獣医師解説!犬や猫が抜け毛が多い?禿げ?毛が抜ける、無い?脱毛~症状、原因、対処、治療方法~

    最近、犬や猫の抜け毛が気になる、禿げている・・・

    脱毛が広がってきた、毛が無くなってきた・・・

    本記事では、抜け毛が多い?禿げ?毛が抜ける、無い?脱毛についてお話しします。

    • 様子、経過を見てくださいと言われたけど心配...
    • 検査してくれなかった...
    • 病院ではよくわからなかった...
    • 病院では質問しづらかった...
    • 混乱してうまく理解できなかった...
    • もっと詳しく知りたい!
    • 家ではどういったことに気をつけたらいいの?
    • 治療しているけど治らない
    • 予防できるの?
    • 麻酔をかけなくて治療できるの?
    • 高齢だから治療ができないと言われた

    もしくは、病院に連れて行けなくてネットで調べていた という事でこの記事に辿りついたのではないでしょうか?

    ネット上にも様々な情報が溢れていますが、そのほとんどが科学的根拠やエビデンス、論文の裏付けが乏しかったり、情報が古かったりします。

    中には無駄に不安を煽るような内容も多く含まれます。

    ネット記事の内容を鵜呑みにするのではなく、 情報のソースや科学的根拠はあるか?記事を書いている人は信用できるか?など、 その情報が正しいかどうか、信用するに値するかどうか判断することが大切です。

    例えば...

    • 人に移るの?
    • 治る病気なの?
    • 危ない状態なのか?
    • 治療してしっかり治る?

    これを読んでいるあなたもこんな悩みを持っているのでは?

    結論から言うと、毛周期性(内分泌性疾患、遺伝的異常によって毛成長)、毛構造性、自己誘発性、特発性原因に分類されています。

    この記事は、愛犬や愛猫の抜け毛が多い?禿げ?毛が抜ける、無い?脱毛が気になる飼い主向けです。

    この記事を読めば、愛犬や愛猫の抜け毛が多い?禿げ?毛が抜ける、無い?脱毛の原因、治療法がわかります。

    限りなく網羅的にまとめましたので、ご自宅の愛犬や愛猫の抜け毛が多い?禿げ?毛が抜ける、無い?脱毛について詳しく知りたい飼い主は、是非ご覧ください。

    病気について直接聞きたい!自分の家の子について相談したい方は下記よりご相談ください!

    通話で相談したい方はこちら!

    通話:現役獣医による犬・猫の病気・治療相談のります 日本獣医麻酔外科学会で受賞した獣医による相談受付:画像に証拠

    チャットで相談したい方はこちら!

    現役獣医による犬・猫の病気、治療相談にのります 日本獣医麻酔外科学会で受賞した獣医による相談受付:画像に証拠

    ✔︎本記事の信憑性

    この記事を書いている私は、大学病院、専門病院、一般病院での勤務経験があり、 論文発表や学会での表彰経験もあります。

    今は海外で獣医の勉強をしながら、ボーダーコリー2頭と生活をしています。

    臨床獣医師、研究者、犬の飼い主という3つの観点から科学的根拠に基づく正しい情報を発信中!

    記事の信頼性担保につながりますので、じっくりご覧いただけますと幸いですm(_ _)m

    » 参考:管理人の獣医師のプロフィール【出身大学〜現在、受賞歴など】や詳しい実績はこちら!

    ✔︎本記事の内容

    犬や猫が禿げている?毛が抜ける?脱毛?~症状、原因、対処、治療方法~

    犬や猫が禿げている、毛が抜ける、脱毛とは?

    犬や猫が禿げている、毛が抜ける、脱毛とは?

