獣医師解説!犬アトピー性皮膚炎と食物アレルギー性皮膚炎

犬においても環境抗原や食物抗原に対する血清IgEの測定が一般的に実施されるようになり、

また、食物抗原に対する血中リンパ球の反応がわかるようになったことから、

犬アトピー性皮膚炎や食物アレルギー性皮膚炎の診断機会が増加しています。

ここで使用する 「犬アトピー性皮膚炎」と「食物アレルギー性皮膚炎」を定義します。

  1. 犬アトピー性皮膚炎 :環境抗原に対するIgEが関与するⅠ型アレルギーによって生じる慢性搔痒性の皮膚炎 (食物アレルゲンは含まない)
  2. 食物アレルギー性皮膚炎 :食物抗原に対するアレルギーによって生じる慢性搔痒性の皮膚炎であり、以下の2タイプに分類される
    1)lgEが関与するⅠ型アレルギーによる食物アレルギー性皮膚炎
    2)リンパ球反応が関与するⅣ型アレルギーによる食物アレルギー性皮膚炎 (抗体は関与しない)

この記事では、犬アトピー性皮膚炎や食物アレルギー性皮膚炎の症状、原因、治療方法までの基本事項をまとめました。

限りなく網羅的にまとめましたので、アトピーやアレルギーについて詳しく知りたい飼い主、愛犬が犬アトピー性皮膚炎や食物アレルギー性皮膚炎と診断された飼い主は是非ご覧ください。

✔︎本記事の信憑性
この記事を書いている私は、大学病院、専門病院、一般病院での勤務経験があり、
論文発表や学会での表彰経験もあります。

記事の信頼性担保につながりますので、じっくりご覧いただけますと幸いですm(_ _)m

» 参考:管理人の獣医師のプロフィール【出身大学〜現在、受賞歴など】

✔︎本記事の内容

犬アトピー性皮膚炎と 食物アレルギー性皮膚炎

犬アトピー性皮膚炎の病態

犬アトピー性皮膚炎の病態

Ⅰ型アレルギーには感作相と惹起相が存在します。

感作相

ヒトのアトピー性皮膚炎では、背景に皮膚(表皮)バリア機能の低下とIgEを獲得しやすい体質(遺伝的素因)があると考えられています。

すなわち、同じ抗原(アレルゲン)に曝露されても、皮膚のバリア機能低下やIgEを獲得しやすい体質がなければ、アトピー性皮膚炎にはなりません。

犬でも同様であると考えられているため、好発犬種が存在します。

具体的には、コッカー・スパニエル、ゴールデン・レトリーバー、ラブラドール・レトリーバー、フレンチ・ブルドッグ、柴犬、シー・ズーなどがそれに該当します。

皮膚バリア機能の低下は、正常な表皮では生じない環境抗原(タンパク抗原)の経皮的侵入を許します。

表皮には、抗原提示能を有する樹状細胞であるランゲルハンス細胞が存在し、外来抗原を捕捉します。

一方で、侵入してきた環境抗原は、ケラチノサイトを刺激して活性化し、種々のサイトカインを産生させてラングルハンス細胞を活性化します。

また、侵入抗原はケラチノサイトに対し、TSLP(Thymic Stromal Lymphopoie-tin)産生を促進することで樹状細胞を介した2型ヘルパーT細胞(Th2細胞)の誘導能力を高めます。

抗原を取り込み、活性化したラングルハンス細胞は、表皮から真皮、さらには付属リンパ節へと遊走するが、それらの過程で抗原を処理し、必要な情報だけを主要組織適合遺伝子複合体 (Major Histcompatibility Complex: MHC)クラスⅡという抗原情報伝達装置 (分子)に乗せて細胞表面へ提示します。

付属リンパ節でランゲルハンス細胞は、活性化すると、炎症性サイトカイン分泌を増大させます。

アトピー性皮膚炎病変部の表皮では、TARC (Thymus and Activation-Regulated Chemokine: CCL17)も高発現しています。

リンパ節内で抗原に結合できる抗体 (B細胞レセプター)を発現したB細胞は、樹状細胞と同様に抗原をキャッチし、分解してMHCクラスⅡ分子に抗原情報を乗せます。

同じ抗原に特異性を持つエフェクターT細胞がこのB細胞と出合うと、結合して活性化され濾胞ヘルパーT細胞となる一方で、B細胞を形質細胞へ分化させ、lL 4や IL-13によってIgE抗体産生を促す手助けをします。

