【獣医師解説】猫伝染性腹膜炎(FIP)の新しい治療方法:抗真菌薬ケトコナゾール

猫伝染性腹膜炎の治療方法は・・・?

病院で、猫伝染性腹膜炎FIPの治療法はないと言われた、MUTIANは高額でできない・・・

本記事では、猫伝染性腹膜炎(FIP)の新しい治療方法:抗真菌薬ケトコナゾールについてお話しします。

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  • もっと詳しく知りたい!
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  • 麻酔をかけなくて治療できるの?
  • 高齢だから治療ができないと言われた

もしくは、病院に連れて行けなくてネットで調べていた という事でこの記事に辿りついたのではないでしょうか?

ネット上にも様々な情報が溢れていますが、そのほとんどが科学的根拠やエビデンス、論文の裏付けが乏しかったり、情報が古かったりします。

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この記事を書いている私は、大学病院、専門病院、一般病院での勤務経験があり、 論文発表や学会での表彰経験もあります。

今は海外で獣医の勉強をしながら、ボーダーコリー2頭と生活をしています。

臨床獣医師、研究者、犬の飼い主という3つの観点から科学的根拠に基づく正しい情報を発信中!

記事の信頼性担保につながりますので、じっくりご覧いただけますと幸いですm(_ _)m

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✔︎本記事の内容

【獣医師解説】猫伝染性腹膜炎(FIP)の新しい治療方法:抗真菌薬ケトコナゾール

猫伝染性腹膜炎(FIP)とは?

猫伝染性腹膜炎(FIP)はネコ科動物の致死性ウイルス感染症です。

未だにFIPに対する有効な治療方法は報告されていません。

猫伝染性腹膜炎(FIP)はネコ科動物の致死性コロナウイルス感染症です。

FIP は猫の死因の上位に位置しており、特に 1 歳以下の幼猫では FIP を発症すると高い確率で死亡します。

現在、FIP の発症を予防する有効な予防薬は存在しません。

また、獣医臨床において FIP を治療する方法も確立されていないです。

病原体である猫伝染性腹膜炎ウイルス(FIPV)は血清学的に I 型とII 型の2つに分けられます。

このうち、野外では I 型 FIPV が圧倒的に多く、この事実を踏まえると I 型 FIPV を標的とした治療薬が開発されることが望ましいと考えられます。

長年に渡り FIP 治療薬の同定または開発が試みられてきました。

これまで、抗 FIPV 薬を複数報告があります(Takano and Hohdatsu et al., 2013. Antiviral Res など)。

また、強い炎症性疾患でもある FIP の治療を目的として、病態悪化因子の一つであるネコ TNF-α に対する分子標的薬(抗ネコTNF 抗体)も開発されました(Doki and Hohdatsu et al., 2013. Res Vet Sci など)。

もっと詳しく知りたい方は下記をどうぞ!

近年になってようやく、MUTIANなどの薬が出てきましたが、非常に高額なのと、どの病院でもできる治療ではないというデメリットがあります。

猫伝染性腹膜炎(FIP)の新しい薬

猫伝染性腹膜炎に対する治療として、細胞内コレステロールの輸送阻害薬であるU18666Aが野外に多く存在するI型猫伝染性腹膜炎ウイルス(FIPV)の増殖を強力に抑制することを発見されました。

また、U18666Aを投与した猫においてFIP発症が抑制または遅延する可能性を確認されています。

さらに、獣医臨床で抗真菌薬として一般的に使用されているイトラコナゾールがU18666Aと同様の抗ウイルス作用を示すことが発見されました。

猫伝染性腹膜炎(FIP)の新しい薬:U18666Aとは?

上記にも記載した通り、猫の致死性ウイルス感染症であるFIPに対して確立した治療法は存在しません。

U18666Aという非常に優れた抗FIPV薬の候補が発見されました。

U18666Aの抗ウイルス作用については、単純にウイルスの増殖を抑制するという点だけではなく、NPC1タンパク質がその抑制効果に重要であることも確認することが出来ました。

また、実際に獣医臨床で使用されている薬剤のうち、抗真菌薬のイトラコナゾールがU18666Aと同様の作用を持つことを発見されました。

これらの発見は、これまでほとんど解明されていないI型FIPVの感染・増殖メカニズムを理解する上で重要な内容と考えられます。

猫伝染性腹膜炎の治療薬:抗真菌薬のイトラコナゾール

 

