血便や下痢・軟便をしているので、動物病院で糞便検査をすると異常があった・・・
健康診断をしたら、便検査で寄生虫がいたので駆虫薬を勧められた・・・
血便や下痢・軟便は、目につきやすい異常なので、心配で病院を受診される方も多いです。本記事ではそんな時に行われる便検査についてお話しします。
便の異常は、実際の臨床現場でも非常に多い症状です。
- 様子、経過を見てくださいと言われたけど心配...
- 検査してくれなかった...
- 病院ではよくわからなかった...
- 病院では質問しづらかった...
- 混乱してうまく理解できなかった...
- もっと詳しく知りたい!
- 家ではどういったことに気をつけたらいいの?
- 治療しているけど治らない
- 予防できるの?
- 麻酔をかけなくて治療できるの?
- 高齢だから治療ができないと言われた
もしくは、病院に連れて行けなくてネットで調べていた
という事でこの記事に辿りついたのではないでしょうか?
ネット上にも様々な情報が溢れていますが、そのほとんどが科学的根拠やエビデンス、論文の裏付けが乏しかったり、情報が古かったりします。
中には無駄に不安を煽るような内容も多く含まれます。
ネット記事の内容を鵜呑みにするのではなく、
情報のソースや科学的根拠はあるか?記事を書いている人は信用できるか?など、
その情報が正しいかどうか、信用するに値するかどうか判断することが大切です。
例えば...
- 人に移るの?
- 治る病気なの?
- 危ない状態なのか?
- 治療してしっかり治る?
これを読んでいるあなたもこんな悩みを持っているのでは?
病院で一回便検査を行っただけで、異常がないと言われて、薬を出してもらえなかった場合は注意が必要です!
結論から言うと、便検査は、新鮮な便での検査が理想という条件はありますが、非常に簡便でどこの病院でもできるような、技術レベルも低い検査です。
便に異常がある場合は積極的に行うようにしましょう。
便検査は、特に寄生虫は便に卵が出て来るまでの時間(プレパテントピリオド)も関係しますが、感度が70%と言われているため、2−3回行うことが見逃しもなく好ましいとされています。
この記事は、愛犬や愛猫の血便や下痢・軟便があったり、便検査が異常があると病院で言われた飼い主向けです。
この記事を読めば、愛犬や愛猫の血便や下痢・軟便があったり、便検査が異常があることが何を意味するかがわかります。
限りなく網羅的にまとめましたので、ご自宅の愛犬や愛猫が血便や下痢・軟便があって便検査をしたのに、原因がわからないと言われたり、便検査を詳しく知りたい飼い主は、是非ご覧ください。
病気について直接聞きたい!自分の家の子について相談したい方は下記よりご相談ください!
通話:現役獣医による犬・猫の病気・治療相談のります 日本獣医麻酔外科学会で受賞した獣医による相談受付:画像に証拠
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✔︎本記事の信憑性
この記事を書いている私は、大学病院、専門病院、一般病院での勤務経験があり、
論文発表や学会での表彰経験もあります。
今は海外で獣医の勉強をしながら、ボーダーコリー2頭と生活をしています。
臨床獣医師、研究者、犬の飼い主という3つの観点から科学的根拠に基づく正しい情報を発信中!
記事の信頼性担保につながりますので、じっくりご覧いただけますと幸いですm(_ _)m
» 参考:管理人の獣医師のプロフィール【出身大学〜現在、受賞歴など】
✔︎本記事の内容
獣医師解説!犬や猫の血便や下痢?犬や猫の便検査を徹底解説!(寄生虫卵、鮮血便)
この記事の目次
糞便の虫卵検査 (parasite egg test)
糞便の寄生虫検査は臨床現場での基本的な検査です。
方法としては、糞便を直接鏡検する方法や飽和食塩水などを用いた浮遊法、沈殿浮遊法、沈殿法などが用いられます。
各方法の特徴を以下に示します。
直接塗抹法
スライドガラス上で3~5mg の糞便を水や20~40%グリセロールで溶いて、カバーガラスを載せて顕微鏡で観察します。
簡便であるが、検出率は高くないです。
回虫、マンソン裂頭条虫など虫卵が多数排泄されている場合にはこの方法でも検出できることが多いです。
浮遊法
糞便1~2g程度を10 mL 程度の遠心管に入れ、浮遊液で糞便を念入りに混和し、 浮遊液を遠心管いっぱい(表面張力で水面が凸型になるまで)まで入れます。
その後 10分程度放置し、表面張力部分をカバーガラスに付着させ顕微鏡で観察します。
- 浮遊液としては飽和食塩水(比重 1.20)、33%硫酸亜鉛(比重 1.18)、
- ショ糖溶液〔比重 1.20 の場合:ショ糖(サッカロース)50g、水65 mL、 アジ化ナトリウム 0.1g;
- 比重1.30 の場合:ショ糖(サッカロース)50g、水 32 mL、アジ化ナトリウム 0.1g]
などが用いられます。
比重1.20 を超えると原虫のシストが壊れることがあるとされるが、報告では比重 1.22 ~ 1.35 付近で良好な結果が得られるとされます。
比重が重い吸虫卵の検出には向かないです。
熟練度により、検出率に差が出ることが報告されています。
沈殿浮遊法
10 mL の遠心管にショ糖溶液(比重 1.30) を7mL くらい入れ、そこに糞便1gを 竹串などで十分に混和します。
2500 rpmで5分間遠心後、先端がループのエーゼを準備し、遠心分離後の液体上面に静かに接触させます。
ループに浮遊液がトラップされるので、それを鏡検します。
通常行われる浮遊法よりも検出率が高いです。
沈殿法
浮遊法では検出できない吸虫卵などには有効です。
糞便1g程度を 10%ホルマリンで混和し、ガーゼなどで濾過します。
エーテル 4mL を加え浸透し、2000 rpm で遠心分離後、沈渣を鏡検します。
寄生虫についてはこちらの記事をどうぞ!
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便潜血(潜血) (occult blood test)
胃潰瘍や消化器腫瘍などでは糞便中に出血がみられることがあります。
外観上判別できない少量の出血を判定するために潜血反応が用いられます。
潜血反応には、グアヤック法、オルトトリジン法などの化学的潜血検査と抗ヘモグロビン抗体を用いる免疫学的方法があります。
化学的潜血反応
グアヤック法 やオルトトリジン法を用いた報告が多いです。
肉眼的なメレナの 20 ~ 50 倍程度の感度で血液を検出できたという報告があります。
しかし、食事に含まれる肉由来の血液も鋭敏に検出してしまうため、一般に市販されている肉を含む食事では陽性となることが多いです。
検査に先立ち肉食を制限する必要があります。
免疫学的潜血反応
食事中に含まれる血液の反応を避けるため、ヒトではこの方法が用いられます。
ヒトの血液に特異的に反応するようになっているため、動物検体をヒトの検査機関で検査することはできません。
検査によってわかること
肉眼で判断しにくい血便の判定に用いることができます。
また、近年非ステロイド系の鎮痛剤の使用が増えていますが、これらの薬剤は潜在的に出血のリスクがあるため、 長期投与している症例では潜血反応を検査し、投薬の中止や減量等を考慮してもよいです。
- 便の潜血反応(グアヤック法、オルトトリジン法)は食事の影響で陽性になる。