産生された抗原特異的IgEは、ほかの抗体とは異なって組織へ移行し、病変部の真皮に存在するマスト細胞 (肥満細胞)が持つIgE抗体に対するレセプターと結合してマスト細胞の表面で抗原トラップの準備を整えます。

ここまでの一連の過程が、Ⅰ型アレルギーにおける感作相です。

感作が成立するためには、繰り返して抗原に曝露される必要があり、一般的に環境抗原の飛散には季節性があることから、準備が整うまで数年を要します。

惹起相

感作が成立した後に、同じ抗原が侵入すると症状が誘導され、惹起相と呼ばれる段階になります。

I型アレルギーにおける惹起相は、さらに症状発現の時間的相違から即時型反応と遅延型反応に区分されます。

即時型反応

抗原曝露から30分程度で生じる反応です。

マスト細胞が保有する抗原特異的IgEに対して、侵入してきた環境抗原がその立体構造で結合・架橋することでマスト細胞にシグナルが伝達され、活性化を誘導します。

このシグナルは、マスト細胞に3つの応答を引き起こします。

  1. 脱顆により真皮ヘヒスタミンやプロテアーゼなどのケミカルメディエーターが放出
  2. マスト細胞自身の細胞膜リン脂質よリアラキドン酸カスケードによってロイコトリエンなどの脂質メディエーターが合成、分泌
  3. 炎症性サイトカインの合成と分泌

これらの作用で炎症が誘導されます。

遅延型反応

抗原曝露から8時間程度で生じる反応

IgE抗体は関与せず、活性化したマスト細胞などが産生したサイトカインやケモカインによって好酸球、好塩基球、好中球、Th 2細胞などが血中から炎症局所に誘導され集積します。

新たにサイトカインを産生・ 分泌することで炎症反応が引き起こされるものです。

I型アレルギーの注意点

注意すべきことは、Ⅰ型アレルギーの感作相と惹起相が、抗原に曝露されることで繰り返し生じている点です。

これによって慢性の炎症による複雑な皮膚病変が形成されていきます。

また、アトピー性皮膚炎では、皮膚炎を増悪させることが示唆されています。

  • 表皮におけるデフェンシンなどの抗菌ペプチド産生が低下しており、ブドウ球菌に対する易感染性 (二次性の膿皮症)が生じること
  • ブドウ球菌の産生する毒素が、集積しているT細胞を活性化させることやケラチノサイトのTSLP産生を促すこと

そして、搔痒による掻爬行動は、皮膚バリア機能のさらなる低下をもたらし、アレルゲンの侵入がより容易になります。

以上のことに加えて、多くの症例で問題となるのは、

  • アトピー性皮膚炎を引き起こしている原因と考えられる環境アレルゲンが1つとは限らないこと
  • 季節によって変化すること


また、食物アレルギーを併発している症例も、かなりの割合で存在します。

したがって、犬アトピー性皮膚炎の症例では、常に食物アレルギー性皮膚炎の合併を考慮する必要があります。

犬の食物アレルギー性皮膚炎の病態

犬の食物アレルギー性皮膚炎の病態

犬の食物アレルギー性皮膚炎には下記に分類され、病態生理や対処法を分けて理解することが重要です。

  • IgEが関与するI型アレルギー
  • lgE抗体は関与せずにリンパ球の反応によって生じるⅣ型アレルギー

そもそも食物にはさまざまなタンパク質が含まれ、それらはすべて免疫応答を起こす可能性を持っているが、通常、タンパク質は消化管でアミノ酸まで分解されてから吸収されるため、免疫反応を惹起しません。

しかし、正常な状態でも腸管からタンパク質が全く入らないというわけではないです。

さらに、ステロイドやNSAIDの使用で消化管粘膜に傷害を受けた場合は、食物抗原が通過する可能性が高まると考えられます。

このような危険性に対して、生体には、摂取した食物抗原に対して免疫反応が起こらないようにする “経口免疫寛容 "という機構が備わっています。

食物由来 の夕ンパク抗原は腸管上皮を通過した後、腸粘膜に存在する樹状細胞によって取り込まれるが、免疫反応を抑制するサイトカインであるトランスフォーミング増殖因子 (TGF-β)の作用を受けて制御性T細胞が誘導されます。

制御性T細胞は、ヘルパーT細胞と類似して樹状細胞やB細胞から提示されるアレルゲンを認識し、サイトカインを分泌します。

ただし、制御性T細胞が分泌するサイトカインは、ヘルパーT細胞の活性化を抑制するIL-10や TGF-βであり、それによって食物抗原に対するアレルギー反応が誘導されないようになっています。

このような経口免疫寛容に破綻が生じると食物アレルギーが誘導されますが、その詳細な機序は解明されていません。

食物アレルギーの皮膚症状

一方、犬の食物アレルギーでは消化器症状よりも皮膚炎を生じる例が多いことが明らかにされています。

なぜ、食物抗原によるアレルギー反応が消化器ではなく皮膚で生じるのでしょうか?