現在報告されているMUTIANやGS-441524などのFIP 治療薬の開発・同定に関する研究、FIP の病態悪化機序に関する研究、

および FIPV の増殖機構に関する研究で効果はあるものの、高額な点や日本では取り扱いが困難などのデメリットがありました。

既に獣医臨床で用いられている薬剤の中で FIPV の増殖を強力に抑制するというのはメリットです。

猫伝染性腹膜炎の治療薬の機序

 

I 型 FIPV はコレステロールに依存して増殖します(Takano et al., 20 Arch Virol)。

コレステロールの生合成および輸送を抑制する薬剤の中から抗ウイルス作用を示す薬剤が治療薬となります。

U18666A は細胞内のコレステロールを凝集するとともに、強力な抗ウイルス作用を示し、I 型 FIPV の増殖を強力に抑制した。

抗真菌薬であるイトラコナゾールは獣医臨床で一般的に用いられる薬剤であり、実験において、

イトラコナゾールが抗ウイルス効果を示す可能性が示唆されました。

 

U18666A による抗ウイルス効果は、ヒストン脱アセチル化酵素(HDACi)である Vorinostat の作用によって消失した。

HDACi は U18666A によるNiemann-Pick C1(NPC1)の機能不全を回復することが報告されている。

この事実と本研究の結果を踏まえると、I 型 FIPV は、エボラウイルスと同様に細胞内侵入に際してNPC1 を利用する可能性が示唆された。

FIP 発症猫に対する抗 FIPV 薬の治療効果の検討

抗 FIPV 薬として同定したU18666A を猫に皮下投与し、同時に I 型 FIPV を腹腔内投与した。

その結果、U18666A を投与しない群では 5 頭中 2 頭が FIP を発症したのに対し、U18666A を投与した群では 5 頭全てにおいて FIP 発症が認められなかった。

イトラコナゾールの抗ウイルス効果の検討

U18666A は FIP の治療薬として応用できる可能性が強く考えられました。

しかし、U18666A は動物薬として認可されておらず、実際に獣医臨床で応用するためには猫における薬物動態や安全性試験をそれぞれの国の基準に従って行う必要があります。

そのため、U18666A は将来的に FIP 治療薬として応用できますが、現時点において直ちに獣医臨床に応用することは困難です。

一つの実験において比較的高い抗ウイルス効果を示したイトラコナゾールが着目されました。

イトラコナゾールは獣医臨床において抗真菌薬として一般的に用いられています。

イトラコナゾールが I 型 FIPV の増殖を抑制し、ウイルス感染後の細胞に対しても 抗ウイルス作用が認められました。

即ち、イトラコナゾールは FIP の治療薬として応用できる可能性が示唆されました。

参考文献

Takano T, Akiyama M, Doki T, Hohdatsu T. 2019. Antiviral activity of itraconazole against type I feline coronavirus Veterinary research 50(1) 5. 査読有

Doki T, Yabe M, Takano T, Hohdatsu T. Differential induction of type I

interferon by type I and type II feline coronaviruses in vitro. Research in veterinary science 120 57-62. 査読有

Takano T, Endoh M, Fukatsu H, Sakurada H, Doki T, Hohdatsu T. The cholesterol

transport inhibitor U18666A inhibits type I feline coronavirus infection. 2017.

Antiviral research 145 96-102.

Takano T, Nakaguchi M, Doki T, Hohdatsu T. 2017. Antibody-dependent enhancement of serotype II feline enteric coronavirus infection in primary feline monocytes. Archives of virology 162(11) 3339-3345.

 

 

第 405 回北里大学獣医学部獣医学科セミナー「コレステロール輸送阻害剤はネココロナウイルスの増殖を抑制する猫伝染性腹膜炎の新規治療薬の探索」参照:http://10.0.99.117/vmas/faculty/vm/news/n20180417.html

 

正しい知識以外に病院の選び方も非常に重要です!

ネットで検索すると、いろんな情報が出てきて混乱して、
逆に不安になったことってありませんか?

ネット記事を読むときは、内容を鵜呑みにするのではなく、
情報のソースや科学的根拠はあるか?記事を書いている人は信用できるか?など、
その情報が正しいかどうか、信用するに値するかどうか判断することが大切です。

とっても大事なこと

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no dogs & cats no lifeをモットーに、現役獣医師が、科学的根拠に基づいた犬と猫の病気に対する正しい知識を発信していきます。国立大学獣医学科卒業→東京大学附属動物医療センター外科研修医→都内の神経、整形外科専門病院→予防医療専門の一次病院→地域の中核1.5次病院で外科主任→海外で勤務。

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