。
レパ刺しでは犬回虫、刺身やたたきでは猫回虫に感染する機会が多い可能性があります。
病態
内臓型、眼型、神経型に分けられます。
内臓型では、主に肺と肝臓に病変が確認されます。
肺であれば、咳、喀痰、胸痛、呼吸困難など、肝臓であれば、腹部不快感、腹痛、発熱、倦怠感などの非特異的な症状がみられることがあります。
末梢血の好酸球は通常上昇しますが、必発ではないです。
眼型では、飛蚊症、眼痛、充血、差明などを主訴とし、迷入部位によって網膜周辺部の腫溜やブドウ膜炎が生じます。
神経型はまれですが、好酸球性髄膜炎、脳炎、脊髄炎、てんかんなどの中枢神経型と神経根炎や顔面神経麻痩などの末梢神経型が報告されています。