最近、ヒトではアトピー性皮膚炎と同様に、食物アレルギー性皮膚炎においても皮膚バリア機能の低下が示されています。

すなわち、食物アレルゲンが経皮的に侵入すると考えられている。

犬の食物アレルギー性皮膚炎でも抗原の侵入は経皮的に生じている可能性があります。

それであれば、フードとの距離が近い口唇や眼の周囲、排泄物が通過する肛門周囲に病変が発現するケースが多いことに一貫性があります。

また、経皮的に抗原が侵入した際には、腸管での制御性T細胞誘導とは異なり、ケラチノサイトのTSLP産生が誘導され、表皮のランゲルハンス細胞に対して IL-4を産生させ、その結果Th2細胞の分化・増殖が促進されて皮膚炎症が生じる可能性があります。

腸管免疫が未熟で、免疫反応もTh2型に傾いている子犬の時期においては、経口免疫寛容が誘導されずに消化管から食物アレルゲンが吸収されて、後に皮膚から同じ食物抗原が侵入すると、その侵入部位に皮膚病変を生じる可能性はあります。

また、犬では食物の摂取は生後約 1 カ月齢より始まるが、最近は完全離乳が早い傾向にあり、かなり早い時期から食物抗原に曝露されていることも、食物アレルギー性皮膚炎の症例が増加していることに関係していると考えられます。

なお、犬アトピー性皮膚炎の発症には2~3年を要するのに対し、食物アレルギー性皮膚炎は1歳齢未満でも発症がみられます。

さらに、食物アレルギー性皮膚炎においても二次性の膿皮症やマラセチア皮膚炎が誘導される可能性が高いです。

1) Ⅰ型アレルギーによる食物アレルギー性皮膚炎

大アトピー性皮膚炎における原因アレルゲンが環境抗原であるのに対して、経口摂取(あるいは経皮的に侵入)した食物アレルゲンが原因となるもの。

感作相と惹起相における一連の反応は、犬アトピー性皮膚炎と同一です。

2) Ⅳ型アレルギーによる食物アレルギー性皮膚炎

IV型アレルギーは、症状の発現までに24~48時間を要する遅延型アレルギーであるが、① Th1型 、② Th2型 、③細胞傷害型の3タイプに大別されています。

これらのなかで、犬の食物アレルギー性皮膚炎に関与するのはTh2型の反応と考えられています。

食物抗原による感作は、基本的にはⅠ型アレルギーと同様ですが、Ⅳ型アレルギーではIgEなどの抗体は誘導されません。

感作成立後に、同じ食物抗原が生体に侵入した場合、樹状細胞によって抗原が感作Th2細胞へ提示され、感作Th 2細胞は抗原特異的エフ ェクターTh2細胞となって機能します。

皮膚病変のある食物アレルギーでは、皮膚を掻爬しただけでケラチノサイトからケモカイン(TARCなど)が産生され、それを循環血中のエフェクターTh2細胞が感知して病変の皮膚へ向かって浸潤し、炎症反応を引き起こすと考えられています。