    この文章は消さないでください。
    正常であれば発毛している皮膚領域に被毛が少ないか欠如している状態です。

    または被毛が異常に脱落することをいいます。

    犬や猫が禿げている、毛が抜ける、脱毛の分類と問題点

    犬や猫が禿げている、毛が抜ける、脱毛の分類と問題点

    皮膚徴候の一種であり、特に非炎症性皮膚疾患で一般的に認められます。

    被毛を失った皮膚は様々な外的刺激(乾燥、紫外線、外傷など)を受けやすくなります。

    犬や猫が禿げている、毛が抜ける、脱毛の原因、理由

    犬や猫が禿げている、毛が抜ける、脱毛の原因、理由

    ◎毛周期性

    内分泌性疾患あるいは遺伝的異常によって毛成長にかかわるホルモン分泌に不均衡が生じることで

    毛周期が停滞し、発毛が障害されます。

    ◎毛構造性

    遺伝的に異常な構造の毛が形成され、発毛が障害されます。

    被毛色に関連して発症する場合もあります。

    ◎自己誘発性

    舐める、引っ掻くなどの自発的行動により被毛が断裂ないし脱落して欠如します。

    ◎特発性

    原因不明の発毛障害が報告されています。

    犬や猫が禿げている、毛が抜ける、脱毛の対症療法

    犬や猫が禿げている、毛が抜ける、脱毛の対症療法

    ◎毛周期および毛形成の促進

    内分泌疾患の場合はこれを特定し、それぞれに特異的な治療を行うことで、毛周期の正常化が期待されます。

    遺伝的異常による場合は治療困難なものが多く、メラトニンを用いて停滞している毛周期および毛形成の促進を試みます。

    自己誘発性の場合は、舐める、引っ掻くなどの自己誘発性要因(心的要因、アレルギーなど)を管理し、

    エリザベスカラー、包帯、洋服などで予防することにより再発毛が期待されます。

    ◎脱毛領域の保護

    保湿性外用剤を用いて外的刺激(乾燥、摩擦、紫外線など)から保護します。

    紫外線予防のためには、場合によって被覆したりサンスクリーンを活用します。

    犬や猫が禿げている、毛が抜ける、脱毛の診断の進め方

    犬や猫が禿げている、毛が抜ける、脱毛の診断の進め方

    ◎一般皮膚検査

    • 皮膚押捺塗抹検査
    • 皮膚掻爬物検査(直接鏡検)
    • 毛検査:被毛の顕微鏡所見から毛周期や毛構造の異常を予測します。

    ◎一般血液検査

    ・内分泌性疾患の可能性を調査

    ◎内分泌機能検査

    • 副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)刺激試験
    • 甲状腺関連ホルモン(T4、fT4など)の血中濃度測定
    • 生殖器関連ホルモン(エストラジオールなど)の血中濃度測定

    犬や猫が禿げている、毛が抜ける、脱毛の特徴

    犬や猫が禿げている、毛が抜ける、脱毛の特徴

    年齢、性別を問わずあらゆる品種で発症します。

    ただし内分泌性疾患に併発する両側対称性の広範な脱毛は、より高齢の動物に好発します。
    自己誘発性の脱毛は猫に多くみられ、その他の要因による脱毛は犬でみられることが多いです。

    犬や猫が禿げている、毛が抜ける、脱毛の原因となるよくある病気

    犬や猫が禿げている、毛が抜ける、脱毛の原因となるよくある病気

    ◎毛周期性

    内分泌性

    ・クッシング症候群

    副腎皮質機能亢進症、自然発生性(下垂体腫瘍、副腎腫瘍)または医原性に発症し、血中コルチゾール濃度が高くなります。

    ・甲状腺機能低下症

    主にリンパ球性甲状腺炎、甲状腺萎縮、甲状腺腫瘍などにより発症し、血中甲状腺ホルモン濃度が低下します。

    ・エストロゲン過剰症

    主に精巣腫瘍(セルトリ細胞腫)または卵巣腫瘍(卵胞嚢腫、顆粒膜細胞腫)により発症し、

    血中エストロゲン濃度が高くなります。

    エストラジオール(E2: estradiol)
    この文章は消さないでください。
    卵巣腫瘍、精巣腫瘍、前立腺過形成、避妊手術

    卵胞膿腫、卵巣腫瘍、精巣腫瘍などの際に測定されることがあります。

    特にエストロジェン中毒による骨髄抑制が疑われる場合に測定します。

    また、良性の前立腺過形成の犬でもやや高値となることが報告されています。

    精巣腫瘍の際に上昇することがあるが、雌性化傾向がみられる場合、

    エストラジオールが高値になっているよりも、

    テストステロンが低値になりエストラジオール/テストステロン比が低値になっていることが多いです。

    猫でも避妊手術後の発情回帰が問題になることがあります。

    これは多くの場合、機能的な卵巣が腹腔内に残存していることが原因と考えられています。

    遺伝性

    ・脱毛症X

    北方犬種(特にポメラニアン)やプードルなどに好発する非炎症性脱毛症です。

    また未去勢の雄に好発します。

    副腎におけるステロイドホルモン合成系の異常などが示唆されていますが、詳細な原因は不明です。

    パターン脱毛

    ある特定の部位に限局してみられる脱毛症です。

    ダックスフンドなどに好発します。

    両側耳介のみの脱毛パターンや、耳介と腹側頸から腹側腹部の脱毛パターンなどが知られています。

    ◎毛構造性

    淡色被毛脱毛症(Color dilution alopecia)