実際の症例では、Ⅰ型とⅣ型の食物アレルギー性皮膚炎を併発している場合が少なくないです。

さらに、犬アトピー性皮膚炎を合併していることもあり、かなり複雑です。

また、検査の結果からⅠ型とⅣ型で、原因となっている食物抗原が同一でないことも多いです。。

犬の食物アレルギー性皮膚炎では、Ⅳ型によるものが約8割を占めることが判明しています。

犬アトピー性皮膚炎の症状

まず第1に、犬アトピー性皮膚炎および食物アレルギー性皮膚炎の両者ともに、慢性の比較的強い搔痒があり、皮膚病変の分布は左右対称性であるのが一般的です。

犬アトピー性皮膚炎の発症や悪化は、環境抗原の曝露に起因するものであることから、季節性が認められることが多いです。

ただし、室内飼育の犬において、ハウスダストがアレルゲンの場合には通年性となります(夏季により重度化する可能性はある)。

皮膚病変は、身体の腹側や内側面で皮膚が柔らかく被毛も薄い部位(環境抗原が侵入しやすいと考えられる部位)です。

  • 頸部腹側
  • 腋窩
  • 腹部
  • 趾間、パッド間

境界不明瞭な紅斑や脱毛、掻爬痕、丘疹、経過が長い例では苔癬化と色素沈着が認められます。

そして、皮膚バリア機能の低下の主因である角層細胞間脂質の減少による鱗屑の増加や皮膚の乾燥もみられます。

また、外耳炎もよく観察される症状の1つです。

食物アレルギー性皮膚炎の症状

毎日の摂取食物が原因であることから、季節性は認められず通年性です。

皮膚病変は、顔面(口唇周囲と眼周囲)や肛門周囲に病変を認めることが多いです。

観察される皮疹や皮膚の乾燥は、犬アトピー性皮膚炎と同様で、外耳炎は食物アレルギー性皮膚炎でも遭遇する機会が多いです。

両側の大腿外側の被毛を自ら噛むことで、あたかもバリカンで短く刈り込んだような状態になる症例もいます。

犬アトピー性皮膚炎と食物アレルギー性皮膚炎の診断

以上のように、犬アトピー性皮膚炎と食物アレルギー性皮膚炎では、病変の発生部位に多少の違いはあるが、絶対的なものではなく、両者の合併も多いです。

そしてもっとも重要なことは、ほとんどの症例で二次感染による膿皮症やマラセチア皮膚炎を伴っていることです。

逆に膿皮症やマラセチア皮膚炎を疑う病変があれば、その背景として犬アトピー性皮膚炎や食物アレルギー性皮膚炎の存在を常に考える必要があります。

もちろん、最初から疑う必要はないですが、再発性や難治性の膿皮症やマラセチア皮膚炎の例で、その他の重要な背景である副腎皮質機能亢進症と甲状腺機能低下症が否定されれば、躊躇することなくアレルギー検査を実施すべきです。

その後の治療や管理、犬アトピー性皮膚炎と食物アレルギー性皮膚炎を合併していると考えられる症例が多いことを考慮すれば、診断の際に、血清IgE検査とリンパ球反応検査を同時に実施した方がいいです。

検査費用が高価であることや、成績はその時点のことに限られるという問題はありますが、積極的に利用すべきです。

犬アトピー性皮膚炎と食物アレルギー性皮膚炎の治療

犬アトピー性皮膚炎と食物アレルギー性皮膚炎は、対処法に共通点が多いです。

基本的には、5つに要約されます。

  1. 二次感染をコントロール
  2. 現在生じている炎症と同時に、増悪因子である掻痒を抑制
  3. 原因となっている抗原への曝露を避ける
  4. 傷害されている皮膚のバリア機能を修復
  5. その他(インターフェロンや減感作療法)

単一の方法で犬アトピー性皮膚炎や食物アレルギー性皮膚炎をコントロールすることは不可能であり、いくつかの方法を組み合わせて対応する必要があります。

また、犬アトピー性皮膚炎や食物アレルギー性皮膚炎は完治することがない疾患です。

治療の目的はいかにステロイドを使用することなく、快適に過ごすことができるようにコントロールするかになります。

※薬を安く購入する近道
最近は動物用医薬品でもジェネリックが増えており、動物病院で病気さえ診断していただいて、
必要な薬さえわかれば、動物病院で購入しなくても、オンライン通販で安く購入できます。
「ネット通販」では、まとめ買いで割引もありますので、これを使って更に安く購入するのもありですね。
薬を安く購入する場合は、下記の画像をクリックしてみてください。

シャンプー療法

アレルギー性の皮膚炎の治療において、併発する膿皮症とマラセチア皮膚炎の排除は、もっとも重要なことと考えられています。

その目的に実施されるのが、シャンプー療法です。

シャンプー療法によって二次感染予防を目的にコントロールするだけでも掻痒を含む臨床症状は、かなり改善されます。

たとえ二次感染がなくても、アレルゲンが経皮的に侵入することを考えれば、シャンプーによって皮表(皮膚の表面)に存在するアレルゲンが洗い流され、曝露が少なくなります。

そのため、シャンプーは症状改善に効果的であり、皮膚の糜爛や潰瘍がないかぎり、実施すべきです。

感染がある症例では、グルコン酸クロルヘキシジンと硝酸ミコナゾールを含み、膿皮症とマラセチア皮膚炎を同時にコントロール可能なシャンプーを用います。

はじめの2週間は1日おきに実施し、その後は週2回に減らして実施します。

感染がコントロールされた後には、角層の細胞間脂質を補うセラミド疑似物質が含まれたシャンプーによる維持を週1回程度で実施します。

もちろん、抗菌薬の内服や外用による細胞間脂質の補充も考慮する必要があります。

セフェム系抗生物質のセファレキシンを有効成分とする抗生剤です。

コルタバンス(Cortavance)犬用
コルタバンス

犬のアレルギー性皮膚炎による症状を緩和する外用ローションスプレーです。

合成副腎皮質ホルモン剤であるヒドロコルチゾンアセポン酸エステル(HCA)が、速やかに浸透した後、表皮内に長く留まり、高い抗炎症作用を発揮します。

乾性でスプレー後の皮膚のべたつきもなく、また副作用発現のリスクが少ないのも特徴です。

シャンプーを実施する際には、皮膚を過剰に摩擦することで傷つけないように注意します。

ステロイド療法

診療の初期段階では、皮膚の炎症やそれに伴う強い掻痒を抑制するために、プレドニゾロンを中心としたステロイドの“適切な"使用が必須です。

プレドニゾロン1 mg/kgの1日1回経口投与を3~4日、その後は0.5mg/kgに減量して3~4日、同量を隔日投与にして約2週間、そして状態をみて休止します。

以上は犬アトピー性皮膚炎の場合であって、食物アレルギー性皮膚炎の症例では、それぞれの用量の期間を1.5倍程度長くします。

プレドニゾロン投与が長期になる症例には、副作用の観点からシクロスポリンの投与が勧められますが、高価なこともあって困難な場合も多いです。

アトピカ

アトピカ アトピカ25 アトピカ50 アトピカ100

Atopica(アトピカ)は、犬のアトピー性皮膚炎などの皮膚疾患や自己免疫症疾患の免疫抑制剤です。

アレルゲンに対して過剰に反応してしまう免疫系皮膚細胞の働きを抑制し、皮膚の赤みやかゆみなどのアトピー性皮膚炎の症状を緩和します。

Atopica(アトピカ)は、シクロスポリンを有効成分とした免疫抑制剤です。犬の難治性アトピー性皮膚炎における症状の緩和に使用されます。

アレルゲンに対して過剰に反応してしまう免疫系皮膚細胞の働きを抑制し、皮膚の赤みやかゆみなどのアトピー性皮膚炎の症状を緩和します。

有効成分のシクロスポリンは、世界で初めて臨床応用された免疫抑制剤です。

人のアトピー治療薬として1987年から使用され、犬用のアトピー薬としては日本で2006年から使用開始されています。

しかし、従来のシクロスポリンは吸収のばらつきが大きくありました。

Atopicaは、それを解消したシクロスポリンのマイクロエマルジョン前濃縮物製剤で、体内で混合ミセルを簡単に形成し、水溶性と同様の性質を示すことで、胆汁酸分泌量や食餌の影響による吸収率の変動を少なくし、速やかで安定した吸収を可能にしています。

アトピカ内用液17ml[犬猫兼用]

アトピカ内用液
有効成分としてシクロスポリンを含有した、犬猫用の免疫抑制内用液剤です。
アトピカと同一有効成分です。
犬の難治性のアトピー性皮膚炎や、猫の慢性アレルギー性皮膚炎の症状を緩和します。

アイチュミューン

シクロスポリン25   シクロスポリン50   シクロスポリン100

有効成分としてシクロスポリンを含有した、犬猫用の免疫抑制内用液剤です。

アトピカと同一有効成分です。

犬の難治性のアトピー性皮膚炎や、猫の慢性アレルギー性皮膚炎の症状を緩和します。

アイチュミューンは、アトピカジェネリックで、有効成分シクロスポリンを配合した免疫抑制剤です。

犬の難治性アトピー性皮膚炎における症状の緩和に使用されます。

アレルゲンに対して過剰に反応してしまう免疫系皮膚細胞の働きを抑制し、皮膚の赤みやかゆみなどのアトピー性皮膚炎の症状を緩和します。

シクラバンス内用液

シクロスポリン液体

有効成分としてシクロスポリンを含有した、犬猫用の免疫抑制内用液剤です。アトピカと同一有効成分です。

犬の難治性のアトピー性皮膚炎や、猫の慢性アレルギー性皮膚炎の症状を緩和します。

ステロイドの内服やシャンプー療法によって炎症や二次感染がある程度抑えられた例では、ステロイド含有外用薬によるコントロールが可能な場合もあります。

ただし、「外用薬 =安全」ではありません。

抗ヒスタミン剤は、マスト細胞から放出されるヒスタミンがH1レセプターに結合することと競合的に拮抗するものであり、その使用は理論的にⅠ型アレルギー(犬アトピー性皮膚炎 とⅠ型アレルギーによる食物アレルギー性皮膚炎)に限られます。