    メラニンの産生異常に関連した遺伝性脱毛症で、黒または茶色の希釈色の被毛領域のみが脱毛します。

    毛包形成異常

    遺伝的な毛包形成異常に由来すると考えられる脱毛症です。

    本来は特異的な犬種に発症し、特にハスキーなどが知られています。

    ただし、毛包形成異常が疑われる様々な脱毛症に対して、犬種を問わず広く用いられる傾向があります。

    ◎自己誘発性

    猫ではほかの動物と比べ舌乳頭が硬く鋭いため、搔痒による舐性行動が毛の断裂を引き起こし、

    臨床的に非炎症性脱毛を生じる場合があります。

    • 猫の難治性アレルギー性皮膚疾患:猫のアトピー様皮膚疾患
    • 猫の食物アレルギー:食物成分をアレルゲンとするアレルギー
    • 猫の心因性疾患:精神的要因による問題行動から舐性行動を生じます。

    猫のストレス緩和に!

    フェリウェイスプレー(FeliwaySpray)猫用 

    この文章は消さないでください。
    Feliway Sprayは、猫頬腺由来フェロモン様物質を配合したスプレーです。

    猫の緊張緩和や問題行動の防止に適しています。

    猫は、自分の取り巻く環境が快適と感じた時、頬から分泌される猫頬腺由来フェロモンを壁や飼い主の足にこすりつけるマーキング行為を行います。

    Feliway Sprayに配合されている猫頬腺由来フェロモン様物質は、猫頬腺由来フェロモンを模したよく似た働きをする物質です。

    猫が安心感を得ることで、問題行動へとつながるストレスをやさしくケアします。

    旅行やクリニック受診によるストレスを和らげるほか、壁や家具への引っかき行為、
    オシッコの撒き散らし(尿スプレー)などの問題行動に有用です。

     

    自宅
    引っかきやオシッコの撒き散らしなど、猫がいたずらをした場所を消毒用アルコールなどの

    消毒液できれいにし、乾いてからスプレーします。

    毎日スプレーを行うことで、いたずらの回数減少が期待できます。

    旅行・診察時
    キャリーバッグに入れる15分前に、バッグの内側(四隅と天井・床面)にスプレーします。

    吐き気や嘔吐を防ぐためにも、出かける6時間前までに食事を済ませておくことが理想です。

    ◎特発性

    毛刈り後脱毛

    毛刈り部位に限局した脱毛症です。

    詳細な原因は不明ですが、多くは数ヵ月~1年以内に再び発毛します。

    犬や猫が禿げている、毛が抜ける、脱毛のまとめ

    まとめ
    • 遺伝性疾患や基礎疾患の否定的な特発性の脱毛では、治療にメラトニンを用いることがあります。
    • メラトニンは合成松果体ホルモン剤であり、有害作用の危険がほとんどなく非常に安全性が高いです。
    • 欧米では主に時差ぼけの改善や睡眠導入を目的としたヒト用のサプリメントとしてドラッグストアなどでも販売されています。
    • 残念ながら国内では薬剤としての製造や販売は許可されておらず、試薬(和光純薬㈱)として購入することが可能です。

     

    こんなことについて知りたい!これについてまとめて欲しい!というのがあれば下記からお願いします!

    お問い合わせフォーム

    関連記事一覧

    Life with dogs & cats のロゴ

    vet1013


    no dogs & cats no lifeをモットーに、現役獣医師が、科学的根拠に基づいた犬と猫の病気に対する正しい知識を発信していきます。国立大学獣医学科卒業→東京大学附属動物医療センター外科研修医→都内の神経、整形外科専門病院→予防医療専門の一次病院→地域の中核1.5次病院で外科主任→海外で勤務。

    このブログについて お問い合せ プライバシーポリシー

    sponser

    現役獣医師作成!健康管理アプリ!

    PAGE TOP