現在は、ステロイドや抗ヒスタミン剤とは異なる経路で炎症や掻痒を強力に抑制するオクラシチニブの使用が推奨されている。

犬アトピー性皮膚炎と食物アレルギー性皮膚炎の治療薬:アポキル

アポキル錠の効果

犬:アトピー性皮膚炎に伴う症状及びアレルギー性皮膚炎に伴う掻痒の緩和

アポキル錠の投与、使用方法

体重 1kgにつき、オクラシチニブが 0.4〜0.6mg必要とされています。

内容量の違う3種類(3.6mg5.4mg16mg)を、ペットの体重に合わせて選びます。
アポキル3.6  アポキル  アポキル16

アレルゲンの除去

原因アレルゲンヘの曝露を止めなければ、いくら皮膚炎を抑制する治療をしても効果が得られません。

そのためには、原因抗原を特定することが重要です。

食物アレルギー性皮膚炎では、管理上必須です。

環境アレルゲンは、特定できなくてもある程度の対応は可能である(逆に、全く触れないようにすることは困難)。

環境抗原に対する具体的な対処法

  • 前述のシャンプー療法
  • 空気清浄器
  • 乾燥機
  • 防ダニ布団の使用
  • フローリングで過ごす
  • 外出から帰宅後に化学クロスで身体を丁寧に拭う

とくに季節性があれば、その時期に集中して実施することが望まれます。

犬アトピー性皮膚炎と食物アレルギー性皮膚炎の問題点

犬アトピー性皮膚炎の症状と食物アレルギー性皮膚炎の問題点

食物アレルギー性皮膚炎では、原因となっているタンパク質を摂取しないようにさえすれば問題は解決されますが、実際には難しいです。

犬の食物アレルギー性皮膚炎において、lgEが関与している例が存在することは確かだが、割合的には2~3割程度です。

しかも加水分解処理フードで対応が可能であることから、リンパ球反応を中心に対応することが実際的だと思われます。

注意すべきことは、現在のところ食物アレルギー性皮膚炎に対する万能なフードは存在しないということで、たとえアレルギー用の療法食であっても同様です。

犬の口に入るものはかならず原料を確認する必要があり、加水分解処理フー ドであってもリンパ球反応は抑えられない場合があります。

さらに、検査の成績は絶対的なものではないです。

IgEの上昇や強いリンパ球反応を示している食物、およびそれらと交差反応を生じる可能性がある食物を避けますが、それでも改善がみられない場合には1種類のタンパク質を選択して除去食試験を実施します。

また、1つの食物アレルゲンだけに反応している症例は稀で、通常は複数のアレルゲンに反応しているため、 療法食を含めて適切なフードを選択できない例があります。

そのような症例に対しては、検査値が低い順番にタンパク質をいくつか選択します。

プレドニゾロンの投与でリンパ球反応をリセットした後、選択したフードをリンパ球反応が上昇して発症に関連してくると予測される限度の約1カ月間隔で順番に与えます。

1度に多種のタンパク質を与えると、再び複数のアレルゲンに対する反応が上昇し、給与可能なフードがなくなってしまうので注意が必要です。

検査結果から適切と考えられるフードを選択しても、やがてそのなかに含まれるアレルゲンに反応を示すようになる可能性があります。

なぜなら、アレルギーを獲得しやすい素因を有しているからです。

加水分解処理フードやアミノ酸フードに切り替えた際、下痢や便秘を示す例があります。

下痢の症例は、乳酸菌製剤などの投与である程度の対応が可能です。

便秘の症例は最適と考えられるフードを断念し、アレルゲンを含むフードヘの変換を余儀なくされることがあります。

関連記事一覧

Life with dogs & cats のロゴ

vet1013


no life no dogs & catsをモットーに、いつも犬と猫に癒されています。国立大学獣医学科卒業→東京大学附属動物医療センター外科研修医→都内の神経、整形外科専門病院→予防医療専門の一次病院→地域の中核1.5次病院で外科主任→海外で勤務。
現役獣医師が海外で勉強しながら得た、犬と猫の病気に対する知識とスキルを発信していきます。

このブログについて お問い合せ プライバシーポリシー
PAGE TOP